ba3ji3の植物園33






シモクレン(紫木蓮)は、中国原産のモクレン科モクレン属の落葉低木〜小高木です。3〜4月頃、春の訪れとともに新葉が出る前に、外側が濃い赤紫色の花を咲かせます、内側が薄い紅紫色の花を上向きに咲かせます。日本では単に「木蓮」といえば、この紫色の花を指すことが多いです。白い花を咲かせるハクモクレン(白木蓮)と区別するため、紫色の花を持つ本種は「シモクレン」とも呼ばれています。 3〜4月、葉が出るのと同時期に花が咲き、花弁は6枚。樹高は4〜5mほどの株立ち(根元から多くの幹が分かれる)になりやすいです。上品で爽やかな甘い香りが特徴で、庭木やシンボルツリーとして人気があります。蕾は「辛夷(しんい)」という生薬として鼻炎の薬に利用されています。日当たりと水はけの良い場所を好み、寒さ・暑さに強いですが、強い剪定は好まない樹木です。



植物の「ナルキッソス(Narcissus)」は、ヒガンバナ科スイセン属の球根植物の総称で、一般的には「スイセン(水仙)」として知られています。春の到来を告げる花々は数多ありますが、水仙もそのひとつですね。水仙の学名(ラテン語)はNarcissusですが、これはギリシア神話に登場する美少年ナルキッソスの名に由来します。泉の水面に映った自身の姿をそれとは知らずに水中の美少年と思い、「彼」に恋焦がれつつ衰弱し果てたナルキッソスが、死後に水仙の花に姿を変じたという神話をご存知の方も多いことでしょう。



フォンシオンは、17世紀以前から存在する非常に歴史の古い八重咲きの黄色い水仙(スイセン)の品種です。黄色い花弁と副花冠が重なり合った豪華な花を咲かせ、性質が非常に強靭で、庭や野生化した場所でも長年生き残る多年草です。鮮やかな黄色で、八重咲きの「ダブル・ダッフォディル」の代表種です。4~5月にかけて開花します。1620年以前から知られており、日本には昭和初期には導入されていました。別品種との混同: 別名として「八重咲き水仙」などと呼称されます。なお、キク科の植物「シオン(紫苑)」とは別物です。 ウイルスの影響により、花弁が緑色に変化(退色)する株が多いことでも知られています。非常に古くから愛され、庭植えに適した頑健な水仙です。



ビャクシンは、宮城県から沖縄までの太平洋岸沿いや瀬戸内海地方に分布する常緑針葉樹です。東南アジアに広く分布し、中国や朝鮮半島にも見られます。自生は海岸の岩場や崖地であり、生命力の強さを表現する盆栽として栽培されることが多いです。庭木としては和風庭園や寺社に使われる程度であり、植栽数は栽培変種であるカイヅカイブキに及びません。葉の形状は画像のとおり、鱗状(ヒノキ型)になるもの、針状(スギ型)になるものがあり、場所や樹齢によって異なります。成長の落ち着いた大部分の葉は鱗状で、苗木、徒長枝、老木の下枝は針状になりやすく、鱗状の葉を「柏」、針状の葉を「槙」とし、併せて「柏槙(びゃくしん)」と呼んでいます。



ヤエシダレザクラ(八重枝垂桜、主にヤエベニシダレ)は、エドヒガン系に属する枝垂れ桜の園芸品種で、4月中旬頃に濃い紅色の八重咲き(10〜15枚程度の花弁)の花を咲かせる高木です。枝が細く下向きに垂れ下がり、満開時には滝のように華やかな姿になるのが特徴です。「ヤエベニシダレ(八重紅枝垂)」が一般的で、仙台の「遠藤桜」や「センダイヤエシダレ」とも呼ばれます。ソメイヨシノが散り始める頃(4月中旬頃)に満開を迎えることが多いです。花は小〜中輪で、花弁が重なる八重咲き、色は鮮やかな濃いピンク(紅色)です。京都の平安神宮のものが有名で、樹形が美しいため庭園や公園のシンボルツリーとして人気があります。八重の重なりが美しく、華やかで優美な姿から、桜の季節の後半に特に人気のある品種です。



メキシカンプラムは、アメリカ中南部からメキシコ原産のバラ科サクラ属の落葉小高木です。メキシカンプラムは庭木として栽培されています。香りのよい花を咲かせ、真夏から初秋にかけて実が熟します。熟した実は食べることができますが、そのまま食べるよりもジャムやゼリーにされることが多いようです。メキシカンプラムは、もともと北アメリカの温帯および亜熱帯地域に自生していた植物です。現在では、その生育に適したさまざまな地域でも導入され、栽培されています。この分布の拡大には、原産地以外での正式な栽培および帰化した個体群の両方が含まれます。樹高は4.5〜11.5mに達する落葉性の木で、灰色い樹皮が特徴です。観賞価値の高い花と美味しい実の両方を楽しめるため、庭木や果樹として非常に人気があります。





花桃(ハナモモ)は、食用ではなく観賞用として品種改良されたモモ(バラ科サクラ属)の総称です。3月中旬~4月中旬頃、サクラと同時期にピンク・白・赤の華やかな花を咲かせます。江戸時代から親しまれ、3月3日の桃の節句の切り花や、庭木として人気のある、耐寒・耐暑性が高い落葉低木です。実を収穫する「実桃」とは異なり、花を愛でる目的で栽培されます。実は小さく、基本的に食用には適しません。八重咲きの品種が多く、1本の枝に多くの花を咲かせ、非常に華やかです。1本の木で紅白の花が咲き分ける「源平桃(げんぺいもも)」、枝が垂れ下がる「枝垂れ桃(しだれもも)」、菊のような花弁の「キクモモ」などがあります。古くから魔除けの力があるとされ、桃の節句に飾られます。桜よりも鮮やかで、庭を華やかに彩る春の代表的な花木です。



テルテモモ(照手桃)は、神奈川県農業総合研究所が品種改良した、枝が横に広がらずホウキ状に垂直に伸びるハナモモ(花桃)の園芸品種です。別名「ホウキモモ」とも呼ばれ、狭いスペースでも育てやすく、3〜4月に白、ピンク、赤の八重花を咲かせるため、桃の節句の観賞用として人気があります。通常のハナモモと異なり、枝が立ち性(上に伸びる)でコンパクトにまとまり、シジミバナに似た八重咲きの花が密集して咲きます。名前の由来は、神奈川県藤沢市に伝わる「小栗判官と照手姫伝説」の照手姫に因んでいます。庭木、鉢植え、切り花(花材)として利用され、品種には「照手紅(テルテベニ)」や「照手白(テルテシロ)」などがあり、コンパクトな樹形から庭植えや鉢植えの記念樹としても人気があります。



日本原産のミヤマオダマキと、ヨーロッパなどが原産の西洋オダマキの2グループに大別されます。ミヤマオダマキは白から紫までの色幅があり、変わったところでピンクがかった園芸品種もあります。草丈は20-30cmで、径4cmほどの花をつけます。それに対して西洋オダマキは、草丈70cmに達し、花色も、赤・桃・白・黄などカラフルです。花はおおよそ5月~6月頃の初夏に咲きます。オダマキの名前は、中心を空洞にして巻いた麻の糸玉「苧環」に花の形が似ているところから付けられました。花が開いた形と言うより、つぼみの形が苧環に近いと思います。花は5枚の萼(がく)と筒状の花びらからなっており、がくの後ろ側には距(きょ)が角のように突き出ています。葉っぱは長い軸の先に3枚の小さな葉が付いた三出複葉です。花後、花茎の先に細長い莢が5つ集まった果実を付け、熟すと先端が開いて中から光沢のある黒いタネが出て来ます。



ノースポールは、キク科フランスギク属(レウカンセマム属)の耐寒性一年草で、12月から5月頃まで白く中心が黄色い小花を咲かせます。北アフリカ原産で草丈は15〜30cm、寒さに強く冬から春の庭・鉢植えの定番です。マーガレットを小ぶりにしたような見た目で、1株でもボール状に大きく育ちます。ノースポールは径3cmほど、中心が黄色の白い小ギクで、花期が長く育てやすい人気の一年草です。比較的寒さに強く、関東地方以西の平地では秋にタネをまけば、防寒しなくても冬越しでき、冬から初夏まで花を楽しむことができます。株はボール状に育って、最盛期には株一面に花を咲かせます。実は「ノースポール」という名前は、種苗メーカー「サカタのタネ」さんが開発した品種名なのです。その後、白花のクリサンセマム=ノースポールというイメージが定着し、流通名として広く使われるようになりました。



ペーパーホワイトは、冬の12月~1月頃に白くて小さな花を房状に咲かせる、ヒガンバナ科スイセン属の球根植物です。紙のように真っ白な花弁と甘い香りが特徴で、日本水仙の仲間の中でも特に早く開花する早咲き品種として親しまれています。花びらや副冠(中心部分)が紙のように真っ白であることから名付けられました。1本の茎から複数の花を咲かせる「房咲き」で、強い芳香があります。非常に丈夫で、乾燥や日当たりを好むため、庭植えや鉢植え(水耕栽培も可能)に向いています。毒性があるため、植え替えの際は誤食に注意が必要です。また、ペーパーホワイトは寒さに強く、日当たりと風通しの良い場所を好むため、手軽に冬の庭を彩る花として人気があります。



カラムラサキツツジ(唐紫躑躅)は、ツツジ科ツツジ属の落葉低木です。春、葉が出る前に鮮やかな桃紫色(紅紫色)の花を咲かせるのが大きな特徴で、朝鮮半島や中国東北部に自生しています。3月~4月頃、ツツジの仲間の中でも非常に早く、日光植物園の個体のように春と秋の2回開花するものもあります。枝先に漏斗状の花を数輪ずつ咲かせます。およそ 2~3m ほどに成長します。落葉性のため、冬には葉を落とします。近縁種の「ゲンカイツツジ」に似ていますが、カラムラサキツツジは枝や葉に毛がない(または少ない)点で区別されます。主に朝鮮半島や中国ですが、日本国内でも庭園樹や公園樹として栽培されています。大分県など一部の地域では野生化・自生しているケースがあり、レッドデータブックに掲載されている場所もあります。よく似た名前の「オオムラサキツツジ」は常緑または半常緑の園芸品種であり、本種とは性質が異なります。



カナメモチは日本や中国が原産の植物で、気候の違いなどの心配が少なく、落葉も少ないので生垣にすることが多い植物です。赤い新芽と、5~6月には小さな白い花もつけるので、タイミングが合うと赤と緑と白の3色に飾られた生垣を楽しむこともできます。日本の風土に合った性質のカナメモチは、丈夫で生垣として育てやすい植物です。こまめに剪定すると木の形も整い、より多くの新芽を楽しむことができます。カナメモチの若葉が赤色化しているのはいわゆるフラボノイド色素を蓄積しているためです。植物の若芽や若葉がアントシアニンを蓄積することはしばしば認められることで、一般には、有害な光線に対する光学フィルターとしての効果がその主な生理機能であるとされています。カナメモチの場合には品種によっては若葉だけでなく成熟葉においても大量のアントシアニンが含まれていて葉が桃色を呈している場合があり、園芸品種としての価値を高めているようです。



大山桜は、北海道から本州の寒冷地、標高の高い山地に自生するバラ科の落葉高木で、ソメイヨシノよりも濃い紅紫色の大きな花を咲かせる桜の原種です。別名「ベニヤマザクラ(紅山桜)」や、北海道に多く自生することから「エゾヤマザクラ(蝦夷山桜)」とも呼ばれ、寒さに強い特徴があります。花は直径3~4.5cmで、ヤマザクラよりも一回り大きく、鮮やかなピンク~紅紫色で、開花は4月~5月頃、新葉の赤茶色と花の対比が美しいです。秋には葉が美しく紅葉し、春と秋の2回楽しめます。北海道では五稜郭や二十間道路など、代表的な桜として親しまれています。樹皮は栗色で光沢があり、樺細工(桜皮細工)の材料としても有名です。寒冷地に自生する野生種ならではの、力強く美しい姿が魅力の桜です。



アネモネ・シルベストリスは、キンポウゲ科の初夏に咲く原種のアネモネのひとつです。アネモネというと球根の花が一般的ですが、シルベストリスは宿根草の草花です。花の咲く時期以外は下葉だけなので丈は低めですが、春になると株元から花茎が立ち上がり、晩春から初夏に白い花が開花します。白い花は可憐でやさしい雰囲気で、大株になるととても見事な景観になります。花は朝や夕方に見ると丸く閉じていて、太陽が当たると大きく開きます。丈夫な宿根草としてよく販売されていますが、アネモネの原種として山野草のような扱いで出回ることもあります。長めの花茎を伸ばして頂部に一輪、純白の花を咲かせます。花もちはあまり良いほうではありませんが、花の上がりは悪くなく比較的長い期間花が楽しめます。葉は切れ込みが深く入ります。



シダレモミジ(枝垂れ紅葉)は、ヤマモミジやイロハモミジの園芸品種で、枝が地面に向かって垂れ下がる特徴的な樹形の落葉高木です。和風庭園のシンボルツリーとして人気が高く、春の紅葉、夏の鮮緑、秋の深紅と四季折々の表情を見せます。代表的な「青しだれ」と「紅しだれ」があり、繊細な切れ込みの入った葉が涼しげな風情を演出します。枝が垂れ下がるため、高さはあまり出ず、横に広がります。葉は7〜9つに裂け、切り込みが深くギザギザしています。日当たり〜半日陰を好みますが、乾燥や強い西日に弱く葉焼けしやすいため、湿り気のある場所が適しています。庭のアクセントとして、特に和風やモダンな庭園に植えられることが多い樹木です。葉と枝がしだれる独特の樹形は和のイメージが漂います。繊細な葉は涼しげで和の庭の添景に最適の樹種です。



イベリスは、砂糖菓子のようなかわいい花が株を覆うように咲き、春の花壇を彩ります。名前は、スペインの昔の国名イベリアに由来し、この地域に多く自生していることからつけられました。中国名では屈曲花(マガリバナ)と呼ばれ、これは太陽を向く性質が強くて花茎が曲がりやすいことに由来します。4枚の花弁のうち、外側の2枚が大きくなるのが特徴で、小花が多数集まって大きな花房になります。花房は、咲き始めは平らですが、咲き進むと盛り上がって長い穂になります。イベリス属には40種ほどがあります。一年草では、「ヒアシンスフラワー」とも呼ばれるアマラ種と、花色の多いウンベラータ種が多く栽培されています。多年草では、常緑性で耐寒性が強く、トキワナズナやトキワマガリバナとも呼ばれるセンペルビレンス種がよく栽培されています。これらは、それぞれ園芸品種も育成され、特にセンペルビレンス種では多くあります。



プリムラは、北半球を中心に世界中に500種以上が分布するといわれている多年草で、日本にも20種類近くが自生しています。本来多年草ですが、夏の高温多湿に弱く夏越しが難しいため、園芸上では一年草として扱われています。花色も多様で、白やピンクといった優しい色から黄色やチョコレート色のような渋い色まで揃います。プリムラの花の季節は、春です。春と一口にいっても早春から初夏までと、品種により大きく幅があります。サクラソウやクリンソウなどは、4月~5月頃に開花します。プリムラの日本名は、サクラソウ(桜草)です。このかわいらしい名前の由来は、日本に自生するサクラソウは、花びらは桜と同じく5枚、花びらの先端には切れ込みが入り、花色はピンクというのが特徴。桜の花を連想させることからサクラソウと名付けられました。



ロニセラ・ニティダは、中国原産のスイカズラ科スイカズラ属の常緑低木。常緑で、小さな葉が枝いっぱいに付き、横に枝を広げる樹形なので、グランドカバーに好まれます。スイカズラ属ですが、スイカズラのようにつるにはならず、ブッシュ状に繁る低木です。ロニセラ・ニティダは樹高50~100cm、生長がゆっくりなので、ポット苗で購入したものは大きくなるまでに数年かかるつもりで植えるようにしましょう。刈り込みに耐え、よく分岐するので、適宜剪定を行えば、こんもりとした茂みのような樹形を形成できます。葉には明るい斑が入る品種や、葉色がライムグリーンの品種などがあり、日向から明るい日陰まで育てられるので、シェードガーデンの高木の下草としても人気があります。4月~6月頃に小さな黄緑色の花を咲かせますが、あまり目立ちません。花を観賞するというよりも、葉や樹形を楽しむ庭木です。



クリサンセマム・ムルチコーレは、春から初夏にかけて鮮やかな黄色い小花を一面に咲かせる、キク科の耐寒性一年草です。草丈15〜20cm程度でマット状に広がり、花壇の縁取りやハンギングに最適です。日当たりと水はけを好み、冬は霜に注意が必要ですが、育てやすい丈夫な植物です。。かつては「クリサンセマム(キク)属」でしたが、現在は「コリオステフス(コレオステフス)属」に再分類されています。一株でたくさんの花が開花し、横に広がるように生長する性質なので、花壇や寄せ植え、ハンギングバスケットの材料として使われています。解熱、解毒作用や消炎・鎮痛作用があり、感冒、発熱、悪寒、頭痛などに使われます。現在は、長時間にわたるパソコン作業など現代のライフスタイルの改善に効果的とも言われています。





ビオラは、ヨーロッパに自生する野生種から育種され、かつては大輪のものをパンジー、小輪で株立ちになるものをビオラと呼んで区別していましたが、現在は複雑に交雑された園芸品種が登場し、区別できなくなっています。野生種や初期の品種は、冬の低温にあったのちに、長日下で開花する性質をもっていました。しかし現在は、その性質が弱まり、秋から春まで長期間咲く品種が多く、殺風景になりがちな冬のガーデンになくてはならない存在になりました。園芸店には10月になるとポット苗が並ぶようになりますが、気温の高い時期から育てると徒長したり、蒸れたりするため、10月下旬から11月になってから購入して植えつけるのがよいでしょう。寄せ植えや花壇の主役として、個人育種家による新品種も多数登場しており、冬のガーデニングになくてはならない花です。



コゴメバナ(小米花)は、主にユキヤナギ(雪柳)の別名で、春に枝垂れる枝に白い小花を雪のように咲かせるバラ科の落葉低木です。米のくず米(小米)に見立てて名付けられ、庭木や公園、生け垣、切り花として親しまれています。主にユキヤナギを指しますが、古くはシジミバナの別名でもありました。寒さ・暑さに強く(-10℃〜35℃)、日当たりと水はけのよい場所を好みます。春(3〜4月頃)に白い小花が咲き乱れる様子を観賞します。なお、シジミバナ(別名:エクボバナ)も「コゴメバナ」と呼ばれることがありますが、こちらは八重咲きで、ユキヤナギとは別の植物です。



ナルキッスス・バルボコディウムは小型原種スイセンの代表的な種類で、変種や亜種を含めて、ヨーロッパ南西部や北アフリカに広く分布しています。自生地の気候は雨季と乾季がはっきりしており、日当たりのよい草原や岩場に生えることが多く、自生地によっては雨季に水没するような場所に生えていることもあります。秋の中ごろから葉を伸ばして、葉を成長させながら冬を越します。このころから花芽が見え始め、早春のころには花冠の広がった黄色いペチコートのような花を、1茎に1花開きます。晩春のころより葉が枯れ始めて落葉し、夏の間は休眠(夏眠)します。葉が太く花茎の短い大輪花のオベススや、細く繊細な葉にスリムな花を開くコンスピキュアス、小型のニバリスなどバリエーションも豊富で人気があります。



ニワサクラは、中国北部及び中部を原産とするバラ科の落葉樹で、ニワウメの変種とされています。背丈が大きくならず、狭い庭でも育てることができるためニワザクラと呼ばれますが、ソメイヨシノなどのサクラよりも、ユスラウメやニワウメに近い雰囲気を持つ低木の一つです。中国では古くから「麦李」と呼ばれて観賞用に普及しており、室町時代よりも前に日本へ渡来したと考えられています。花は八重咲きになることが、一重咲きのニワウメとの違いとされていますが、ニワザクラの母種にも一重咲きのヒトエノニワザクラがあり、分類や来歴はややこしいです。開花は3月下旬~4月で、葉の展開よりもやや早いか、ほぼ同時に咲きます。花色は白あるいは淡い紅色で花弁は5~50枚。直径は1.5~25センチほどでニワウメよりも大きく、花数も多いため生け花に使われます。花の後に果実がなるのは稀であるため観賞用にはニワザクラ、果樹用にはユスラウメやニワウメが相応しいです。



ニオイイリス(匂いアイリス)は、地中海沿岸原産のアヤメ科多年草で、主に乾燥した根茎がスミレに似た甘い香りを放つため、古くから香料(オリスルート)として利用される植物です。春に白や薄青色の花を咲かせ、ジャーマンアイリスの原種としても知られます。根茎を乾燥させると非常に強い芳香(スミレのような香り)を放つことから「ニオイ」と名付けられました。乾燥した根茎は「オリス」と呼ばれ、最古の香料の一つ。香水、ポプリの保留剤、リキュールの風味付けに使われます。白いアヤメ状の花を咲かせ、花弁の基部にブラシ状のヒゲ突起があります。日当たりと水はけの良い場所を好み、乾燥に強いです。観賞用として白花ジャーマンアイリスと混同されることが多いですが、主に香料採取の目的で栽培されます。



エルダーフラワーは、欧米で「インフルエンザの特効薬」や「庶民の薬箱」と称される、マスカットのような甘い香りが特徴のハーブ(セイヨウニワトコの花)です。利尿や発汗作用で風邪や花粉症の症状緩和に用いられ、ハーブティーやコーディアル(甘いシロップ)として親しまれています。エルダーフラワーは春から初夏にかけて咲くエルダーの木の花で、ヨーロッパやアメリカ先住民の伝統医学において用いられていた歴史あるハーブです。エルダーフラワーは“万能の薬箱”とも呼ばれ欧米を中心に親しまれていますが、最近ではネトルと同様に、風邪や花粉の季節の飲み物として日本でも知名度が高まっています。マスカットのような甘い香りが特徴でジャムなどに利用される他、イギリスではエルダーフラワーを砂糖漬けにしたコーディアルという飲み物もよく知られています。



ミヤマオダマキは亜高山帯や高山帯の岩場やザレ場、草丈の低い草原などに見られる多年草です。白粉を帯びた葉は3つに分かれ、根元にまとまってつきます。芽の中心から花茎を伸ばして、花を1~5輪咲かせます。独特の形の花は直径3cmほど、根は太いゴボウ状です。庭で栽培されるオダマキに似ていて、ただ小さいだけに見えますが、くずれにくい礫質(れきしつ)の用土で植えるなど高山植物としての手入れが必要です。基準変種のオダマキはミヤマオダマキに似ていますが全体に大きいので区別できます。丈夫で宿根草として扱うことができます。日本在来のものにもう一種、ヤマオダマキがあります。しばしば黄色一色の花を咲かせるものがあり、これをキバナノヤマオダマキと呼びます。ヤマオダマキは距がまっすぐに伸びていますが、変種のオオヤマオダマキは距が内側に曲がっています。ダイセンオダマキはオダマキとヤマオダマキの交雑種です。



サクラソウは高原や山地のやや湿った草原や開けた森林、河川敷の草原に見られる多年草です。春に芽を出し、浅く切れ込みの入った長楕円形の葉を根元から数枚広げます。4月から5月に、中央から1本の花茎を出して、花径2~5cmの数輪の花を咲かせます。6月ごろには葉が黄ばんで枯れ、夏から秋は休眠しています。花色の幅は狭いのですが、花形の変化が多く、近年では八重咲きもあります。花の表と裏で色が異なる園芸品種も少なくありません。伝統園芸植物の一つで、江戸時代の元禄年間から栽培の記録が見られ、現在は300品種を超えるまでに至っています。これらの伝統的な園芸品種群は「孫半斗(まごはんど)鉢」という鉢に3~5芽ずつ植えられ、「花壇」と呼ばれる5段のひな壇に飾られて観賞されます。



ニホンサクラソウは、日本の北海道~九州、朝鮮半島、中国東北部、東シベリアに自生する「サクラソウ」は、昔から日本各地の野山に咲く親しみのある花でした。その花を持ち帰り栽培したのがサクラソウの栽培の始まりで、室町時代の中ごろから栽培されていた記録が残っています。サクラソウ栽培が盛んになったのは江戸時代からで、荒川周辺に咲くサクラソウの変異した花同士を掛け合わせ、新品種を作り出そうと品種改良が盛んになったそうです。 花色は、赤、桃、白、絞り、紫、花形も大きさ、形などで選抜され、 優れた品種には名前をつけて鑑賞し、株分けで栄養増殖され、現在まで保管されてきました。原種のサクラソウと区別するために、日本で品種改良された品種を、「日本さくらそう」「日本桜草」などと呼んでいます。



ユーフォルビア・キパリッシアスは、春に鮮やかな黄色い花を咲かせる、松葉のような細い葉が特徴の寒さに強い宿根草です。地下茎でよく広がるためグランドカバーに適しており、日当たりと水はけの良い場所を好みます。和名は「マツバトウダイ(松葉灯台)」、別名は「マツバタイゲキ」です。ユーフォルビアの一種ですが、一般的に有名なカラキアス種のような木立タイプではなく、地下茎で広がるグランドカバー向きの種類です。春の前半に芽吹き、黄色い花をたくさん咲かせます。ちょうどスイセンやチューリップが咲いている頃なので、春の花壇に明るい黄色の花が映えます。花が咲き終わると柔らかい葉が茂り、夏、秋と葉が観賞できます。晩秋になると葉が鮮やかに赤や黄色に紅葉し、落葉して越冬します。性質は極めて丈夫で、暑さ、寒さに強く、かなり乾燥する場所でも育ちます。



キンメツゲは、モチノキ科の常緑樹であるイヌツゲの園芸品種で、性質はイヌツゲとほぼ同じですが、キラキラと輝くような新芽が特に美しく、庭木として数多く植栽されます。キンメツゲの葉はイヌツゲより小さくて密生しやすいため、生垣やトピアリーに向きます。また、イヌツゲは和風のイメージが強いですが、キンメツゲは葉色が明るめになるため、洋風の庭にも違和感が少ないです。 葉は長さ1~2センチの楕円形で革質で、イヌツゲよりも柔らかな雰囲気があり、枝から互い違いに生じます。キンメツゲの開花は5~7月。雌雄異株で雌株には雌花を、雄株には雄花を咲かせますが、花は雌雄ともに小さくて地味である上、開花期が新葉の展開と重なるため見付けにくいです。 花が終わると雌株には直径6~7ミリほどの果実ができ、秋には黒紫色に熟します。



ゴヨウマツは、北海道南部~九州の山地に自生するマツ科の常緑針葉樹で、日本固有のマツであり、平安時代から観賞用として神社仏閣などの庭園に植栽されています。銀色がかった葉が美しく成長が遅い上、木質が柔軟で枝を曲げやすいため、盆栽に使われることも多いです。最も一般的なクロマツやアカマツは葉が二本一組に、ダイオウショウやテーダマツなど外来のマツは三本一組になって生じますが、本種は五本一組になるためゴヨウマツと呼ばれています。江戸時代には多数の品種が作出され、産地の名前を冠して「アズマゴヨウ」「ナスゴヨウ」などと呼ばれ、葉の形は産地によって微妙に異なり、美しく育てるには時間と費用がかかり、大きなゴヨウマツは価値が高いとされています。葉は長さ3~8センチ程度で先端は尖っていますが、手で触れてもチクチクせず柔らかな感触があります。



レッドキャンピオンは、ヨーロッパ原産のナデシコ科の耐寒性・耐暑性に優れた丈夫な多年草(宿根草)です。別名で「アケボノセンノウ」とも呼ばれ、春から初夏にかけてサクラソウに似たピンクの小花を咲かせ、園芸用やハーブとして利用されます。雌雄異株で、雌株のがく筒はぷっくりと膨らみ、雄株はほっそりとした姿をしています。ヨーロッパでは野草やハーブとして扱われ、葉や花を食用や料理の彩りに利用されています。日本では、ハーブとしてより鑑賞用の花苗として扱われることが多いようです。暑さ寒さに強く、丈夫な性質で放任で育ち、環境に合うとこぼれ種でも増えて群生します。茎がしっかりとした花ではないので、支柱などを添えるか自然にするかで草丈には差が出ます。開花時期がバラと同じ時期なので、バラの下草としても利用できる素材です。華やかなピンク色の小花は、初夏の庭を明るく彩り、花は切り花にもなります。



ネモフィラは、北アメリカ原産のムラサキ科・ネモフィラ属の一年草で、春(3月〜5月)に澄んだブルーの可憐な花を咲かせる植物です。和名は「瑠璃唐草」」と呼ばれ、青い絨毯のような景観を作るため、公園の植栽やガーデニングで非常に人気があります。草丈10〜20cmの低めで、地面を這うように横に広がり、細かく切れ込んだ葉が密に茂ります。径2〜3cmの小ぶりな花が咲き、最も代表的なのは花心部が白く縁がブルーの「インシグニスブルー」です。乾燥気味の環境を好み、初心者でも育てやすい丈夫な植物です。ネモフィラは、花束やフラワーアレンジメントなど切り花としては流通していることが少ない花です。そのためお花屋さんでもバラやチューリップなどに比べると、見かける機会の少ない花でもあります。しかし「ネモフィラ」という花の名前を知らなかったとしても「見たことはある」という方や「ネモフィラが好き」という方はたくさんいらっしゃいます。



キンキャラボク(金伽羅木)は、日本海側に自生する常緑低木「キャラボク」の園芸品種で、新芽が鮮やかな金色〜黄色に色づくのが特徴です。日陰に強く、剪定にも強いため、庭のアクセントや生垣、低木として親しまれています。春の新芽の時期は特に鮮やかな黄色(金色)となり、夏には黄緑〜緑色に変化すします。幹が直立せず横に広がる低木で、成長が穏やかで、庭木、生垣、庭の縁取り、玉散らし(丸く刈り込む)等で楽しめます。新芽が金色のキャラボクは、キンメキャラボクとオウゴンキャラボクがありますが、どちらもキンキャラなどと呼ばれて性質も似ており、区別は少し難しいです。キャラボクよりも樹高が低く、グラウンドカバーやロックガーデンなどにも利用されます。耐陰性もあり、日向〜半日陰で育てられます。パッと明るい黄金葉が庭にメリハリをつけてくれる上、扱いやすくて人気の庭木です。



ウツギピンクポンポンは、5〜6月頃に淡いピンク色の八重咲きの小花がボール状(手毬状)にまとまって咲く、落葉低木です。1〜1.5m程度でコンパクトにまとまるため、洋風・和風の庭やテラコッタ鉢での栽培、切り花に適した、強健で剪定しやすい品種です。ほんのりピンク色をした可愛い多くの花が重なりあうようにして咲きます。和でも洋でも楽しめる雰囲気の植物です。コンパクトな樹形なので鉢植えにも最適です。自然樹形で楽しめるので剪定はほとんど不要が、大きくしたくない場合は、開花後に切り戻します。ウツギの名の由来は枝の髄が空洞だからという「空木」からきました。芽吹きも遅いことと、枝を切っても中が空洞ということから、春の芽吹き時は枯れてしまったと誤解されやすいのです。



デショウジョウ(出猩々)は、春の新芽が鮮やかな濃い赤色に色づくイロハモミジ系の園芸品種です。盆栽や庭木として非常に人気が高く、春の赤から夏は緑へ、秋には再び赤へ紅葉する色の変化を楽しめます。小ぶりでシャープな葉が特徴で、猩々(能の演目)の赤い顔に見立てて名付けられました。 春の芽出しの美しさはモミジの中でも随一と言われています。もみじ盆栽の中でも特に人気のある出猩々もみじは、春と秋の二度、花を上回るくらい紅く美しい姿を披露してくれます。出猩々(でしょうじょう)もみじの最大の魅力はこの新葉の鮮やかな赤です。赤い葉の色は日々変化をし、5月にはしっかりとしたシャープな葉形でとても爽やかな緑色へと変わります。



イトズイセン(糸水仙)は、GKZ植物事典によると、スペイン・ポルトガル原産のヒガンバナ科スイセン属の多年草(球根植物)です。イグサのように細い葉を持つのが特徴で、こちらのサイトによると、強い芳香を持つ黄色い小花を3〜4月に咲かせます。 草丈は10〜30cm程度で、葉は糸のように細いです。黄色〜濃黄色で、一つの茎に2〜5個の小花を横向き〜下向きにつけます。ジャスミンに似た非常に強い甘い香りがあります。江戸時代に渡来した歴史ある品種で、植えっぱなしでも育ちやすいため、春のガーデニングで親しまれています。花は花茎に数個の6弁花を付けて開花します。花色は白色の他に黄色・ピンク色などと多彩で、花形も一重・八重・ラッパ咲き、葉が糸のように細い糸水仙などがあり、品格があります。花が美しい上に芳香があるため好んで栽培されています。



タムケヤマ(手向山)は、江戸時代から親しまれる紅枝垂(ベニシダレ)系のイロハモミジ品種です。春から夏は暗紫紅色、秋は鮮やかな赤に紅葉する深い切れ込みの葉と、美しい枝垂れ樹形が特徴。日陰でも紅葉しやすく、庭木や鉢植え(タムケヤマ(手向山))として人気があります。若葉のころは繊細で落ち着いた色をしています。真夏には紫色に近い濃い緑色に変化し、そのまま秋を迎えて再び真っ赤に紅葉します。日本原産のヤマモミジの枝垂れ性品種の中の代表的な品種です。葉の淵が細かく、いくつもある深い切れ込みはまるで繊細なレース飾りのようで、他のモミジとの違いは一目瞭然です。枝が曲がりくねりながら枝垂れるのも特徴で、やわらかな曲線を描いた枝ぶりも印象的で魅力の一つです。



ハナカンザシはオーストラリア原産の可憐な植物です。開花期間が長く、ひとつ植えているだけでもたくさんの花を楽しめます。ハナカンザシはカサカサとした紙のような質感が特徴です。主な開花時期は3月~5月で、開花期間中は次々と花を咲かせます。花びらに見えている白い部分は総苞(そうほう)と呼ばれるもので、実際の花びらは真ん中の黄色い部分になります。「ハナカンザシ」の名前は流通名で、和名で「花かんざし」と呼ばれている植物とは別の品種です。学名では「ローダンテ・アンテモイデス」と呼ばれています。ちなみに、ハナカンザシという名前は、つぼみの頃の姿からついたとされています。白く丸いつぼみの先端が淡く紅色に染まっている様子が、かんざしのように見えたそうです。