ba3ji3の植物園40
 



マタタビとは、日本やアジアの山地に自生するマタタビ科の落葉つる性植物です。ネコ科の動物が強い反応を示すことで有名ですが、人間にとっても疲労回復や強壮効果のある有用な植物として古くから親しまれています。昔、旅人が疲れて動けなくなったときにこの実を食べたところ、元気になって「再び旅」ができるようになったという伝説に由来します。キウイフルーツの仲間で,6〜7月頃に白い花を咲かせ、秋にどんぐりや梅の実のような形をした黄緑色の実をつけます。: 猫が匂いを嗅ぐと、うっとりした表情になったり、体を床にすりつけたり、転げ回ったりと、まるで酔っ払ったような状態になります。



マタタビに含まれる成分が猫の脳の中枢神経を刺激し、多幸感をもたらすためです。この反応はネコ科特有のもので、オスのほうがより強く反応する傾向があります。マタタビの実に虫が寄生してコブ状に変形したものは「虫えい果」と呼ばれ,乾燥させたものは「木天蓼」という生薬になります。: 冷え性、神経痛、疲労回復などに効果があるとされ、果実酒(マタタビ酒)や入浴剤などにして利用されてきました。: スキンシップやストレス解消に役立ちますが、与えすぎると興奮しすぎたり呼吸困難などを引き起こす恐れもあるため、適量を守って楽しむことが大切です。



シマダンチク(縞暖竹)は、イネ科ダンチク属の多年草です。日本各地の海岸や湿地に自生する「ダンチク(ヨシタケ)」の変種で、葉に入る美しい斑入り模様が特徴の観葉植物・園芸品種です。草丈は2〜4メートルにもなり、竹のように中空で節があります。長さ30〜60センチの幅広で光沢のある葉をつけ、全体に鮮やかな黄白色の縦縞(斑)が入ります。: 8月から11月頃にかけて、茎の先端に長さ50センチ前後の大きな花穂(円錐花序)を出し、白紫色や赤紫色の小花をつけます。ヨーロッパから明治時代の中頃に導入されました。その美しい葉姿を活かし、庭園や池の周辺などの路地植えや鉢植えとして観賞されるほか、生け花の切り葉としても重宝されています。日本各地の湿地や海岸に自生するダンチクの茎は、竹のように中空で節があり、3~4mにもなる大形の植物です。この変種で斑入りのものがシマダンチクで、園芸品種としてフイリノセイヨウダンチクとも呼ばれ、生け花で利用されています。



マイズルソウ(舞鶴草)は、北海道から九州の山地や亜高山帯の針葉樹林などに群生するユリ科(またはスズラン科)の多年草です。白い小花を咲かせる姿が鶴の舞う様子に似ていることから名付けられました。マイヅルソウはやや高い山から亜高山帯、北国の森林や林縁、湿原などに見られる植物です。花を咲かせる芽は茎を高さ10cm前後に伸ばして葉を2~3枚つけます。花が咲かない芽は大きめの葉を1枚つけます。葉は幅が広く、はっきりとした柄があります。葉の葉裏に毛はなく、この点で近縁種のヒメマイヅルソウと区別できます。花は径3mmで、茎の先端に長さ2~5cmの穂状につきます。花後に液果が数個つき、秋に赤く熟します。地下茎は細いひも状で、枝分かれしながら長く伸びます。日本列島では北のものほど姿が大きく、南のものほど小さい傾向にあり、南限の屋久島産のものは葉の長さが1cm前後しかありません。



オニグルミ(鬼胡桃)とは、日本に自生するクルミ科の落葉高木で、日本で唯一一般的に食用とされる野生のクルミです。川辺などに自生し、縄文時代の遺跡からも多く出土するなど、古くから親しまれてきました。市販の一般的なクルミ(ペルシアグルミなど)に比べて殻が非常に硬くて厚いため( 殻が非常に厚く頑丈で、ゴツゴツとした凹凸があります。手で割ることは難しく、ハンマーなどで叩き割る必要があります。また、実が殻の奥まで入り込んでいるため、綺麗に取り出すのが困難です。)、割りにくいのが特徴です。しかし、渋味が少なく、濃厚でクリーミーな味わいを持っています。高さは7〜10mほどで、非常に大きな葉(長さ60〜80cmほど)をつけます。秋に落葉した後の枝先に見える「葉痕(ようこん)」という模様が、羊の顔のように見えることでも有名です。食用だけでなく、木材は柔らかくても強度があるため、家具や建築材としても活用されます。また、非常に硬い殻は砕いてスタッドレスタイヤの滑り止め(スリップ防止材)などに使われることもあります。



ミツモトソウは、バラ科キジムシロ属の多年草です。山地の湿った場所や渓流沿いなどの水辺に自生し、夏から秋にかけて小さく可憐な黄色の花を咲かせます。3枚の小葉が1セットになった複葉で、葉の縁には鋭いギザギザ(鋸歯)があります。7月〜9月頃にかけて、径1cm程度の控えめで小さな黄色い花をつけます。名は、水の多いところに生えることから「水元」とつきました。別名ミナモトソウ(源草)とも言われています。山地の沢沿いなどに生え、茎は直立して枝を分け高さ50~80cmになる多年草で、茎に開出した毛が生えています。根生葉は花時には枯れてなく、下部の茎葉は有柄で上部の茎葉は無柄となります。托葉は披針形で葉柄に沿ってつくで鋸歯は深く、葉は3小葉からなる複葉で互生し、小葉は長さ3~5cmの狭卵形で先は尖っています。縁に低い鋸歯があり、裏面に全体に軟毛があり、特に脈上に多いです。



キャットニップとは、ユーラシア大陸原産のシソ科のハーブで、和名は「イヌハッカ」と言います。猫が好む香りを持つことで有名ですが、人間にとってもリラックスや消化促進などの効能があるハーブとして古くから利用されています。猫が好むとされるハーブのひとつで、猫を興奮させるネペタラクトンという成分がふくまれています。ただ猫も個性がありますので、すべての猫が好むというわけでもないようです。まったく見向きもしないこともあるそうです。古代ローマ時代から薬用として用いられてきたハーブで、打ち身のシップ薬や、解熱、胃腸の不調を軽減するなどの効果があるとされています。シソの花に似たお花を咲かせます。ハッカのような爽やかな香りがあり、若葉をサラダにしたり、ハーブティーで楽しむこともできます。また爽やかな香りからポプリや入浴剤などにも利用されます。



コモチマンネングサは、日本などの道端や田んぼのあぜ道に自生するベンケイソウ科の多肉植物(セダム属)です。葉の付け根に小さな「むかご(子持ち)」をつけるのが特徴で、それが地面に落ちることで繁殖します。雄しべや雌しべがある花を咲かせますが、種を実らせることはありません。その代わりに葉腋(葉の付け根)に無性芽(むかご)を形成し、これが地面にポロポロと落ちて新しい個体へと増えていきます。やや湿った日当たりの良い場所に生育します。特に水田のあぜや沼べりなどに多く見られる傾向があります。茎や葉は分厚く水分を蓄える構造になっているため、乾燥にもよく耐えます。葉は小さくて丸っこく厚みがあります。株はぶちぶちとちぎれやすいのですが、 ちぎれた枝からも簡単に発根して復活することができます。屋上緑化などに使われる多肉植物のセダムと同じ仲間です。初夏に黄色い花をいくつも咲かせます。ただしタネはできません。花後に果実っぽいものが残ることもありますが、次第にしぼんでいき、脱落してしまいます。



ツタウルシは、日本全国の山野に自生するウルシ科の有毒植物です。ツタのように他の木や岩に絡みついて伸びる「つる性木本」で、日本のウルシ属の中では最もかぶれ成分が強い植物として知られています。3枚の小さな葉が1セットになった「3出複葉」と呼ばれる形状をしています。似た植物にツタがありますが、ツタの葉が1枚ずつであるのに対し、ツタウルシは必ず3枚です。林の木々を這い登るだけでなく、地面を這っていることもあります。秋には美しく真っ赤に色づきますが、その状態でも強い毒性を持っています。葉、茎、根などに強いかぶれ成分を含んでおり、触れると激しいかゆみや炎症を引き起こします。直接触れなくても、生えている場所の近くを通ったり、雨の日に木の下で雨宿りをしただけでも成分が含まれた雨滴でかぶれることがあります。山林に入る際は長袖・長ズボンを着用し、肌の露出を避けることが重要です。万が一触れてしまった場合は、水洗いだけでは成分が落ちないため、石鹸をしっかり泡立てて洗い流す必要があります。



カレックスは、カヤツリグサ科スゲ属の植物の総称で、日本では「スゲ(菅)」と呼ばれます。細長く美しい葉を伸ばし、一年中景観を彩るカラーリーフプランツやグランドカバーとしてガーデニングで広く活用されています。カレックスは約2000種もある大きな属で、日本を含め、全世界に広く分布します。根が強く張るので林道などの路肩で土留めに植えられることが多いのですが、それ以外にも、風になびく細い葉のラインやその美しい葉色から、カラーリーフプランツとして親しまれています。緑葉のほか、光沢のある銅葉や黄緑色の葉、斑入りなどバリエーション豊かです。花は、4月から6月上旬ごろ、葉の間から花穂を伸ばし、雄小穂と雌小穂を咲かせます。株の大きさにはいろいろあり、間引きや株分けをして大きさをコントロールすれば庭でも鉢でも楽しめます。白い斑が入る種類では、ときに先祖返りで緑葉が現れることがあります。



ヤナギバシャリントウ(柳葉車輪桃)は、中国西部原産のバラ科シャリントウ属(コトネアスター属)の常緑低木です。柳のように細長い葉と、秋に実る鮮やかな赤い果実が特徴で、公園のグラウンドカバーや庭木として広く利用されています。濃い緑色で、先が尖った細長い形(披針形)をしています。葉の裏には白い毛が生えています。5〜6月頃)にかけて、白く小さな5弁の花を咲かせます。秋(10月頃)になると、直径5〜6mmほどの球形で鮮やかな赤い実をたくさんつけます。「シャリントウ(車輪桃)」という名は、シャリンバイ(車輪梅)に似ていて桃のような実をつけることに由来しています。枝がしなやかで成長が早いため、庭の生垣やグランドカバー(地面を覆う植栽)として重宝される丈夫な植物です。



フランネルソウは、白いうぶ毛に覆われたシルバーの葉茎が特徴的な耐寒性多年草で、葉がまるでフェルトのような質感なので、フランネルソウと呼ばれています。和名の酔仙翁(スイセンノウ)は、赤やピンクの花が酔っぱらったおじいさんのように見えることからその名が付いたとされています。フランネルソウの花色は、赤、ピンク、白、複色などがあり、濃いピンク色をよく見かけます。咲き方は一重咲きのほか、八重咲き品種もあります。草丈は60~100cmほどで、枝分かれして初夏に次々と花を咲かせます。暑さ、寒さに強く、やせ地でもよく育ち、乾燥にも耐えるのですが、多湿や蒸れに弱い性質があります。そのため、日本では梅雨や長雨の時期に蒸れて枯れてしまうことがあり、短命な多年草や二年草扱いとされることもあります。冬も常緑でカラーリーフとして楽しめます。基本的には、こぼれ種で増えるほど丈夫な植物です。花言葉「私の愛は不変」は、よく枝分かれする茎の先に紅紫色の花を次々と咲かせ、長い間楽しめることから付けられたのではと言われています。



アカメカシワは、東南アジアの山地に見られるトウダイグサ科の落葉樹で、日本では北海道を除く各地に見られ、山地の林縁や伐採跡地などの荒れ地に多く、晩春の芽吹きが鮮やかな紅色で、葉の形あるいは用途(後述)がカシワに似るとしてアカメガシワと命名されました。新葉は生け花の花材として使われますが、基本的には雑草と共に藪の端にあるような木であり、人為的に植栽されるのは稀です。新葉と葉柄が赤く見えるのは、表面に赤毛が星形に密生するためで、それが落下した夏の葉は緑色になりますが、新葉でも手で擦って毛を落とせば緑色が見えます。アカメガシワの葉はその大きさを利用して、神仏への御供え(御菜)、団子や寿司を包むのに使われ、ゴサイバ(五菜葉)、サイモリバ(菜盛葉)」といった地方名が残っています。現代において柏はブナ科のカシワを表しますが、江戸時代の初期までは本種やホオノキをカシワと呼んで、端午の節句の柏餅に使っていました。 若芽と新葉には独特な臭いがありますが、柔らかい時季であれば天婦羅やお浸し、和え物にして食べることができます。また、健康食品、ダイエット食品として「アカメガシワ茶」が売られています。



フウトウカズラ(風藤葛)は、日本に自生する唯一のコショウ科のつる性木本です。関東以西から沖縄にかけての海岸近くの林や岩場に自生し、他の樹木や岩に気根を絡ませて成長します。葉はツヤのある卵形〜ハート形で、秋から冬にかけてコショウに似た赤い小さな実をたくさんつけます。葉や実にはかすかにスパイシーなコショウの香りがします。コショウの仲間ですが辛味成分(ピペリン)は含まないため、一般的な香辛料としては利用されません。: 九州や南西諸島などでは、葉や茎を乾燥または生のままお風呂に入れて薬湯として利用されてきました。神経痛やリウマチ、打撲、腰痛に効果があるとされています。中国などでは茎が「海風藤)」や「南藤」という生薬として扱われており、関節痛や筋肉痛の改善に煎じて飲んだり酒に浸して利用されることがあります。野生のものは観賞用として親しまれており、冬の時期には緑の葉に映える鮮やかな赤い房状の実を楽しむことができます。



フイリツルニチニチソウ(斑入り蔓日日草)とは、南ヨーロッパ原産のキョウチクトウ科の常緑つる性多年草です。明るいクリーム色や白色の斑が入った美しい葉が特徴で,春から初夏にかけて爽やかな青紫色の花を咲かせます。観葉植物としても楽しめる美しい斑入りの葉は、日陰の空間をパッと明るく彩ります。暑さや寒さに強く、日なたから半日陰、日陰まで幅広い環境で育ちます。初心者でも非常に育てやすい植物です。茎が長く伸びて地面を這うように広がるため、グラウンドカバーやハンギング(吊り鉢)にして垂らすアレンジに重宝されます。根付いてからは乾燥に強く、水やりは最小限で済みます。生育旺盛でつるがどんどん伸びるため、伸びすぎた場合は春から秋にかけて適宜剪定を行うと綺麗な株姿を保てます。ツルニチニチソウは元々は観賞用の園芸植物ですが、非常に強い繁殖力を持つため、野生化すると「厄介な雑草」として扱われることがあります。



リュウノヒゲモ(竜の髭藻)とは、ヒルムシロ科リュウノヒゲモ属に分類される沈水性の多年生水生植物です。日本全国の池沼や河川、特に海岸近くの汽水域などに生育し、細長い葉が「竜のひげ」に似ていることから名付けられました。: 全長が最大2メートルに達することもあり、そうめんのように非常に長くて細い葉を水中に伸ばします。水面より上には小さな花を咲かせますが、それ以外は水中で育ちます。: 水質汚濁や生息地の開発によって全国的に減少傾向にあり、環境省のレッドリストでは準絶滅危惧(NT)などに指定されている貴重な植物です。主に水鳥の重要な餌資源となっています。池沼や河川などとくに海岸近くの水域に生える沈水植物で、水中茎は上部で盛んに分枝します。沈水葉は狭線形で長さ5〜15㎝、葉の基部は茎を抱き、長さ1〜3㎝の葉鞘となります。花期は6〜9月で、長さ5〜20㎝の細長い花柄を伸ばし、まばらに花をつけます。地下茎の先端に白い塊茎をつけます。



ユズリハ(譲葉)は、春に新しい葉が出ると古い葉がそれに場所を譲るように落ちる常緑高木です。この「親が子に後を譲る」姿から、家系や代々が長く続く縁起物とされ、鏡餅の敷き紙などの正月飾りとして古くから親しまれています。新しい葉(若葉)が伸びた後に、古い葉が落葉することに由来しています。日本原産の植物であり、古くは『枕草子』にも登場します。長さ10〜20cmほどの大きな楕円形で、表面は光沢のある濃い緑色、裏面は白っぽい緑色をしています。また、葉柄(葉の軸の部分)が赤いのが大きな特徴です。春(4〜5月頃)に目立たない小さな花を咲かせ、秋から冬にかけてブドウの房のような黒い実をつけます。雌雄異株のため、実がなるのは雌の木だけです。葉や樹皮にはアルカロイドなどの有毒成分(ダフニマクリンなど)が含まれています。誤って食べると中毒症状を起こすことがあるため注意が必要です。樹高が10m以上になる基本種。主に本州(福島県以南)の山地に自生します。



ヒメイワダレソウは、グラウンドカバープランツとして利用されることの多い花です。茎が地面を這うように伸びて広がり、各節から根を出してびっしりと密に地面を覆い、緑のカーペットのようになります。石垣や敷石の間、花壇の縁のほか、コンテナの寄せ植えにも使いやすく、多少の踏みつけにも耐えます。水田のあぜに植栽されることもあります。花期が長く、花色は白、桃色、中間色のものがあります。3~4mmの小花が多数集まって、径1.5cmくらいの球状の花を咲かせます。南米原産で、世界各地に野生化しています。ヒメイワダレソウはイワダレソウの変種とされますが、別種として扱われることもあります。いずれも常緑性で、株元は木質化して低木のようになります。関東地方以西の暖地では冬も常緑を保つ場合もありますが、寒冷地では地上部が枯れます。なお、ヒメイワダレソウは環境省被害防止特定外来種リストの重点対策外来種のなかにリストアップされています。



ゼニゴケ(銭苔)とは、人家の軒下や庭など、日当たりが悪く湿気の多い場所に自生するコケ植物(苔類)の一種です。平らで丸い葉を広げた姿が昔の穴あき銭に似ていることから、その名が付けられました。根・茎・葉の区別がなく、地面に張り付くように扇状に広がります。葉の表面に「杯(さかずき)」のような形をした器官を作り、その中に「無性芽」を飛ばして爆発的に増殖します。雌雄異株で、春から初夏にかけて傘のような形をした生殖器官(雌器床・雄器床)を伸ばし、胞子を飛ばして繁殖します。繁殖力が非常に強く、一度定着すると地面を覆い尽くしてしまうため、ガーデニングや園芸においては厄介な雑草として扱われます。土壌の通気性が悪く、多湿な環境を好むため、日当たりと水はけを改善することが予防につながります。ゼニゴケは陸上植物の進化の初期段階で分岐した植物であり、遺伝子の構造が単純であるため、植物学や発生生物学におけるモデル生物として世界中で広く研究されています。人間に対する害や毒性はなく、盆栽やテラリウムのアクセントとして観賞用に用いられることもあります。



ホシギキョウ(カンパニュラ)は、キキョウ科ホタルブクロ属に分類されるヨーロッパ原産の多年草です。初夏にかけて、淡い青紫色や白色の星形をした小さな花を株いっぱいに咲かせます。茎が這うように広がる性質があり、グランドカバーや寄せ植えとして人気があります。高さ10~25cmになる多年草で、茎の基部は地を這い、上部で立ち上がります。葉は互生する単葉で、長さ2.5~4cmほどの心臓形で、縁に鋸歯があります。カンパニュラの由来は、ギリシャ神話では、宵の明星ヘスペロスの娘カンパニュールに由来します。黄金のりんごがなる果樹園の見張り番をしていたカンパニュールは、ある日、果樹園に侵入する盗賊を見つけました。カンパニュールは、銀の鈴を打ち鳴らしてドラゴンに助けを求めましたが、逆に盗賊に殺されてしまいました。花の女神フローラは、カンパニュールの死を憐れみ、銀の鐘の形をした美しい花にその姿を変えたと言われています。



ダイコンドラは、這うように伸びる長い茎に葉が密につき、グラウンドカバーやハンギングの寄せ植えのアクセントとして最適です。ただし、葉柄が長くて踏圧には強くないので、植える場所には配慮します。冬に葉が傷みますが、株が枯れることはなく、毎年春からまた見ごろを迎えます。花は3mm程度と小さく、葉のつけ根に咲いて葉に隠れるので、ほとんど目につきません。流通している種は主に、緑葉のダイコンドラ・ミクランサ‘エメラルド・フォールズ’と、銀白葉のダイコンドラ・アルゲンテア‘シルバー・フォールズ’です。ダイコンドラ・ミクランサは和名をアオイゴケといい、日本にも自生しています。両種ともタネまたは苗で流通します。特に、緑葉タイプは造園用にタネが大袋に入って販売されることもあり、庭にタネをばらまいて育てることも容易です。銀葉タイプに比べて生育が早く、タネをまいて1か月後には地面を覆います。銀葉タイプは、葉の表面が細かい毛に覆われ、銀白色に輝き、たいへん美しいのですが、蒸れると黒くなるので、乾かし気味に育てるとよいでしょう。





ヒョウタンボク(瓢箪木)は、北海道から本州、四国の山地に自生するスイカズラ科の落葉低木です。初夏に咲く白い花が黄色へと変化することから、「キンギンボク」とも呼ばれます。2つの実がくっついてヒョウタンの形に見えるのが名前の由来ですが、実は有毒(ヒョウタンボクの実は、甘くて苦い(渋い)味がすると言われています。しかし、有毒成分(サポニン等)が含まれているため、絶対に食べてはいけません。誤って口にすると嘔吐や下痢を引き起こす危険な植物です。)なため注意が必要です。初夏(5〜6月)に葉の付け根から2輪ずつ咲きます。咲き始めは白色で、のちに黄色へと変化していきます。夏から秋にかけて赤く熟し、見た目はとても美しいです。似た仲間に、自生地が限られており花柄が短い「ハナヒョウタンボク」や、実が卵型のものなどがあります。ヒョウタンボクの花言葉は、「愛の絆」です。愛情や親しい人との深い結びつきを象徴しています。



ソープワートは、ナデシコ科の多年草で、和名は「シャボンソウ(石鹸草)」です。葉や根に天然の界面活性剤である「サポニン」を豊富に含み、水に浸して揉むと泡立つことから、古くからヨーロッパなどで天然の石けんとして衣類の洗濯や洗髪に利用されてきました。サポナリア属には20~30種があり、南ヨーロッパに多く自生しています。このうち、最も一般的で代表的な種類はシャボンソウです。ソープワートとも呼ばれ、葉を水に浸してもむと泡立ちます。全草にサポニンという成分を含むためで、古くから天然石けんとして利用されてきました。サポナリアのサポには石けんという意味があります。比較的大型の宿根草で花も美しく、特に八重咲きの品種は房咲きのバラのようです。地下茎を伸ばして広がり、性質も強いので、古く日本に入った一重咲きのものはわが国でも各地で野生化しています。泡立ちが非常にやさしいため、現在でも美術館などで古い貴重な織物や繊細なアンティークレースを傷めずに洗浄する目的で使用されています。



オオイタビは、クワ科イチジク属の常緑つる性植物です。関東地方以西の暖地に自生し、気根を出して岩や壁、木の幹にはりついて成長します。イチジクに似た小さな実をつけ、その生命力と美しい葉の観賞価値の高さから、庭木の緑化や園芸用(プミラなどの品種名で流通)として親しまれています。茎から気根(空気中に出る根)を出し、フェンスやブロック塀、石垣などを覆い尽くすように成長します。厚みがあり、濃い緑色で光沢があります。イチジクと同じ構造(隠頭花序)の実をつけます。熟すと紫色になり、食べることができます。成長が旺盛で、石垣や壁面を美しく緑化する目的でよく利用されます。似た植物に「イタビカズラ」や「ヒメイタビ」があります。オオイタビはこれらよりも葉が大きく、楕円形をしている点で見分けることができます。



ユウガギクは、東北~近畿地方に分布するキク科の多年草で、、山野の草地、林縁や道端、土手などで普通に見られる代表的な野菊の一つであり、秋の草地で目にすることが多い日本固有の在来種です。ユウガギクというわりに全体が間延びしてだらしない印象を受けますが、ユウガは「優雅」ではなく「柚香」で、ユズの香りがあるキクという意味ですが、実際のところそんな香りはほぼありません。ユウガギクの開花は7~10月で、茎の上部に細長い枝を四方に広げ、直径2~3センチの花を枝先に咲かせます。花は花弁のように周辺を彩る舌状花と、中央部に集まる筒状花からなる小花の集合体です。舌状花はほぼ真っ白でヨメナに似ていますが、色味はより淡く、やや青紫色を帯びています。花は天婦羅にして食べることができ、焼酎に漬け込んで作る花酒を飲めば、疲労回復や滋養強壮に効果があるとされています。花の後にできる果実に綿毛(冠毛)がないのも本種の特徴であり、ヨメナとの共通点となります。



チョウトリカズラは南アメリカ、特に西部地域が原産です。原産地以外にも導入され、ヨーロッパ、オーストララシア、中東、アフリカの一部および北アメリカにかけて自生化しました。チョウトリカズラは多様な気候に適応し、非原産地の広範囲で繁殖することができます。チョウトリカズラ は観賞用に広く栽培されます。つるは丈夫で生長が早いため、庭植えには注意が必要です。南欧やオセアニアなどでは帰化し、雑草とされています。庭ではもはや人気がありませんが、チョウトリカズラは蝶の庭に面白い特徴として使うことができます。その匂いはほとんどの人間を寄せ付けませんが、ガや蝶はその果実や花に惹かれます。つる性の茎を持っているため、これらの庭ではフェンスやトレリスに育てることができます。チョウトリカズラには、摂取すると有毒な白色の樹液が含まれており、皮膚や目に刺激を与える可能性があります。



カラミンサ・ネペタは、初夏から秋にかけてミントのような爽やかな香りの小花を長く咲かせるシソ科の宿根草(多年草)です。花穂に白や淡紫色の小さな花をたくさん付けるため、宿根カスミソウのように他の草花を引き立てる「名脇役」として寄せ植えに重宝されます。葉を揉んだり触れたりするとハッカのような香りが広がり、ハーブティーとして利用することも可能です。カラミンサは、初夏から秋まで長い期間花を楽しめる宿根草。細い茎に小さな花を次々と咲かせます。その中でも今回ご紹介するカラミンサ・ネペタは、南ヨーロッパや地中海沿岸地域に分布するカラミンサの代表的な品種です。花の長さは1.5cmほど。白色~薄紫色の可憐な花を咲かせます。香りはとっても爽やかで、ほんのりとミントのような香りを漂わせます。葉はハーブティーにも用いられていて、別名をカラミントと言います。チッソ肥料が効きすぎると香りが薄くなることがあるので要注意です。カラミンサ・ネペタは、日当たりと風通しの良い場所を好みます。日なたの方が花がよく咲きますが、夏の日差しが強い時期は半日陰で管理するのが好ましいです。



野草としての「ミツバ(三つ葉)」は、日本全国の湿った林や土手などに自生する、数少ない日本原産のセリ科の多年草です。スーパーなどで見かける水耕栽培のイメージが強いですが、野生のものは栽培種よりも香りが強く、葉が大きく育つのが特徴です。1本の茎から3枚の小葉(三出複葉)が伸びていることから名付けられました。爽やかな香りの主成分(ミツバエンやクリプトテーネン)が含まれており、古くから日本のハーブとして親しまれています。自然の中で育つ野生種は、栽培種よりもビタミン類やミネラル、香り成分が豊富です。野生のミツバは、春先の新芽の時期が最も柔らかく美味しいとされています。おひたし、和え物、天ぷら、吸い物の香りづけに最適です。茎葉だけでなく根も美味しく、薬効(消炎や解毒、血行促進など)も豊富です。ミツバによく似た有毒植物(ウマノミツバ、ウマノアシガタ、キツネノボタンなど)が同じ環境に自生しているため注意が必要です。ミツバを採取する際は、葉をちぎって爽やかな芳香があるか必ず確認することが最大のポイントです。



カミメボウキはシソ科のハーブで、一般的には「ホーリーバジル」や「トゥルシー」の名で広く知られています。スパイシーな香りを持ち、インドの伝統医学では「不老不死の霊薬」として重宝されてきました。ホーリーバジルは、日本ではカミメボウキという呼ばれ方もしています。そのいわれは、肉体疲労、ウイルス、身体の抵抗力、あらゆる面で、身体を整えてくれる万能薬になる天然の魅力的なハーブであり、身体の免疫機能を高め、さまざまな栄養の消化、吸収を助ける作用などもあるためです。ヒンディー語で「トゥルシー」、タイ料理のガパオライスに使われる「ガパオ」もカミメボウキの仲間です。草丈30〜60cmほどに育ち、夏から秋にかけて紫紅色の小さな花を咲かせます。ストレスへの抵抗力を高め、心身のバランスを整える滋養強壮効果を持つ天然ハーブとして知られています。葉や花を乾燥または生で使用し、リラックス効果のあるお茶として飲まれます。



タマゴテングダケモドキは、夏から秋にかけて広葉樹林や針葉樹林の地上に発生する代表的な毒キノコです。ヒダが淡いピンク色を帯びるのが最大の特徴で、誤って食べると激しい下痢や嘔吐、頭痛などの胃腸系の中毒を引き起こします。径5〜10cm。灰褐色からネズミ色で中央が濃く、湿っている時はわずかに粘性があります。周辺部には放射状の長い溝線(条線)があるのが特徴です。淡紅色(ピンク色)で、このグループの中では珍しく赤みを帯びます。柄の上部には白い膜質の「つば」があり、根元には大きな「つぼ」があります。夏から秋にかけて、ブナ科などの広葉樹林やアカマツ・コナラの混生林の地面に発生します。強い毒性があり、食べると下痢、嘔吐、頭痛などの胃腸系の中毒症状を引き起こします。ツルタケダマシなどの食用キノコや、他の猛毒キノコと見間違えられることも多く、安易な採取や食用は非常に危険です。



アレチモウズイカ(荒地毛蕊花)は、ヨーロッパ原産で明治時代に日本に渡来したゴマノハグサ科の二年草です。道端や荒地に育つ帰化植物で、夏に鮮やかな黄色の花を穂状に咲かせます。全体に綿毛が生えるビロードモウズイカと異なり、葉に毛が少なく緑色をしているのが特徴です。:初夏から夏にかけて、穂のように長い花茎に黄色い花をまばらに咲かせます。花弁は5枚で、雄しべに毛があることが「毛蕊花」という名前の由来です。よく似た植物に同属の「ビロードモウズイカ」があります。アレチモウズイカは葉や茎の毛が少なく無毛に近い緑色の葉をしていますが、ビロードモウズイカは全草が灰白色の星状毛で覆われており、名前の通りビロードのような質感であることが明確な違いです。GKZ植物事典などによると、モウズイカ属の植物(花や葉)には鎮静、鎮咳、収斂などの薬効成分が含まれているとされ、ヨーロッパなどの伝統医学では気管支炎、喘息、不眠症などの緩和に利用されることがあります。



ネコハギは、日当たりの良い草地や道端に自生するマメ科ハギ属の多年草です。ハギの仲間ですが木ではなく草であり、茎が立ち上がらずに地表を這うように伸びるのが特徴です。全体に細かく柔らかい毛が多く生えています。同属の「イヌハギ」に比べて、全体に毛が多く生えている(猫の毛のように柔らかい毛に覆われている)ことから名付けられたとされています。本州から九州にかけて分布し、乾燥した荒地や草地を好みます。夏から初秋(7月〜9月頃)にかけて、白く小さな蝶形花を咲かせます。花弁の中心には紅紫色の斑点があるのが特徴です。一般的なハギ(ヤマハギなど)は木本類(低木)ですが、ネコハギは草本類(草)であるため冬には地上部が枯れます。また、大きく上に伸びるのではなく、枝分かれしながら地面を這うように広がるのが大きな違いです。



ナツボダイジュ(夏菩提樹)は、ヨーロッパ原産のアオイ科(旧シナノキ科)の落葉高木です。別名「セイヨウボダイジュ」や「ヨウシュボダイジュ」とも呼ばれ、初夏に咲く香りの良い淡黄色の花と、プロペラのような形の苞葉(ほうよう)が特徴です。 6月から7月頃にかけて、甘い香りを放つ小さな黄色い花を咲かせます。ドイツ語で「リンデンバウム」と呼ばれ、シューベルトの歌曲などでも有名です。乾燥させた花はハーブティー(リンデンフラワー)として親しまれ、リラックス効果があることで知られています。また、そのエキスは化粧品やスキンケア成分としても利用されます。 ヨーロッパには近縁種のフユボダイジュも自生しており、両者の自然交雑種はセイヨウシナノキ(セイヨウボダイジュ)と呼ばれています。ナツボダイジュは葉の裏面の脈に沿って毛が生えていることや、花が下向きに咲くなどの違いがあります。 お釈迦様が悟りを開いたとされる「インドボダイジュ」はクワ科の熱帯植物ですが、日本の寺院でよく植えられている「ボダイジュ」はシナノキ科の近縁種です。



コミカンソウ(小蜜柑草)は、本州から沖縄の道端や畑でよく見られる一年草です。葉の並びが羽状複葉に見えることや、小さな枝の裏側にミカンに似た粒状の果実を一列に連ねてつけることが特徴で、別名「キツネノチャブクロ(狐の茶袋)」とも呼ばれます。草丈は10〜40cmほどで、赤みを帯びた茎を伸ばします。小さな葉が左右に整列して並び、その下に極小のミカンのような実(蒴果)を並べてつける姿から名付けられました。夜間には葉を閉じる「就眠運動(睡眠運動)」をする性質があり、同じ仲間のオジギソウなどと同様に葉を閉じて休みます。:道端や空き地などに自生する身近な植物ですが、熱帯・亜熱帯地域にも広く分布しており、古くに日本へ渡来した「史前帰化植物」と見なされています。コミカンソウ属の植物は、フラボノイドやタンニンなどの有用な成分を含むことで知られ、伝統医学(アーユルヴェーダや中医学)においては抗酸化作用や肝機能をサポートする薬草として利用されてきた歴史があります。



チゴザサには、「水田や湿地に自生する野草」としての姿と、「庭園や盆栽で楽しまれる園芸植物」としての2つの側面があります。北海道から沖縄にかけての、水田のあぜ道や川沿いなどの湿った場所に自生する多年草です。ササに似た小さな葉をつけることからこの名が付きましたが、タケやササの仲間ではなく草本類です。園芸の世界では「ケネザサ」の斑入り(葉に白やクリーム色の縞模様が入るもの)をチゴザサと呼ぶことが一般的です。葉が美しいため、庭園のグランドカバーや正月飾りの寄せ植え、盆栽として親しまれています。チゴザサの葉は長さ10~15センチ、幅1~1.5センチほどで表面には細い毛が、裏面には柔らかな毛が多数生じています。本種特有のストライプ模様は中央の葉脈付近に現れますが、早い時季に出た葉ほど美しく、秋以降になると模様がはっきりしなくなります。葉の模様は乾燥すると黄色くなりますが、乾燥が激しい環境では消失することもあります。また、タケノコを放置して繁茂させた場合、葉の模様は綺麗になりにくいです。



オカタイトゴメ(丘大唐米)は、ベンケイソウ科マンネングサ属の多肉植物です。海岸に生える「タイトゴメ」に似ていますが、内陸の市街地や道端で見られることから名付けられました。初夏から夏にかけて、鮮やかな黄色の小さな花を咲かせ、乾燥に強いためグランドカバーや屋上緑化にも利用されます。葉がぷっくりとした米粒のように見えることから、小さな粒状のお米に例えられて「大唐米(タイトゴメ)」と呼ばれます。葉は長さ約3 mmと小さく、断面が半円形で、縁に微小な突起があるのがタイトゴメとの大きな違いです。6月〜7月頃に直径約8 mmの星形をした黄色い花を咲かせます。寒さや乾燥に非常に強く、日本の気候でも屋外で育てやすい植物です。タイトゴメが主に海岸の岩場に自生するのに対し、オカタイトゴメは市街地や住宅周辺などに自生(または野生化)しているものが多く見られます。また、タイトゴメには葉の縁に粒状突起がありません。



ノルウェーカエデは、ヨーロッパから西アジアにかけて原産するムクロジ科(旧カエデ科)の落葉高木です。別名「ヨーロッパカエデ」とも呼ばれ、大きく5つに裂けた幅広の葉が特徴で、秋には黄色く紅葉します。生長が早く丈夫なため、シンボルTreeや街路樹として世界中で広く利用されています。緑葉の基本種だけでなく、ガーデニングや造園用として美しい葉色を持つ園芸品種が多く流通しています。ノルウェーカエデ(ノルウェー楓)は適応力があり、手入れが少なく、さまざまな風景向けの手入れのしやすい木であることで知られています。主な手入れポイントには十分な排水のある土壌と大きな冠と根系の広がりを収容できる十分なスペースの確保が含まれます。一部の地域では在来種を追いやる可能性があるため、侵略的な傾向を監視するために特別な注意を払うべきです。ノルウェーカエデ(ノルウェー楓)は温度変化に対する優れた適応性を示し、-30℃(-22℉)から35℃(95℉)といった極端な温度に耐えることができます。



大根草(ダイコンソウ)とは、初夏から夏にかけて可愛らしい黄色い花を咲かせるバラ科の多年草です。根もとに広がる葉が野菜のダイコンに似ていることが名前の由来で、花後には動物の毛や服にくっつく「ひっつきむし」のような実をつけます。冬の時期に株元に広がる葉(根生葉)が、大根の葉を小さくしたような形をしていることから名付けられました。5月から8月頃にかけて、黄色い小さな花を咲かせます。花姿はいちごの花にも似ています。花が終わると丸くて小さなイガイガの実ができ、服などにくっつく種子散布(ひっつきむし)の性質を持ちます。ダイコンソウは食用にもなる野草であり、春先の柔らかい葉はおひたしなどにして食べられることもあります。日本原産の野草としてのダイコンソウのほか、品種改良された西洋種は「ゲウム」や「セイヨウダイコンソウ」の名前で園芸店などで流通しています。色鮮やかなオレンジや赤、ピンク、白など豊富な花色があり、ガーデニングで人気の植物です。



ツルナ(蔓菜)は、主に海岸の砂地に自生するハマミズナ科の多年草です。地面を這うようにつるを伸ばすことからその名が付き、ビタミンやミネラルが豊富で、クセが少なくおひたしや和え物にして美味しく食べられる野草として知られています。日本全国の海岸線や砂地に自生し、海流に乗って種子が運ばれることで繁殖します。三角形や卵形でやや肉厚、表面にキラキラと光る粒状の突起(塩嚢細胞)があるのが特徴です。 葉がチシャ(レタス)に似ていることから「ハマヂシャ(浜萵苣)」とも呼ばれます。ホウレンソウのようにアクが少なく、茹でると少しヌメリが出るのが特徴です。柔らかい若葉や茎を摘み取り、おひたし、和え物、汁の実、炒め物などに利用できます。生でも食べられるため、細かく刻んでサラダや和え物にしても美味しくいただけます。 カロテンやビタミン類、ミネラルが豊富に含まれています。生薬としては「蕃杏(ばんきょう)」や「浜千舎(はまじしゃ)」と呼ばれます。 全草を乾燥させたものは、民間薬として胃炎や腸炎、健胃作用などに用いられてきました。ただし、体を冷やす作用があるため、胃腸が冷えやすい方や妊婦は摂取を控えるのが良いとされています。



プラタナスは、スズカケノキ科の落葉高木で、大きな葉で木陰を作ることを目的として、北海道から九州まで日本各地に植栽されています。古代ギリシャ時代から並木に使われ、現代でも広範かつ大量に街路樹として植栽されており、トチノキ、ニレ、シナノキと共に「世界四大並木樹種」の一つに数えられています。鈴をぶら下げたような果実がなることで、別名「スズカケノキ(鈴掛木)」の方が有名なくらいですが、一般にスズカケノキと呼んでいるのは、モミジバスズカケノキであることが多いです。日本には他にアメリカスズカケノキとスズカケノキがあり、世界では7種類のプラタナスが知られています。スズカケノキ(南東ヨーロッパ及び西アジア原産)とアメリカスズカケノキ(北米原産)が日本へ来たのは明治時代前半のことです。日本で初めてプラタナスが街路樹として使われたのは明治39年のことで、場所は東京都港区田村町交差点(現在の西新橋交差点)付近で、その本数は十数本であったと云いますが、最盛期には都内だけで5万本を超すプラタナスが街路樹に使われていました。



フイリサカキ(斑入り榊)は、神棚にお供えする「サカキ」の斑入り品種です。濃緑色の葉のふちに白い斑(ふくリン)が入り、新芽がピンク色を帯びることもあります。日陰でも育ちやすく、美しいカラーリーフとして庭を明るく彩る植木として人気です。濃い緑の葉に白や黄白色の斑が入るため、日陰の暗い場所でも空間をパッと明るく見せることができます。耐陰性に優れており、強い直射日光(西日など)を避ければ半日陰や日陰でも元気に育ちます。成長が比較的ゆっくりで樹形が乱れにくいため、お手入れが簡単です。刈り込みにも強く、生垣や目隠しにも利用されます。伝統的な和風庭園だけでなく、カラーリーフとして洋風のガーデニングや玄関周りのアクセントにも適しています。枝葉を神事などに用いられる樹木といった用途のために庭に植栽されることも多いです。葉は特徴の少ない平滑な緑葉で鋸歯もありません。形は楕円形で葉先が伸びます。自生では大きくなることもある樹ですが、庭木としては低木状に仕立てるのが一般的です。園芸では斑入り葉種がよく出回っており、普通種の緑葉とは異なる明るい葉色が楽しめます。