『万葉集』にも山橘の名で詠まれたヤブコウジは、古くから日本人に愛されてきた植物です。小型で草のように見えますが、サクラソウ科の常緑木本植物です。江戸時代、寛政年間に葉に斑が入るヤブコウジが好事家の間で人気を呼び、多くの品種がつくられました。その後、明治20年ごろから新潟県で再び流行し、明治27年には全国にブームが伝播。投機の対象として、生産者や趣味家だけではなく一般市民も巻き込み、現在の価格で1000万円もの高値で取り引きされました。このように人々を熱狂させたヤブコウジの魅力は、葉に入る黄や白の斑や、葉の縁がコンペイトウのような形に突出する「コンペ」と呼ばれる葉形です。日陰や寒さにも強く、栽培も容易なヤブコウジは、寄せ植え、おしゃれな鉢に植えて観葉植物として、盆栽鉢に植えて古典園芸植物などのように、さまざまなスタイルで楽しむことができます。
アキザキスノーフレークは繊細な草姿と、可憐な花が魅力の小球根です。原産地は南ヨーロッパ西部。和名のとおり、秋咲きのスノーフレークとして知られています。リューコジャム・オータムナーレの名前でも長年親しまれてきましたが、最近になってリューコジャム属からアキス属へ分類し直され、現在はアキス・オータムナリスとなっています。大きさや雰囲気は違いますが、リューコジャム属のスノーフレークと比較的よく似た花を咲かせます。開花期にはばらつきがあり、8月初めに咲き始めるものや、10月になってから咲き始めるものもあり、一様ではありません。気がつくといつのまにか花を咲かせているといった趣です。目立つ花ではありませんが味わいがあり、球根がよくふえるので、大株にすると見ごたえがあります。秋の訪れを告げるかのような風情も感じさせます。直径1㎝ほどの小花が咲いたのち、細い糸状の葉が伸長します。花色には純白から薄ピンクまで色幅があります。
ノゲイトウの花色は淡いピンクから濃い赤紫色で、ロウソクの炎のような形をしています。花序は水分が少なくかさかさしており、枝ごと切り取って逆さに吊るしておくだけで、簡単にきれいな色のドライフラワーができ上がります。ケイトウ属の植物は、アジア、アフリカ、アメリカの熱帯から亜熱帯に30~60種ほどが分布しますが、園芸植物として主に観賞されてきたのは、本種ノゲイトウとケイトウの2種で、ともに高温と乾燥に強く、荒れ地でもよく育つ丈夫な植物です。また、ノゲイトウは1m以上の草丈に育ちますが、近年ノゲイトウにそっくりなキャンドル状の花序をもった、コスモシリーズやスパイキーシリーズなど、草丈の低い品種が流通しています。こちらはノゲイトウとは別種の、セロシア・スピカータ(C. spicata)とされています。
アマランサスとはヒユ科の穀物で、キヌアと同じくスーパーフードのひとつといわれています。アマランサスはグルテンフリーでアレルゲンが少ないのが特徴です。アマランサスは紀元前6世紀頃から、古代アステカなどで主食として栽培されていました。ひえやきびなどと同様に「雑穀」として扱われること多いですが、正しくはイネ科の穀物ではないため「疑似穀類」に分類されます。アマランサスの見た目は粒が小さく、調理をする前の状態はキヌアに似ています。食感はプチプチとした魚卵によく似た食感で、味はほとんど無味でクセがないのが特徴です。
キバナコスモスはコスモス属の一種で、コスモス同様に栽培の多い種です。学名のスルフレウスは黄色の意味があり、濃い黄色の花を咲かせるため、コスモスとはかなり違った印象を受けます。コスモスより葉幅が広く、耐暑性があり、メキシコの自生地でもコスモスより標高の低いところに住み分けて分布しています。原種は草丈1m以上になり、やや短日性ですが、園芸品種は草丈が低く、日長に関係なく開花します。黄色系しかなかったキバナコスモスですが、橋本昌幸氏により初めて赤花の品種‘サンセット’が育成されました。その後は‘ディアボロ’など次々と品種が生まれ、彩りも豊かになり、夏秋花壇の植え込みには欠かせないものとなっています。草丈が低くコンパクトな草姿で花つきもよいので、コンテナ植えにも使いやすく、特に弁数の多いセミダブルの品種はボリューム感があります。性質が強く放任でもよく咲き続けるので、コスモス同様に広い場所での景観づくりにも利用されています。
トクサはトクサ科トクサ族の植物で、原産地は、日本を含む北半球の温帯地方です。この植物の学名は、「エクイセツム ヒエマレ)」で、「エクイセツム」は、トクサ属であることを示し、ラテン語で「エクイ」は「馬」を、「セツム」は「毛」を意味しています。「ヒエマレ」は「冬の」を意味し、トクサは冬でも枯れずに緑であることにちなむと思われます。この植物は、土の中を横に伸びる地下茎から、地上へ茎を出します。その茎は、太さ約5ミリメートルで、枝がなく、直立して、中空です。茎には、3~7センチメートルごとに節があり、節ごとにギザギザの小さな葉っぱがあります。茎は、高さ約1メートルまで伸びます。茎の表面には、ケイ酸という物質が多く含まれ、ザラザラです。そのため、乾燥させて、研磨材として用いられます。トクサという名前は、この性質にちなみ、砥ぐ草から「砥草」に転じました。
ゼフィランサスは、白い花を咲かせるタマスダレとピンク色の花のサフランモドキが最もよく親しまれています。特にタマスダレは耐寒性もあり丈夫で、放任でよくふえます。分球してよくふえるので、花壇や芝生の縁取りなどに群植するときれいです。1つの花は数日間程度と短命ですが、次々と新しい花茎が出てくるので、密植すると数週間楽しめます。タマスダレのように耐寒性のある種と、サフランモドキのように半耐寒性の種がありますが、半耐寒性の種でも暖地であれば、霜よけなど簡単な防寒で冬越しできるものが多くあります。ゼフィランサスは夏の花の少ない時期に、周期的に色鮮やかな花で庭を彩ってくれる貴重な花です。原産地は中南米などの熱帯のものが多く、日本へは、早いものは江戸時代に渡来して、サフランモドキやタマスダレの名で古くから親しまれている球根植物です。
オキザリス ・トライアングラリスは、ブラジル原産でカタバミ科の耐寒性 球根植物です。葉色が紫色で、葉形が三角形をしたレグネリー種で、別名で「紫の舞」とも呼ばれます。通常のオキザリスは草丈が低く花径が小さく一見野草のように見えますがトライアングラリスはしっかりした栽培種です。 緑や赤紫色の大きな葉に、淡いピンクの花を咲かせます。 カタバミと葉や花の形はよく似ていますが、地下には昆虫のサナギのような球根があります。増えすぎる オキザリスは丈夫で育てやすい反面、繁殖力がとても強く、増えすぎてしまうことがあります。 その繁殖力から、総合対策外来種に指定されています。 オキザリスは地下茎やこぼれ種で次々に増えていくため、放っておくと庭いっぱいに広がってしまいます。
ハニーサックルは、初夏に甘い香りのする花を咲かせる日本原産の半落葉つる性の低木です。花の蜜を吸うと甘いことから「吸葛(すいかずら)」という名が付きました。花や茎は漢方薬としても使われています。独特な花の形をしていて、上下に大きく分かれた花びらの真ん中から雄しべと雌しべが飛び出すようについています。咲き始めは白く、徐々に黄色に変化し、2色の花が咲いている様に見えることから「金銀花」という別名があります。また、冬も緑の葉を絶やさないので「忍冬(ニントウ)」という別名もあります。他の木やフェンスなどに巻き付きながら生長する性質で、非常に繁殖力が強いため、一部の国では害草として指定されています。日本原産の植物ですが、ヨーロッパで品種改良され、香りの良さから人気が出た植物です。現在は豊富な花色の園芸品種が流通しています。
フイリヤブランは、正式には、フイリ(斑入りと書きフイリと読みます)ヤブランです。斑入りというのはこの花の葉を見てください。緑色に、白っぽい細長い線が入っています。この線のことを斑(フ)といい、それが入っているので斑入りというのです。ただのヤブランと比べ、こちらの方が多少葉の幅が広いそうです。またどちらも園芸種ですが、フイリヤブランの方がたくさん栽培されているそうです。葉の高さも、花がつく茎(花柄といい、カヘイと読みます)の高さも大体同じくらいの長さですが、ご覧のように可憐なうす紫の花をびっしりと付けています。花びらにあたるところを花被(合弁花の仲間では、ガクと花びらとの区別が付けにくく、花被と呼んでいます。花被と書いてカヒと読みます)といいますが、合計6枚、雄しべは6本で、黄色い葯(ヤクといい、花粉を入れる袋です)が、よく目立ちます。はながおわると、緑黒色の種が実り始めます。
伊豆など暖かい地方の海岸近くに自生している野草ですが、晩秋に小さな黄色い花を房状に咲かせる姿が美しいので庭にもよく用いられています。葉はやや肉厚で切れこみが入ります。縁に白い筋があるように見えますが、葉裏の白色が回りこんでいるようにも見えます。株は自然にまとまり成長もやや遅めなので扱いやすいです。ただ地下茎で横にほふくし最終的には大きい株になるので、小さな庭では摘心や株分けを行う必要があります。強い日差しや乾燥を好み、病害虫もほとんど発生しないので放任でもよく育ちます。もともと海岸に自生しているので厳しい日差しや乾燥に強い花です。逆に日当たりや水はけの悪い環境では下葉が枯れやすく、花つきも悪化します。水やりは地植えの場合は自然にまかせ、鉢植えは表面が十分に乾いてから与えます。
ガウラとは、4枚の花弁と長い雄しべを持ち、風がそよぐとまるで蝶が舞っているように見えるガウラは、別名:ハクチョウソウとも呼ばれています。ガウラは耐暑性にも耐寒性にも優れ、春から秋までと次々と長く花を咲かせ続けます。ピンクガウラは、矮性なのか、白ガウラより背は低めで60cmぐらいです。ガウラはアカバナ科マツヨイグサ属(旧ヤマモモソウ属、ガウラ属)の多年草です。
原産地は北アメリカ。 耐暑性・耐寒性を持ち、ある程度放っておいても元気に育ちます。ガウラの冬越し ガウラ リリポップピンクは、地上部が枯れるのではなく、葉が平面的に放射状に広がった状態になり冬越しします。
耐えることができる最低温度は―10℃で、関東地方以西の低地であれば外でそのまま植えっぱなしの状態でも冬越し可能です。ガウラは日当たりと水はけの良い場所で栽培します。
燥気味の痩せた土地の方が草姿がまとまるので特に水やりの必要はありません。
ロシアンセージは低木状の多年草です。灰緑色の白っぽい茎葉に、ベルベット状の青紫色の小花が多数群れ咲き、花や茎葉には芳香があります。全体的にふんわりとしたやわらかさとボリューム感があり、遠くから見ると煙のようで、野性的な姿とやさしいパステル調の色彩で独特の風景をつくります。冬も地上部が残ります。ラベンダーに似た雰囲気がありますが、ラベンダーより大型で性質も強く、開花期が長いので、夏花壇でよく利用されます。ブッシュ状に大きく茂りますが、小苗でも花が咲くので、コンテナにも利用されます。サルビア属に似ていることから名前に「セージ」とついていますが、属は違います。また、属名のペロブスキアは、19世紀のロシアの地方長官ペロブスキー氏の名前に由来していますが、原産地はロシアではありません。
ハナキリンは、茎にとげとげがある多肉植物でマダガスカルに分布します。茎は太くて乾燥に強く、花も葉っぱも主に茎の先端につきます。花は実を言うと「苞(ほう)」と呼ばれる葉っぱが色づいたものなのですが、わかりにくいのでここでは花と呼ばせてもらいます。花色は赤をはじめ、オレンジ、ピンクなどがあります。荒々しい草姿の割には鮮やかでかわいらしい花です。形はヘラ状や円形で種によって大きさはまちまちです。茎は上の方も下の方も太さはあまり変わらず、短いときは直立しますが、長くなると這うように伸びます。寒さには弱い性質があり、冬はできれば10℃以上の気温があればよいが、水を切って強制的に休眠させると5℃くらいまでは耐えます。気温が保てれば季節を問わずに開花します。
アンジュラは、濃いピンクのゆるいカップ咲きです。葉は光沢のある照り葉で、房咲きとなり花付きに優れ、満開時は圧巻。春には株が花で覆い尽くされるほど。その後は新しく伸びた枝先に花を付けながら秋まで返り咲きが見られます。返り咲きが多めながら伸長力が強く、大株に成長します。返り咲きがある分、枝は固めで分岐も多いため、広い場所での植栽に適します。可愛らしいカップ咲きの花が、たわわに咲きほこる、育てやすいツルバラです。 元気よく伸び、また病気にも強いので、初めての方にもおすすめ。 冬に短く切っても、切らなくても毎年必ず咲くほどです。 仕立てとしては、家の壁面など、高めの場所から誘引して楽しむのがおすすめです。
ロムレアはクロッカスに似たカップ状の花を咲かせる、半耐寒性の小球根です。南アフリカ、地中海沿岸地方原産。派手な印象のものが多く、花色は黄、紫、赤、ピンク、白など。たくさんの種類がありますが、名前を明記せずに、原種、園芸品種、実生のいろいろなミックスで出回ることが多いようです。10月から11月に水はけのよい用土で植えつけ、霜の当たらない軒下などの、日当たりのよい場所で育てます(加温していない室内でも可)。温暖な地域であれば、庭植えにできる種類もありますが、基本的に鉢植え向きです。葉が黄変し始めたら、掘り上げて乾燥貯蔵するか、鉢ごと乾燥させます。分球かタネをまいてふやします。
ブッドレアは長い円錐形の花穂が甘く香り、チョウが集まるため、英名では「バタフライブッシュ」と呼ばれています。藤色を基本に、白や紫などの花色があり、ほかに葉に斑が入るもの、小型のものなど、数多くの園芸品種があります。ブッドレアの仲間は、約100種があり、アジア、南北アメリカ、アフリカに分布します。日本にもフジウツギとウラジロフジウツギが自生しています。一般に栽培されるのは、中国原産の落葉低木のブッドレア(フサフジウツギ)で、花の少ない7月から10月までの長期間開花します。ブッドレアは成長が非常に早く、日当たりと水はけのよい場所であれば、旺盛に生育し、よく開花します。春に伸びた枝に花芽をつくり、その年の夏に開花するので、3月に枝を切り戻して樹形が乱れないように管理することが、栽培のポイントです。栽培は容易なので花木の入門種として最適です。
センニチコウの仲間は、花そのものではなく紫やピンク、白、黄、赤に色づく苞を観賞します。暑さと乾燥に強く、日本の夏に適した性質で、長期間咲き続けます。庭や花壇、鉢に植えて育てたものが、切り花としてよく仏壇に飾られます。また、フラワーアレンジメントにも欠かせない素材です。苞の部分はドライフラワーにしても色があせにくいため、名前のとおり、千日色が変わらないのではないかと思うほどです。ゴンフレナ属の植物は、熱帯アメリカを中心とした熱帯各地に100種以上が知られています。従来から紫、ピンク、白の花を咲かせるセンニチコウと、黄色や赤の花を咲かせるキバナセンニチコウの2種が栽培されてきましたが、最近は‘ファイヤーワークス’と呼ばれるスパイシーな香りをもち、ローズ色の花を咲かせる品種も流通しています。
キバナセンニチコウ(黄花千日紅)とは、細い枝先にボンボンのような可愛らしい丸い頭花をつける ヒユ科センニチコウ属の耐寒性一年草の園芸種です。 実際の花は鮮やかな橙黄色や橙赤色をしています。 花の下に葉状苞があり、葉は細いです。 切花や鉢植え、花壇に植えられますが、乾燥しても色褪せしないのでドライフラワーとしても使われます。 この品種の他に、園芸種として、センニチコウ(千日紅) があります。 両者は、内容的にはほぼ同様ですが、センニチコウの方がやや小さく、花色は桃、白、紫紅で、葉は太めです。
ムルチコーレは、少し光沢感のあるお椀型の黄色い花を咲かせ、花茎が長く伸びて風にゆらぎます。乾燥した地域が原産なので少し肉厚の葉になります。株はロゼット状です。これらの特徴だけでもパルドーサムとはかなり印象が違うことがわかります。株は小さく少し横に伸びる程度ですが花つきがよく目立ちます。移植に弱く、苗があまり出回りません。以前はクリサンセマム属でしたが、現在はコレオステフス属に変更になり学名も変更しています。ただ、以前からの名残と、コレオステフスという名称が言いにくいため、今でも普通にクリサンセマム・ムルチコーレの名で販売されています。
チェリーセージは、初夏から晩秋までの長い期間開花するシソ科の多年草です。葉や花にフルーティーな甘い香りがするのが名前の由来です。丈夫で暑さに強く、環境に合えば植えっぱなしで毎年開花するため、夏から秋の庭の彩として取り入れる方も多い花です。チェリーセージという名は、サルビア・ミクロフィラとサルビア・グレッギー、およびミクロフィラとグレッギーの交雑種のサルビア・ヤメンシスなどの総称です。セージ類はブルー・紫系の花が多いですが、チェリーセージは花色が豊富なのが特徴のひとつです。毎年新品種が作り出され、最近は斑入り品種もあります。どの品種も丈夫で花期が長いことに変わりはありませんが、草丈や耐寒性は品種によって違いがあります。
スズカケノキは、プラタナスとも呼よばれ世界の街路樹を代表する木きです。日本には明治時代に北アメリカから入ってきました。「すずかけ」は、山で修行する山伏が首にかけているもので、スズカケノキの丸い形の花が枝先から垂下ってつく様子が似てるのでつけられた名前です。実は綿毛の種子が集あつまって丸くなっていて、風が吹と形は崩れながらバラバラになって飛でいきます、樹皮はパズルのようにはがれ落おちます。スズカケノキは生長が早いです。街路樹として植栽された場合には毎年幹だけに刈り込まれるので、幹の上部がコブコブになったものがよく見られたものです。生長が早すぎるためか、あるいは枝が横に張る傾向があるためか、近年は植栽されることが少なくなりました。
プラティアはキキョウ科に属する植物で、アジア、オーストラリア、ニュージーランドなどに自生しています。最大でも10センチほどにしかならず、グラウンドカバーに向いている植物の一つです。多年草なので、季節ごとにお手入れする必要もありません。プラティアは日当たりのいいところ好みますが、直射日光を浴びすぎると葉っぱが日焼けする可能性があるので注意しましょう。また、プラティアは背丈の低い植物なので、半日陰でも問題なく育ちます。プラティアを地植えする場合は、落葉樹の側、生け垣の側に植えるかしてください。プラティアを鉢植えで育てる場合は、直射日光の強い日には室内に避難させるなどしてください。
エキナセアグリーンツイスターは、2017年発表の新しい品種で、花色が安定し、花茎も太く丈夫な優良種です。ピンクとライムグリーンの配色がビビッドでハイセンスなエキナセアです。早咲きの性質を持ち、春の終わり、初夏頃から咲き始める花は咲き進むにつれて色合いを変化させ、お庭でも目立つところに植えたくなります。適した場所であれば、植えっぱなしで何年も咲き、ほとんど手間がかかりません。基本的に日向を好みますので、日陰は避けてじゅうぶんに陽が当たる場所に植えます。梅雨や夏などの多湿を嫌いますので、風通しが良い場所を選ぶことも重要です。また、強すぎる乾燥、極端な痩せ地では長生きしません。
新芽の紅色が美しく、刈り込みに強く目隠しの調整がしやすいため、生垣などによく使われています。枯れにくく生長も速いので、剪定に失敗したとしても、すぐにきれいな形に仕立て直すことができます。「ベニカナメ」「レッドロビン」「カナメモチ」などと呼ばれますが、厳密にはそれぞれは異なり、「ベニカナメ」は「カナメモチ」の変種で、「カナメモチ」のうち特に新芽の紅が強いものを「ベニカナメ」として区別している場合があります。「レッドロビン」は、洋種「西洋カナメモチ」の事で、「カナメモチ」と「オオカナメモチ」の交配種になります。園芸店で流通しているのは、ほとんどは「レッドロビン」です。「レッドロビン」の方が葉の赤みが強いですが、ぱっと見は区別はつきにくいです。
イヌサフランは多年生の園芸植物で、秋にピンク色のサフランに似た花をつけます。春になると20~30cmほどの葉を伸ばしますが、葉は夏になると枯れ、花が咲くときには葉はありません。球根は直径が3~5cmで寒さに強く、地面に植えたままで何年も花をつけます。植物全体に「コルヒチン」という猛毒を含んでおり、少し食べただけでも下痢や嘔吐、皮膚の知覚減退、呼吸困難などの症状を引き起こし、重篤な場合には死亡することがあります。この毒は、加熱調理しても変わりません。葉をギョウジャニンニクと間違えたり、球根をギョウジャニンニクやニンニク、タマネギと間違えて食べてしまうことによる食中毒が起きています。
マルバシャリンバイは、バラ科シャリンバイ属の落葉低木で、日本、韓国原産の樹木です。シャリンバイは大気汚染や暑さに強いうえ、潮風にも強い常緑性の花木です。海岸線などの道路の緑地帯や公園などによく植えられています。ただし、寒さにはやや弱いです。マルバシャリンバイの花は、白色で梅の花に似ています。マルバシャリンバイと言えば、丸っこい光沢のある深緑色の葉と秋の黒紫の実が印象的ですが、雄しべが少しピンク色で白い花びらの中でアクセントになります。小さい花がまとまって咲く様もとてもかわいらしいです。低木なので圧迫感はないものの、花と実をたくさん付けるため存在感があります。マルバシャリンバイは、花よりも実のイメージが強いと思います。ブルーベリーに似た黒紫の実は花材にもよく用いられます。
クロチクは、イネ科マダケ属の一種で、原産地は中国です。太さは直径2~3cm、節間は20~40cm、1年目は緑色で2年目以降に黒褐色になります。黒い茎が特徴で、その細さから建材や民芸品、筆の軸に使われたりしています。花はイネと同じで、花穂が複数集まった形で付き、一つの花穂から3つの雄しべが垂れ下がります。(雌しべは穎(えい)の中に隠れている)一般的に、竹の花が咲く周期は60年に1度と言われますが、竹については種類によって開花周期が異なるなど定かではない、とても神秘的な植物です。
セイヨウナナカマド(西洋七竈)は落葉樹で、高さは最大40フィート(12メートル)に達します。若木の頃は直立した楕円形の姿をしており、幹は細く、枝は上向きに成長します。年を重ねると、複数の幹を持ち、低く枝分かれする形になります。葉は季節によって黄色から赤紫色に変わり、秋に見事な変化を見せます。開花は5月後半に行われ、その後、夏の終わりから秋の初めにかけて果実をつけます。この果実は鳥に好まれるベリーのような実です。セイヨウナナカマド(西洋七竈)の果実は小さなベリー状の核果であり、直径はおよそ1/3インチ(約8.5mm)です。これらの果実は鮮やかな赤橙色を呈し、目立つ外観を持ちます。未熟な果実は通常固いですが、熟すと柔らかくなります。この鮮やかな色とサイズは、セイヨウナナカマド(西洋七竈)の果実を識別するための重要な特徴です。
モッコクは、モッコク科モッコク属の常緑高木です。「庭木の王様」とも呼ばれています。日本では関東地方から沖縄まで分布し、常緑樹林の構成種となります。分布内であれば、実際に野山で見かけることも少なくありません。両性花が咲く株と雄花しか咲かない株があり、初夏ごろに花を咲かせ、秋ごろに実をつけます。モッコクは以前からツバキ科、ペンタフィラクス科など、所属する科がコロコロ変わっていて、図鑑などで調べるとそれらの科として掲載されていることも多いです。モッコクは古くから庭木として親しまれてきました。三大庭木(モッコク、モチノキ、モクセイ)と江戸五木(アカマツ、イトヒバ、イヌマキ、カヤ、モッコク)というものがありますが、モッコクはそのどちらにも含まれており、昔から利用されてきたことがうかがえます。葉っぱや樹形、果実がとても美しいことに加え、成長が比較的遅く、多少放っておいても枝が伸び放題にならないことなども人気の秘密。庭木としての利用だけでなく、モッコクは材が赤くて美しく、シロアリにもやられにくいということで、沖縄の首里城正殿にも使われています。
クロガネモチは秋から冬に小さな赤い実をたくさんつけ、庭を彩ります。また、実のない時期でも、常緑で光沢がある濃い緑の葉と灰白色の木肌とのコントラストや、紫色を帯びる葉柄や新梢も観賞価値十分です。株は雌雄異株なので、庭に植えて実を観賞するなら雌株ということになります。タネまきで苗を育てるのでは雌株を確保するのに効率が悪いため、苗づくりはもっぱら雄株に雌株の枝をついで行われています。そのため、根元近くから出たひこばえは雄株の枝かもしれないので切っておきます。
クジャクソウとよばれる宿根アスターは菊科の植物で、結婚披露宴のテーブルに飾る花や花束などにも使われています。昭和48年頃から神川町新里地区に導入されましたが、年々栽培が盛んになり、現在では全国随一の産地として発展しています。クジャクソウはシロクジャクやその交配によって育成された品種の総称です。花色は白、ピンク、ブルーがあり、キク科アスター属の宿根草で正式には「宿根アスター」と呼ばれています。
新里地区で切花の生産が始まった昭和40 年代後半、新たに収益があがる品目を探すため、様々な種苗を集める中にシロクジャクがありました。昭和50
年代後半、埼玉県園芸試験場(現在の埼玉県農業技術研究センター) でミケルマスデージーとの交配育種により、花色が白だけでなく、ピンク、ブルーへと広がりました。その後も新里地区では交配育種を続け、現在の主力品種となっている「ホワイトクイーン」のように市場評価が高く、生産性の高い品種が生み出されています。
ユウゼンギク(友禅菊)は、キク科シムフィヨトリクム属の多年草。楚々とした野菊のような風情ですが、北アメリカ原産で明治時代に日本に渡来した帰化植物です。花を茎の先端に密に咲かせる姿が優美で、庭植えや切り花として愛されてきました。園芸品種が多いのもユウゼンギク(友禅菊)の特徴です。ユウゼンギク(友禅菊)の花色は紫が多く、ほかにピンクや白があります。花の最盛期は秋ですが、早生種は6月から咲き始め11月頃まで楽しめます。また、草丈1m以上になる高性種と45cm以下の矮性種があります。耐寒性があり、冬は地上部が枯れたようになりますが、地際に冬至芽を作って翌春に備えています。
マーガレットに似たキク科の植物で、葉が肉厚で光沢があり、茎も太めで全体的にがっしりとした印象があります。日本原産で、関東以北の太平洋岸に自生しています。洋風のイメージのマーガレットとは違い、やや和風な雰囲気があります。ハマギクは、キク科の植物で、青森県から茨城県までの太平洋岸に分布する日本原産の多年草です。海に面した崖地や砂丘に群落を作り、秋にマーガレットに似た白い花を咲かせます。日本の野生菊でもっとも大きな頭状花をつけるハマギクは径約6cmの大きな白花(頭状花序)をつける海洋植物です。海食崖では2-3mの懸崖作りとなって、畑に植えると1mほどの丸い盆栽状になり、満開に咲いたときはみごとです。
トウチクは、中国南部及びベトナムを原産とするタケの一種でトウチク属に属します。日本で栽培されるタケの中では最も節と節の間が長く、節ごとに密生する葉の様子が、大名行列の先頭で振り歩く毛槍に似るため、ダイミョウチクとの別名があります。中国を原産とするため中国の旧国名である唐を冠してトウチク(唐竹)と名付けられました。ただし、日本にも自生があったとする説もあり、原産地ははっきりしません。現在は関西以西の各地で栽培され、庭園や露地の垣根等に使われています。トウチクのタケノコが出るのは5~6月頃で、タケノコの皮は紫を帯び、縁や節には毛が密生します。アク(苦味)が強く、他のタケに比べて特段美味なものではないですが、下ごしらえを十分に施したものは食用とします。タケノコが伸びた後に残る竹の皮には模様がなく、明るいクリーム色になります。
ネズミモチ(鼠黐)は関東南部以西のやや暖地の山林に自生し、かつては盛んに植栽された常緑の低木です。高さは2~3 mになり、枝はよく分岐します。葉は対生で、短い柄があり、花は6月頃に新枝の先に白い小さな多数の円錐花序として咲きます。果実は11月頃に完熟し黒くなります。これがネズミの糞に似ているので俗にネズミノフン、ネズミノコマクラと呼ばれるそうです。このような名前でも戦時中は砕いた実をコーヒー豆の代用として飲まれたこともあるようです。同果実を乾燥したものが生薬ジョテイシ(女貞子)です。
秋咲きでブルーの花色が美しいサルビアです。葉は細長くやや灰色がかっていて見えます。株は長い茎を伸ばしブッシュ状になります。耐寒性があり暖地では冬を越して2年目以降は大きくなります。自然な雰囲気が魅力で、ナチュラルガーデンやペレニアルガーデンの人気により見かける機会も増えてきています。日当たりと水はけ、風通しのよい場所を好みます。乾燥にも強いです。おおむね丈夫な花ですが、多湿にはやや弱いので注意します。寒さに比較的強く、葉が赤くなったり多少落ちたりしますが強い霜を避ければ楽に冬越しできます。放任すると背丈が高くなりすぎるので、初夏~夏に2度程度切り戻すと枝数も増え綺麗に咲いてくれます。自然風の庭に合います。自然な雰囲気が魅力なので整形花壇には向きません。綺麗なブルーの花ですが、単独植栽よりも他の花色と組み合わせた方がより魅力的になります。
トキワサンザシは、花、実ともに美しいので、よく植採されます。小鳥が実を食べ、種を運びます。枝が蔓状に大きく伸び、高さは6mにもなります。短枝は棘状になります。植採後、放置すると藪のようになり、棘が鋭いので、手が付けられなくなります。「5~6月、枝先に散房状に白い小さな5弁花を、多数付けます。葉は互生し、葉身は倒披針形で先は丸くなります。縁には細かい鋸歯があり、両面ともに無毛です。」10月頃、実は鮮紅色に熟し、先端に萼が残ります。試しに食べてみると、味はリンゴのようで悪くはないですが、種子と皮と萼片ばかりが口に残ります。
ツリバナは、北海道から九州までの各地に分布するニシキギ科の落葉低木です。山地や丘陵の林内及び林縁で普通に見られますが、花や果実を観賞するため庭木として茶庭などに使われています。ツリバナの開花は5~6月です。小枝の先端にある葉の脇から吊り下がる花や果実には話題性があり、これにちなんでツリバナと名付けられました。花は直径5~7ミリで中央にある緑色の「花盤」が特徴です。花には5枚の花弁があり、緑白色あるいは淡い紫色に見えます。9月~11月にできる果実は球形で、直径は1センチほどです。花と同じように枝先に吊り下がりますが、こちらは朱色でよく目立ちます。熟すと果皮が五つに裂け、朱色の仮種皮に包まれた五つの種子が顔を出します。開裂した果皮の先端に踏みとどまる様が面白いです。形は違うもののマユミやニシキギに似ています。
本州中南部、四国及び九州に分布するマメ科の落葉樹。古くはカワラフジノキ(河原藤木)といい、川や沢沿いなどの水辺に自生するがその数は少ない。日本以外では中国や朝鮮半島にも分布しています。幹に鋭い棘があることや、大型のマメができることで知られています。棘は枝が変化してできるもので、木の成長に伴って分岐し、長さは15cmにも達します。かつてこのトゲは腫物の膿を出すのに使われ、傷の治りが良いと云います。サイカチの開花は初夏(5~6月)です。短い枝先に直径8mmほどの四弁花を大量に咲かせます。雌雄同株で花には雌花と雄花、そして両性花があるが、年によって雌雄どちらかに偏りがちな性質を持っています。
トリトマの名前で親しまれていますが、トリトマは旧属名で、現在ではクニフォフィア(シャグマユリ)属に分類されています。ボーダーガーデンの後方に植えるとアクセントになる常緑の宿根草で、何本も伸びる花茎の先にオレンジ色の花穂をつけた姿が雄大です。下向きに咲く筒状の花の色が咲き進むにつれて変化する姿を燃えるたいまつ(トーチ)に見立て、トーチリリーの英名があります。野生種の多くは南アフリカの高地に自生しています。日本で多く栽培されているのはヒメトリトマで、花は蕾のときはオレンジ色で、開花すると黄色に変化します。
オトメサザンカはピンク色の可憐な花姿でとっても素敵です。紅葉も過ぎ、落葉した里山に、濃い濃い緑の葉。その中に埋もれるようにピンク色の花が顔を覗かせています。今の時期は、椿も咲いています。バラのような花を咲かせる八重咲きピンクのさざんかです。定番でよく生垣などに用いられます。秋から冬にかけて咲く清楚な花が特徴です。刈り込みに耐えるので、生垣や庭木の植え込みに好まれます。古い時代から親しみのある花木です。
ニオイヒバは樹高15mになる常緑高木で、北アメリカに分布します。品種により香りの強さに差がありますが、葉をもむとほのかな甘さを思わせる芳香を放ち、これが和名の由来となっています。園芸品種では樹高が0.5~0.8m程度の小型のものもあるため植栽しやすく、樹形は円錐形や卵形、球形とバリエーションが豊富で、葉が黄色の品種も多くあります。葉色が黄色の品種は日当たりのよいほうが美しく発色し、冬の寒さにあうと橙色を帯びます。球果は細い卵形で秋に熟し、タネには翼がある点がコノテガシワ属との相違点の一つです。刈り込みにも耐えるため樹形の維持もしやすく、生け垣の素材としても利用されるなど観賞価値の高いコニファーです。