ルドベキア フルギダの花は山吹き色で、その深緑の葉との相性は抜群。他の宿根草の中に植えてもとても映えます。群植しても単体で挿し色として使ってもその真価を発揮します。花期が長く、寒さ病気に強くローメンテナンスの花です。花後花びらが散って中心のコーンだけになったシードヘッドの造形を楽しんだ後は、こぼれ種で増えることがあるので、種が熟し落ちる前にカットするとよいです。ルドベキア・フルギダは別名では「ペレニアル・コーンフラワーや「オレンジ・コーンフラワー等とも呼ばれる北アメリカ原産の多年草です。ルドベキア・フルギダは、匍匐枝で広がり、コンパクトな群生をつくり、毎年夏に黄色の花を咲かせる多年草タイプのルドベキアです。花はキク科でよく見られる頭花で、頭花は直径7cmまで、舌状花と筒状花で構成されています。
ルドベキア・タカオはルドベキア・トリロバの園芸品種で、夏から秋に無数の黄色い花が開花する多年草です。その見た目からBrown-eyed Susanという英名があります。多年草の中では短命な部類のため二年草とされることもありますが、こぼれ種で増えていくほど繁殖力は旺盛です。ルドベキアの中でも分枝性に優れ、小輪の花が無数に開花し、真夏も休みなく咲き続けます。花は小輪ですが高性なので、大株になると存在感があります。こぼれ種でも増えていくので、親株がどれなのかがわからなくなるほどです。真夏も休みなく咲き続け、強い日差しでも葉焼けすることがないため、温暖地の夏の庭にもうってつけの草花です。
ヤダケは、本州、四国及び九州の山野に自生するヤダケ属のササで、シノダケと呼ばれるものの一つです。棹の節が低く、節間が長いのが特徴です。「矢竹」の名前のどおり、かつては矢柄(矢の棒の部分)に、現代では釣竿や庭木として使われていました。日本以外では韓国に分布。漢字表記には「箭」あるいは「箭竹」もあります。葉は厚くて大きく、尾状に尖って垂れ下がっています。長さ4~30センチ、幅2~4センチほどで両面ともに無毛です。表面は深い緑色で光沢があり、裏面は白っぽくなります。葉は枝先に22~7枚ずつ生じ、7~8月に稀に開花するとコメ粒ほどの実ができます。
ハンゲショウは、水辺に群生する白の斑がたいへん美しい涼しげな植物です。「半夏生」の名は、夏至から11日目を半夏生と呼び、その頃に花を付けることから名付けられたそうです。葉っぱの半分ほどが真っ白な白粉を塗ったような様子から「半化粧」とも呼ばれます。開花と同時に花穂のすぐ下の葉が白く変わります。白くなる面積は個体差がありますが、半分くらい~9割ほどで、葉っぱ全体が真っ白くなることはありません。花が終わる頃には葉っぱは緑に戻ります。なんとも不思議で神秘的です。半夏生は虫媒花であるため、葉を白くして虫に花のありかを知らせるためではないかと言われているそうです。全国各地に群生地や名所があり、京都祇園の両足院、鎌倉の鎌倉中央公園、淡路島の淡路島国営明石海峡公園など、見ごろの時期にはたくさんの人で賑わいます。
メランポジウムは、こんもりと茂った株に、明るい黄色の小花を休みなく咲かせます。高温多湿に強く、肥料分の少ない土地でもよく育つので、春まきして育てる丈夫な夏の草花として人気があります。メランポジウム属の植物は、メキシコから中央アメリカを中心に80種ほどが分布していますが、このうち栽培されているのは、メキシコを中心に分布するディバリカツム種1種のみです。乾きすぎない日なたを好みます。花が咲き終わった上を覆い隠すように新芽が伸びて新たな花が咲くので、花がら摘みをしなくても、いつもきれいな株姿を楽しめます。若い苗のときは生育が遅いですが、暑くなるにつれて、ぐんぐん大きく育ちます。肥料分が少なくても育つ反面、肥料を施しすぎると生育不良を起こすので注意します。
スズランは春の訪れを知らせる代表的な花です。日本で最も多く栽培され、なじみがあるのは、ヨーロッパ原産のドイツスズランで、日本原産のスズラン(君影草)よりも草姿および花ともに大型で丈夫です。ドイツスズランは葉と花が同じ高さで開花し、香りが強く、鉢花やポット苗で流通します。日本原産のスズランは本州中部以北のほか、朝鮮半島、中国に分布します。葉に隠れるようにひっそりと咲き、主に山野草として扱われますが、高温多湿に弱くてやや育てにくく、流通は多くありません。なお、全草に毒をもち、特に花と根に多く含まれるので、取り扱いに注意しましょう。
ツワブキは海沿いの草原や崖、林の縁に見られる常緑の多年草です。葉は革質でつやがあり、円くて直径20cm前後あります。新芽は茶色の綿毛に包まれていますが、成長につれて取れていきます。地下には短いワサビ状の根茎が連なり、大きな株になります。花は株の中心から出て、先端に10~30輪ほどのキクに似た、花径3cm前後の黄色い花を咲かせます。斑入りや八重咲き、丁字咲き(花芯が発達してアネモネ咲きになる品種)などの園芸品種が栽培されてきました。花色も黄色のほか、クリームホワイト、朱色、レモン色などの品種があります。秋に咲く花だけでなく、斑入りや獅子葉など葉も変化に富み、1年中庭に彩りを添える植物として古くから親しまれています。
クレマチスは雪割草・クリスマスローズ・アネモネ・フクジュソウなどと同じ仲間でキンポウゲ科クレマチス属に入ります。つる性(一部木立ち性)の植物です。クレマチスの名はギリシャ語のKlema(巻きひげ、つる)から由来して学名がつけられました。原種の数は300種類とも言われ、世界中に分布しています。主に北半球に分布していますが、中国が最も多く100種類はあると言われています。日本でもハンショウヅル、高野ハンショウヅル、白ハンショウヅル、タカネハンショウヅル、ミヤマハンショウヅル、カザグルマ、クサボタン、ボタンヅル、白花ハンショウヅル、仙人草などが自生しています。
ニチニチソウは、主に夏から秋に花壇や鉢植えで楽しむ草花です。排気ガスなど大気汚染に対する耐性も強いので、道路沿いの花壇でも活躍しています。自生地では毎年花を咲かせて生長し、低木状になります。日本では霜の降りる頃に寒さで枯れることが多いので、一年草として扱います。基本は春にタネをまいて夏から秋に花を楽しみます。日本には江戸時代中期に入ってきたとされます。種々のアルカロイドを含み、薬用植物としても知られています。葉は濃緑色の細いだ円形で、表面にはツヤツヤした光沢があります。葉っぱもきれいで、花のない時期でも存外に見栄えがします。茎は直立する立性、地面を這うように伸びる這性があります。這性タイプは吊り鉢にもよく合います。
ペンタスは春から秋まで長期間開花し、暑さに負けずによく開花します。本来は低木状に育ちますが、タネから育てる矮性に改良された品種が小型~中型の鉢物や花壇苗としてよく普及しています。主な品種のシリーズとして「グラフティー」シリーズ、「バタフライ」シリーズ、「ニュールック」シリーズなどがあります。また、ほかに栄養系品種として、八重咲きの「ライカ」シリーズや大きく育ちボリューム感のある「パニックタワー」シリーズ、葉に斑が入った品種なども流通しています。ペンタスは、アフリカを原産とするアカネ科の常緑低木です。 生長すると背丈は1m前後になり、茎の頂部に星型の花がたくさん咲きます。 花色は赤やピンク・白・紫などです。
コキアは、草姿が円錐形の整った形で、繊細な茎葉が密に茂り、明るくさわやかな印象を受ける春まき一年草です。観賞期間が長く、同じ形状のまま大きく育ちます。まるで刈り込みをしたコニファーのようで、何株かをまとめて植えると特異な景観がつくれます。ホウキギの和名のとおり、刈り取って陰干しして、草ボウキをつくるのに利用されます。かつてはコキア属に分類されていたので、コキアと呼ばれていますが、今はバッシア属になっています。世界各地で野生化していて、日本でも帰化植物となっており、イソボウキの名で呼ばれることもあります。観賞用に栽培されるのは、主に変種のトリコフィラ(ハナホウキギで、コンパクトな草姿で丸みがあり、秋には美しく紅葉します。花は淡黄緑色で、小さくて目立たず、雄花雌花があります。畑のキャビアとして知られるトンブリは、本種のなかで種子の大きな系統の果実からつくられるものです。これは草丈が高く、紅葉はしません。
ワジュロは日本を原産とする数少ないヤシ科植物の一つです。かつて九州南部に自生し、他の樹木にない南国風の雰囲気を持つことから、明治時代以降、関東地方以西の洋風庭園を中心に植栽されるようになりました。さらにエキゾティックな庭木が普及した現代では庭園、公園に限らず民家の軒先、道端、藪の中で最も普通に見られる「ヤシみたいな木」です。一般にシュロという場合、本種と中国原産とされるトウジュロ(唐棕櫚)を区別せずに扱いますが、本種をワジュロと呼んでトウジュロと区別することもあります。シュロという名は中国名の「棕櫚」を音読みしたものです。幹(茎)は分岐せず真っすぐに伸び、枝もありません。幹の頂部に生じる葉は扇状で、何枚もの細長い小葉が集まってできています。葉柄(葉の軸)は断面が三角形です。丈夫で持ちやすく、切除した葉をそのまま箒として使うことができます。葉全体の大きさは直径150~250センチほどです。
中国原産のエンジュは、奈良時代に薬用を目的に渡来した外来植物です。中国では、古くから並木に用いられていましたが、日本でも各地で街路樹に使われています。夏、枝先に淡い黄白色の小さい蝶形花を多数つけます。マメ科らしい果実は、種子と種子との間が大きくくびれています。中国では縁起の良い木とされています。生薬名は槐花(かいか)で、止血薬として利用されています。周の時代は宮廷の庭に植え、朝廷の最高位にある三公はこれに向かって座したと言われています。各家でも、子が成長して高位につけることを願って屋敷内に植える縁起の良い木とされています。三公は三塊といい、大臣のことを槐位といいました。だから、漢名は「槐」となりまはた。
ガーベラは陽気で明るい雰囲気をもつ花で、葉は地際に集まって茂り、花茎だけが長く伸びて咲くすっきりした草姿が特徴です。原種のヤメソニーは赤色で花弁が細く、枚数も少ないのですが、ほかのいくつかの原種との交配により、多数の園芸品種が育成され、毎年のように新品種が生まれています。多彩な花色と、一重、八重、スパイダー咲きやセミダブルなど花形のバリエーションもあり、また、小鉢や寄せ植えに向く丈の低い小型のものから、切り花用の高性種、花壇向きのガーデンガーベラなど、モダンでハイカラな花として広い用途があります。株全体には、うぶ毛のような細かい綿毛が密生して、ソフトな感じがします。また、花の中心の部分(目と呼ばれる)は、淡い黄緑色から黒っぽいものまであり、花弁との対比がよいアクセントにもなっています。
ストケシアは、北アメリカの南西部(南カリフォルニア、フロリダ、ルイジアナなど)に分布する、毎年花を咲かせる多年草です。ストケシア属はストケシア・ラエヴィス1種のみで構成されます。日本に渡来してきたのは大正の初めで、昭和に初期に人気が出て広く普及したと言われています。花はヤグルマギクを大きくしたような感じで、標準は青紫色です。和名のルリギクはこの花色からきているのでしょう。園芸品種に青、紫、白、黄色、ピンクなど花色のものがあります。主に初夏~秋を彩る花ですが、冬も暖かい原産地の一部では秋以降も休まず花を咲かせます。生育旺盛で繁殖力も強く、切れた根からも芽を出して育っていきます。花茎の先端が枝分かれしてたくさんの花を咲かせるので1株だけでも非常にボリュームがあります。
ジニアはヒャクニチソウ(百日草)とも呼ばれています。ヒャクニチソウというと、昔ながらの盆花、供花のイメージがあるかもしれませんが、ジニアと呼ばれて花壇やコンテナなどに適した矮性の品種がたくさん流通しており、ガーデニング素材として人気があります。「百日」というだけあって開花期間が長く、次々と咲き続けます。園芸的に多く利用されている種類は、エレガンス(ヒャクニチソウ)、リネアリス(ホソバヒャクニチソウ)、プロフュージョン(エレガンスとリネアリスの種間雑種)、ハーゲアナ(メキシコヒャクニチソウ)で、いずれも生育旺盛で、夏花壇に重宝します。5月から花つきのポット苗が流通しますが、春にタネをまけば夏から梅雨明け後に定植できる大きさの苗に育ちます。
タコノキという樹木があります。漢字で書くと蛸の木です。名前の由来は幹の下部から出た複数の支柱根がタコの足に似ているからです。日本に自生するタコノキ属の植物は、このタコノキと南西諸島に分布するアダンと大東諸島に分布し2009年に新しく記載されたホソミアダンの3種のみです。タコノキ属は、世界では西アフリカからハワイ諸島にかけて約450種が知られており、日本はタコノキ属の分布の北限にあたります。小笠原のタコノキは遠い昔に海流に乗って辿り着いたタコノキの祖先種が、小笠原で独自の進化を遂げ、固有種となったものです。小笠原では、タコノキはごく普通に目にすることができ、小笠原村の木として指定されています。葉を蒸して乾燥させ、籠などを編むのに利用され、地元の方にとっても大変親しみのある樹木の1つです。
蘇鉄は、沖縄の南西諸島に自生する裸子植物ソテツ科の常緑低木樹です。日本では、庭木としての歴史が古く、室町時代には京都で庭園に植えられていた記録があります。蘇鉄という名前は「鉄で蘇る」という意味です。弱った蘇鉄の株に肥料として鉄屑や鉄の釘を与えると蘇るという言い伝えがあることから、この名前がつきました。ヤシの木やシュロに雰囲気が似ていますが、大きさが異なり、蘇鉄の方が小さめで葉の形も異なります。古くから庭木や街路樹として親しまれているため、3mを超えるほど大きくなった蘇鉄も日本各地で見られます。しかし、蘇鉄の生長するスピードはゆっくりで、1年に1〜4cmほどしか生長しません。観葉植物として、室内で育てられる小さな蘇鉄も流通しています。大きくなりすぎる心配はないので、鉢植えで育ててみるのもおすすめです。
サンタンカは丈夫でよく開花するので、鉢物として出回るほか、熱帯地域では庭木として広く親しまれています。沖縄では、よくサンダンカといわれています。花色は最も一般的なのは赤色ですが、ほかにもいろいろな色があります。種類によって、5号くらいの手ごろな大きさの鉢で楽しめるほか、1m近くになり10号鉢程度の鉢に植えると見ごたえのある株になる種類もあります。アカネ科の熱帯の常緑低木の花木で、サンダンカ(三段花)とも云います。朱紅色,橙色,白色などの小花が多数,密に半球状に集まり,美しくまた開花期間も長いので,鉢植えや切花としてよく使われています。サンタンカは沖縄地方で主に見られる常緑低木です。 沖縄三大名花にも数えられており、沖縄県では「サンダンカ」の名前でも知られています。 赤やオレンジなど様々な色の花を咲かせる品種があり、樹高は高いものでも1mほどです。 花屋では切り花としても販売されています。
ガジュマルは東南アジアを中心とした幅広い地域に分布する高木です。沖縄や小笠原、屋久島でも防風や防潮の為に植えられたガジュマルの林を見ることができ、屋久島・志戸子(しとこ:ガジュマルが植裁可能な北限)のガジュマル園はその本来の目的としてだけではなく、観光地としても有名です。巨木も比較的容易に移植できるので、ビルの吹き抜けなどで存在感たっぷりにどーんと植えられているものも見ます。枝葉が密に付くので、刈り込みにも向きます。イチジクをぐっと小さくしたような直径1cmほどの果実(花嚢-かのう-)ができ、オレンジ~赤に熟します。葉は光沢があり厚みがあります。色は濃い緑で長さ6cm前後の卵形です。幹の途中から気根と呼ばれる根を何本も出し、それがどんどん伸びて地面に付くと肥大して生長し、木を支える支柱根となります。巨大なものは20mもの高さになります。
ハイビスカスといえばほとんどの方が、カラフルで情熱的な花を思い浮かべるのではないでしょうか。ハイビスカスは、沖縄ではほぼ周年開花し観賞価値が高いことや、露地での栽培が容易なことから、庭木、街路樹、公園樹などとして広く利用され、南国のイメージアップに貢献している代表的な花の一つになっています。しかし、ハイビスカスの園芸種が実に5000種以上もあるといわれていること、またハイビスカスの仲間には、繊維や食用として利用される種類もあることなどは、あまり知られていません。花は、葉の付け根(葉えき)から生じて、1つの花に雄しべ・雌しべをそなえる両性花で、5つにさけた萼(がく)と5枚の花弁(はなびら)からなり、筒状に合わさった多くの雄しべが突き出ています。花のサイズは小さいものから大きなものまで様々です。
ムラサキナツフジの原産地は沖縄、台湾、中国です。ムラサキナツフジの花の名は花の形が藤に似ていて、夏に紫色の花が咲くことから名付けられました。別名のサッコウフジ(醋甲藤)は漢名の音読みからです。ムラサキナツフジの花言葉は「陶酔する恋」「愛の喜び」です。ムラサキナツフジはマメ科ナツフジ属の常緑性木本で、開花期は7月∼8月です。花は暗紫色から帯紅紫色へと変化します。元々は台湾から持ち込まれることが多かったことからタイワンサッコウフジと呼ばれていましたが、明治25年にムラサキナツフジの名で新種として発表されましたが、すでに江戸時代には栽培されていた記録があるそうです。
ナニワイバラとは白い花を咲かせるツル性のバラです。原産地の中国南部や台湾などで見られるバラ科バラ属の落葉ツル性であり、低木の花です。名前の由来は江戸時代にさかのぼります。大阪難波の植木商人がよく中国から輸入していたため、この名前が付けられたとされます。ナニワイバラは一般的に4~6月頃に開花の季節を迎えます。植え付けは3~4月の春だけでなく9~10月の秋頃にも可能です。成長が早いので手入れをせずに放任しておくと、四方八方に広がってしまうので注意しましょう。やや厚手の白花で花径6~8cmほどの5枚びらであり、真ん中に黄色い雄しべが複数あります。子房以外の部分が加わってできている果実、偽果が実ります。これは「金桜子」といい、秋になると赤だいだい色に色付き生薬として利用され、縮尿などの薬効があるとされています。
シャラの木は日本原産で、東北地方南部以南の山地に自生しています。 耐寒性落葉高木です。 6月頃にツバキに似た白い花(花径5~7cmほど)を咲かせます。 花は一日花のため、たった一日で花が落ちてしまう「はかなさゆえの美しさ」からイメージして生まれた花言葉です。シャラノキは夏に白い花を咲かせるツバキです。平家物語の冒頭に出てくる「沙羅双樹」の仲間としても有名で、別名シャラノキと呼ばれています。公園などによく植えられているので、ご存じの方も多いでしょう。有馬の念仏寺には、樹齢が270年ともいわれている大木があります。花はツバキと同じように丸ごと落下するので、この木のまわりが白い花でいっぱいになっていることがあります。
ナウクレアはアカネ科の顕花植物の属です。種は、古熱帯植物に固有の常緑樹または低木です。末端の栄養芽は通常、強く平らになっています。総称は古代ギリシャ語のnaus(「船」を意味する)とkleio(「閉じる」を意味する)に由来しています。これは、カプセルのセルが船の船体に似ていることを意味します。Nauclea
diderrichiiは西アフリカの大きな木で、他の場所で広く栽培されています。その木材は穴あけ器に耐性があり、港の周りや木材が常に水と接触している他の場所で使用されます。
アサギリソウは、北陸地方や東北地方以北の岩場に見られるヨモギの仲間です。全体に白い毛で覆われ、きらきらと光に反射する銀緑色の葉が美しく、どちらかというと花よりも草姿や風情を楽しむ植物です。枯れた茎の根元から芽を出して次々と四方に新しい茎を伸ばします。やがて茎は立ち上がり、横に倒れて先端から花芽を伸ばし、夏にヨモギに似た小さな花を咲かせます。開花した茎は成長を止め、株元に次年の芽を形成します。そのまま落葉し、やがて地上部を枯らして休眠に入ります。鉢植えや石付けのほか、盆栽の下草としても人気があり、好んで栽培されます。
Artemisia schmidtiana 'Silver Mound'は、羽のような銀灰色の葉とコンパクトな成長習性で知られています。よく排水された土壌を要求し、繁栄させるためには日当たりの良い場所から部分日陰の場所に置かれる必要があります。過度な潅水や排水の悪さは根腐れを引き起こす可能性があるため、土壌の湿度に注意を払うことがartemisia schmidtiana 'Silver Mound'の健康にとって重要です。初夏に剪定することで、密な丘状の形を維持し、中心が割れるのを防ぎます。
アキノワスレグサは中国原産で、日本では近畿以西の温暖な地域に見られます。この植物の仲間であるキスゲ属は、夏に花を咲かせる種が多いのですが、アキノワスレグサは最も遅く、秋に花を咲かせるので、この和名がつきました。キスゲ属はワスレグサ属とよばれることもあります。キスゲの仲間は東アジア原産ですが、欧米に持ち込まれて品種改良が行われ、多くの園芸品種が生み出されました。ひとつの花は1日しか咲かないので、英名では「 1 日ユリ」と呼ばれています。属名はギリシャ語の 1 日( hemera )と美しい( kallos )を合成したものです。また、キスゲ属の花や若葉は食用にされ、一般に萱草(かんぞう)とよばれているヤブカンゾウなどの若芽は、山菜としても知られています。
チョコレートコスモスはチョコレートを思わせる香りをもつ、シックな花色の多年草です。風にそよぐ姿は、どんなシーンにも調和します。高温多湿に弱くやや育てにくい原種のチョコレートコスモス(コスモス・アトロサンギネウス)のほか、キバナコスモスなどと交雑させた、育てやすい交配種が出回っています。交配種は、開花期の長い、春から秋まで咲くグループと、秋に一斉に咲く秋咲きグループに分けることができます。原種のチョコレートコスモスは野生では絶滅したとされています。原種のチョコレートコスモス、その交配種ともにタネがとれないので、さし芽や分球でふやした株が流通しています。球根の形状はダリアによく似ています。
柳花笠(ヤナギハナガサ)は、三尺バーベナとも呼ばれるクマツヅラ科クマツヅラ属の多年草です。柳花笠の名は、葉が柳のように細長く、小さな花が集まって咲く様子が花笠に似ていたことからつけられたそうです。柳花笠は、丈夫な園芸品種として知られる宿根バーベナとよく似た花です。宿根バーベナよりも草丈が高いのが特徴で、60〜150cmほどの高さにまで生長します。三尺バーベナ(三尺は約90cm)という名前は、その高い草丈から来ています。柳花笠は、もともと「バーベナ・ボナリエンシス」と呼ばれていました。「バーベナ」は「神聖な葉・枝」という意味で、バーベナの仲間は古代ヨーロッパでは儀式に用いられていたのだそうです。「ボナリエンシス」は「ブエノスアイレスの」という意味。その名の通り、アルゼンチン(首都はブエノスアイレス)をはじめとするコロンビア、ブラジル、チリなどの南米諸国が原産のバーベナです。
メドーセージはシソ科サルビア属のハーブで、南米を原産としているため寒さに弱く、日本で育成するには冬越しに注意が必要です。美しい濃い青紫色の花と黒いガクが、他の植物にあまり見かけない組み合わせです。日本には明治20年に渡来して以来、園芸品種として定着しています。主に観賞用・ポプリ・ドライフラワー等で使われます。南米やブラジルなどに分布するセージで、濃い青紫の花と、黒い顎が印象的な、やや大人っぽいお花です。 地下茎で増えていくのでお庭に植えると群生したお花を楽しむことができます。春から秋にかけて長く開花し、花期は6~11月です。花色は紫で、冬に地上部が枯れますが、翌春には再び新芽が伸びます。
スーパーチュニア・ビスタは、育てやすさに徹底的にこだわって改良された「スーパー」な「ペチュニア」、その名も「スーパーチュニア」は、早春から晩秋まで長い間株を覆うようにたくさんの花を咲かせます。2001年に日本で初めてPWブランドの販売が始まった時に、デビューしました。スーパーチュニアは、雨に弱かったペチュニアの弱点を克服した厚みがある花弁のペチュニアです。たとえ長雨で花が傷んだとしても、強健で生育が早いため、すぐに回復します。また、暑さや蒸れにも強いため真夏の直射日光の下でもすくすくと育ち、切り戻しをしなくても次々と分枝しボリュームたっぷりに育つので、ガーデニング初心者におすすめのお花です。
ハマナデシコは海岸の崖地や砂浜に生育しています。岩の割れ目などに生育している場合には、しっかりと根を張り、点々と生育していますが、砂浜では群落を形成します。花を咲かせない若い個体はロゼットを形成します。群落を形成している場所を見ると、花を咲かせている個体が集まっている場所や、ロゼットの段階の個体が群落を形成している場所があります。砂がうち寄せて生育できる場所が形成されると、一挙に新しい個体が芽生えるように見えます。岩場に生育している個体は当分その場所に生育するのでしょうが、砂浜での生育は、砂の動きによって群落が形成されたり、なくなったりするのでしょう。地球温暖化にともなう海面上昇は、このような植物の生育に大きな影響を与えそうです。
ヒノキ科ヒノキ属の常緑針葉樹です。細枝や葉先が糸のように垂れ下がることからイトヒバと名付けられました。ヒバは「桧葉」でヒノキ科の園芸品種を表します。同属のサワラの園芸品種であり、野山には見られません。正式にはヒヨクヒバ(比翼桧葉)といいます。比翼とは鳥のペアが仲良く枝に並んで翼を重ねている状態を表し、葉が重なり合う様子をそれに擬えたものです。ヒヨクヒバとイトヒバは異なるという説も聞きますが、一般的には見分けがつかず、同一視されています。イトヒバの葉は鱗状の小さな葉の集まりで、小葉の先端はサワラと同様に鋭く尖っているため、触れるとチクチクします。イトヒバの魅力は垂れ下がる「糸」にありますが、その長さは個体や環境によって変化が大きいです。枝葉は概してまばらに生じます。
日本ではクリスマスツリーとして定番のモミの木ですが、ヨーロッパなどではドイツトウヒが一般的です。モミ属は日本に5種、世界には約40種があるとされています。日本で流通しているモミは、葉の裏に白い2本のスジが入る日本固有種の「ウラジロモミ(裏白樅)」が主流です。樅の木は、微香性でありながら消臭効果を持ち合わせています。そのため、食品用の木箱材に適しており、お節用の木箱や素麺箱、かまぼこ板などにも重用されています。また住宅内装材として、室内の生活臭や台所の臭い、たばこ等の臭いの消臭にも効果があります。もみの木は針葉樹に分類されます。ラテン語で「永遠の命」を意味します。世界中で生育しており中には1000年以上生きているものが多くあります。高さは60m以上、幹の太さは1m50cm程度ととても大きく成長します。
トリトマは、熱帯アフリカ、南アフリカに約70種が分布します。標高1000m以上の高地に分布するものが多いです。現在はクニフォフィア属に分類されますが、昔の属名がトリトマだったので、現在でもこの名前で呼ばれます。地際から細長い葉をわさわさだして、その葉の間から花茎を伸ばして上部に筒状の小さな花を穂状にたくさん付けます。花は黄色やオレンジなど暖色系のものが多いです。花の見た目はアロエに似ています。属名のクニフォフィアは植物学者クニフォフの名前にちなみます。和名でシャグマユリとも呼ばれます。これは花穂を兜などの装飾に使われるふっさふさの赤い毛=赤熊(しゃぐま)に見立てて付けられました。旧属名のトリトマはトリスとトメ(切断)からなり、花の内部構造に由来します。
シロシキブ(白式部) は、日本、朝鮮半島、中国原産で、シソ科ムラサキシキブ属の落葉小 低木である、「ムラサキシキブ(紫式部)」の白色品種です。6月~7月に真白な花を咲かせ、秋に白い果実を多数つけます。別名で、コシロシキブ(小白式)とも呼ばれます。育て方は、日当たりや半日陰の場所と、保水力のある肥えた土が適します。水は表土が乾いたらたっぷりと与え、2月と8月の下旬に、緩効性化成肥料を株元に施します。剪定は2月~3月までに終わらせます。いらない枝を付け根から間引いて植え替えます。実には毒がないので、食べることは可能です。しかし、多少の甘みはあるものの、好んで食べようと思うほどおいしいものではないようです。お子様のいるご家庭では、実のきれいな見た目を活かしておままごとなどに用いることもあるようですが、実際に料理に応用するのは難しいといえるでしょう。
モモバギキョウは宿根草としてよく知られる多年草です。林縁や森林内の開けた場所、牧草地に自生します。古くから栽培されてきたため、数多くの園芸品種があります。ヨーロッパでは標準的な宿根草で、日本への紹介も古いのですが、いまひとつ普及していません。高さ30~90cm、茎は直立して株立ちになります。茎の先端に10数輪の釣り鐘形の花を横向きか、やや上向きに咲かせます。花色は白から青紫色まで幅があります。葉は細長くて根元から茎の中ほどまで多数つきます。和名は葉が果樹のモモの葉に似ていることからつけられました。普通の草花を育てるような土でも生育しますが、夏が暑い日本の多くの地域では短命に終わりがちなので、水はけのよい土にすることをすすめます。
ノリウツギはアジサイの仲間ですが、円錐形の花序(花房)をもつため開花時の趣は一般のアジサイと少し異なります。開花期もアジサイより遅く、花の少ない夏にはありがたい樹種です。花弁のように白く円錐花序を彩るのはしべが退化した装飾花の萼片で、雄しべと雌しべをもつ両性花には装飾花のような大きな萼片はありません。「ピラミッドアジサイ」の名で市場に出回っているミナヅキは、ほとんどの花が装飾花となり、円錐花序全体が白色で覆われます。葉は対生し、葉身の長さが5~15センチ、幅3~8センチと大形で、葉柄も2~4センチと長いことが特徴です。 花は夏で、枝先に8~30センチの白い円錐花序をつけ、花のまわりには、白い装飾花をつけます。アジサイの花は全体的に小ぶりなのに比べ、ノリウツギの花は花房が大きめです。 また、アジサイの花は手まり咲きやガク咲きのように丸い形をしていますが、ノリウツギの花は円錐状の形に集まって咲きます。 アジサイもノリウツギも、花の色の変化を楽しめる品種があります。
アセビは、本州(山形県~宮城県以西)、四国及び九州に分布するツツジ科の常緑低木です。日本特産の木で、やや乾燥した林内や砂礫地、山の尾根などに群生することが多いです。アセビは葉に毒がある有毒植物で、それが名前の由来に関係しています。漢字では馬酔木と書き、馬が葉を食べると、毒で酔った様にふらつくいてしまう木ということから、この名が付いたと言われています。昔から私たちの生活になじみがあり、万葉集にも出てくる他に葉を煎じて殺虫剤として利用されていたそうです。公園のアセビは白い花を咲かせ、高さも1mほどですが、野山で見かける大きいもので9mにもなります。公園や野山で見かけても決して口にしないでくださいね。