温泉三昧9

 

 

唐松温泉東兵衛屋敷は山と渓流に囲まれた協和健康の森に建つ温泉宿です。安産の神様が奉られている唐松神社から名前を頂戴した温泉は、身体をポカポカと温めます。この温泉の中でもサウナの原型と言われる「釜風呂」は、低温でじっくり発汗できると宿の名物になっています。隣接の東兵衛屋敷は、400年前、銀山を掘り当て長者になった東兵衛の土地に、日本を代表する車社会の創始者の別荘を移築したものです。どっしりとした大黒柱や梁、煙が屋根に抜ける萱葺き屋根の下で、旬の食材を使った郷土料理が楽しめます。

 

強首温泉樅峰苑は、雄物川沿いの田園地帯にあります。何も知らず一見すれば、この大きく古い建物は、お寺にしか見えません。建物はこの土地の豪農、旧小山田家の邸宅をそっくり利用した施設で、大正3年の強首地震の後、三年の歳月をかけて建築されたという事です。さほど大きくない浴槽には適温のナトリウム塩化物質泉が掛け流しになっていて、気持ちよく入浴できました。お湯は粘土が混じっているような黄色で肌触りが良く、濃度が高いように感じました。宿の裏手は直ぐに雄物川の小高い堤防になっています。また、敷地内には小山田家の生活用具や農具を展示している土蔵の資料館も有ります。

 

大仙市大曲は羽州街道の宿駅として、又、雄物川水系の川港町として発展してきた町です。まだ歴史の浅い(平成9年開業)大仙市神宮寺の「かみおか温泉嶽の湯」は、秋田県大仙市にある株式会社神岡ふるさと振興公社が運営する宿泊施設です。浴場には、神岡温泉を引いた大浴場と露天風呂、ラジウム鉱石風呂などがあります。温泉ツウの中でじわじわと人気を集めている天然温泉です。お湯はやや白濁した薄緑の温泉で、舐めるとしょっぱいです。露天の方が内湯よりもお湯が少し濃いように見え、茶色い湯花も浮遊しています。

 

「西仙北ぬく森温泉 ユメリア」は、大綱引きの町刈和野を眼下に望む緑豊かな丘の上に位置し、眺望が抜群で緑豊かな大仙市西仙北地域にある温泉施設です。自然石を生かした展望露天風呂から眺める出羽丘陵と彼方の鳥海山の夕焼けは感動的です。露天ジャグジー風呂が特徴である洋風浴室のほか、当地出身の俳優・柳葉敏郎さんの全面協力によるギバちゃんの素顔に遭える展示ルームがあります。大浴場のほか、数多くの風呂が設備されているので温泉浴が満喫できます。大綱引きの町、刈和野を眼下に望む緑豊かな丘の上からの眺望は抜群で、展望露天風呂から眺める出羽丘陵と彼方の鳥海山の夕焼けは感動的。大浴場のほか、数多くの風呂が設備されているので温泉浴が満喫できます。秋田の郷土料理も楽しめます。

 

秋田の大仙市南外にある松木田温泉は、古の昔から、名湯岩倉温泉や湯の神温泉で名を知られた「なんがい」は、その泉質の効能は広く知られ、身体のリフレッシュや人と人との温かい交わりを求め、今も真の名湯の道を歩いています。平成17年に旧南外村は市町村合併に伴い大仙市となりました。今では大仙市南外という地名にあり「なんがい・ふるさと館」となっています。泉質にはリューマチや神経痛、婦人病などに効能があると言われており、週末や休日は地域内外の利用客で賑わいます。いわゆる「冷えの湯」なので湯上りは爽快で長湯に向いています。浴槽は10人サイズ程度の大浴槽と、打たせ湯兼浴槽の2つで、大浴槽は角に湯口あり、湯がジャバジャバと出ています。湯口から離れた位置にジャグジーあります。ちょっと固い感じの湯触りで、加温無し、加水無し、循環有り、消毒有りとの事です。飲んでみると芒硝の味を感じ、少しだけ塩素消毒の匂いがしました。見た目は無色、透明です。

 

協和温泉は大仙市の協和地域にある温泉地です。緑豊かな山間に建つ温泉で、大浴場を囲むように庭園が広がり、四季折々の景色を眺めながら湯に浸かることができます。こぢんまりとしていながらも、飾らないアットホームな雰囲気が魅力の公共の宿です。秋田ののどかな山あいの農村の雰囲気が感じられるロケーションも楽しめます。お風呂は、内風呂とドライサウナがあるだけで、とてもシンプルな施設です。小さめの温泉も、内風呂には窓がたくさんあり、光がいい具合に差し込むようになっています。浴槽の周りには鏡が張りつめてあるので、自分の体型をチェックでき、ダイエットやらないと!という気持ちにさせてくれるのが嬉しいです。お風呂の真ん中が、バイブラバスになっていて、泡ブクブクで気持ちよくマッサージしてくれます。お湯は色も匂いもなく、味もなかったです。温度はぬるめで長湯に向いています。

 

栗駒国定公園の山懐に抱かれた秋田県東成瀬村は、栗駒の恵みをいただいた水と緑の豊かな大地です。成瀬川には清流のシンボルホタルやイワナ、ヤマメが生息し、あちこちの支流で渓流釣りが楽しめます。東仙歩は、横手市十文字で国道13号線から国道342号線に入っていき、国道397号線との分岐点手前にあります。施設の真下に清流が流れています。満点の星空は、1999年環境庁より「星空日本一」に認定されました。東仙歩の目玉は大浴場にあるド迫力の岩風呂です。10トンを超える岩をくりぬいて作った巨大な浴槽は必見です。浴室の手前に普通の浴槽(四角い石とタイル張り)があり、その奥に小さめの岩をくり抜いた浴槽。そして一番奥の高い位置に目玉の岩風呂になっています。右手にある手すりで岩を登っていかないと危険です。お湯は綺麗でちょっと温めです。長湯できそうな温泉でした。



 

栗駒山荘は、栗駒山登山口にあり、登山基地としても賑わいをみせています。オープン期間は、5月中旬~11月上旬です。ご覧下さい!この大自然のパノラマを!全室から出羽富士・鳥海山を望む絶景のロケーションが魅力の雲上のいで湯です。展望大浴場は標高約1100m 栗駒山の裾野に広がる須川高原の大自然が一望に見渡せる大パノラマ露天風呂です。開放的で野趣あふれる出湯からは、左手に「秣岳」、右手にブナの原生林が茂る「野鳥の森」、眼下に「イワカガミ湿原」、そして山と森の稜線が交わる正面中央に出羽富士「鳥海山」と雄大な自然が心に残る情景です。また、夜になると空から降り注ぐような満天の星空が間近で楽しめます須川温泉は、「日本三大実録」に873年の事として、酢川という名が残されています。当時は秋田県側に流れていましたが、江戸時代の初期に秋田藩が引湯を拒否してからは人工的に岩手県側に流れを変えて現在に至っています。江戸時代には丸太と笹や萱でこしらえた笹小屋が建っていましたが、1930年代ころまでに全6棟、約300名が収容可能な湯治宿となりました。1958年に国民保養温泉地に指定されました。

 

猿倉温泉は秋田県南部山形県との県境に位置し、鳥海山(2236m)のふもとに有り鳥海登山の足場として利用されてきた温泉です。春には水芭蕉の観賞や山菜採りが楽しめます。鳥海山は日本海に面した美しい形の休火山のお山です。見る方向によって山の形が変わり、山形県側から見るとおおらかで優しい山に見えますし、秋田県の象潟当たりから眺めますと荒々しい表情のお山になります。猿倉温泉鳥海荘は1997年に立て替えられ立派な施設になりました。鳥海山やまの宿で、閑静な田園地帯に建つ庶民的な温泉旅館です。

 

鳥海山の周辺には、万年雪や湧き水によって、豊富な水量を誇る名瀑や、湿原が多数存在し、周辺地域では水に困ることは殆どありません。また同時に活火山である鳥海山の恩恵は、温泉となって周囲の人々を癒してきました。猿倉温泉郷は、由利本荘市南端、鳥海地域にある温泉地帯です。間近に迫る鳥海山は圧巻の迫力です。登山道やスキー場、鳥海高原にも近いことから、旅行やレジャーの拠点としても利用されています。ホテルフォレスタ鳥海は、豊かなブナの緑に囲まれた秋田のナチュラルリゾートホテルです。フォレスタのみに供給される猿倉温泉3号井の温泉の浴室は、どことなくアブラっぽい香りがあって、塩素感はありません。お湯は無色透明です。湯口の対極底部に循環吸入口、湯口付近底部に循環排出口があって、そこで濾過してるようです。湯口からもそこそこ湯量投入していて、オーバーフローさせてるのでお湯はきれいです。肌にやさしいトロトロの触感はそのままに、成分がより濃厚になり、体の温まり効果が高まりました。

 

由利本荘市の東由利地区に平成7年11月にオープンした道の駅「黄桜の里」は、横手市と由利本荘市市街地とのほぼ中間に位置し、また、平賀・雄勝地域にも県道が延び、県南交通の交差点になっています。和風で落ち着いた造りの黄桜温泉「湯楽里」は、天井や壁材に檜を使用しています。最もこの地域は森林資源が豊富です。黄桜ってどんな花?黄桜と言いますから、菜の花やレンギョウのような黄色い花を想像しますが、どちらかと言いますと薄緑色が混じった白い花です。しかもソメイヨシノと違って葉が開くのと同時に花が咲くので、遠目には全く目立たない、ひっそり控えめなまるで恥じらう乙女のような花なのです。

 

伝承三百年、猿倉の里にやすらぎの湯の香あり。ホテルまさかは、鳥海山を間近に望み、拔川への宿泊基地、農林漁業や田舎の生活体験、郷土料理を味わったりすることができる宿です。300年前ものいにしえの時代から、この湯に伝わる幻湯「子宝の湯」泉質は幅広い効能をもっています。中でも、子宝に恵まれないでお悩みのご夫婦に人気で、人々の湯に浸かったら、後はめでたし、という秘話が数々あるそうです。

 

鶴舞温泉は、由利本荘市の本荘公園御手作堤の前にある公共の施設(国民宿舎の閉鎖後、平成6年に完成した市営の施設)です。由利本荘市には数少ない入浴施設のために、多くの利用客で混雑しています。施設は、瓦葺きの重圧な和風建築が印象的です。又施設からは本荘城の史跡公園が望め落ち着いた心地で入浴が楽しめます。市内で最も大きな温泉として市民をはじめ、県内外の顧客でにぎわっています。

 

施設の位置は、本荘、大曲、横手に30Km位の所で、山の奥の一家宿です。山里ののどかな風景に佇む一軒宿で、以前は天然硫黄泉でしたが、現在は泉質が変わり、天然水のお風呂のようです。この水をボイラーで沸かしお風呂に使い循環させて利用しています。お湯の循環部には玉川温泉の焼山石を利用し、ラジウムやマイナスイオンを発生させています。しかし昔ながらの湯治場として地元の人に愛されているらしく、日帰り入浴の人も結構多いようです。旅館の前に小川が流れかっぱの伝説が残っています。一見すると旅館には見えない佇まいで、玄関で声を掛けると受付から御主人が対応、入浴のみか休憩込か聞かれ入浴のみの350円を支払う。お風呂の場所を教えてもらい奥へ進みお風呂へ。お風呂は4人入れるかどうかのこじんまりしています。無色透明の湯でかすかにぬるぬる感があります

 

国道7号線の秋田県本荘市から秋田市へ向かって日本海沿岸を北上すると、国道より少し下った所に風力発電の風車の有るカラフルな建物が目に入ります。岩城アイランドパークです。施設には、うまいもの処活魚センター・産直コーナー売店レストラン等があり、最後に「港の湯」があります。浴槽からは日本海が一望でき、晴れた日の夕方は素晴らしい夕陽が望めると思います。温泉は白みがかった黄色い色の湯で、塩分が強く、鼻をつく薬品臭が感じられました。

 

国道7号線、西目高校前交差点にある大きな看板が目印で、周囲を緑で囲まれた「かしわ温泉」は、昔から地域の人々の湯小屋として親しまれて来ました。平成9年11月22日にオープンした温泉で、当町中沢地区の自然豊かで閑静な場所にあり、"釜さの湯っこ"と親しまれています。近くから湧き出る源泉を温めていますが、とっても肌にやさしく、「とにかぐぬぐだまる」と言われております。「かしわ」というのは大昔に西目の海岸沿いに柏台という村があったそうなのですが、大地震で陥没して村が崩壊した時に、生き延びた村人が今この温泉がある周辺に集落を築いたそうで、その昔の村の名前に由来しているとの事です。この温泉で一番の紹介したいのが、脱衣場に貼られている温泉の泉質・効能書です。泉質までは普通なのですが、効能のところには、「とにかくぬぐだまる」と書かれており、効能にこのようことが書かれている温泉は全国でも他にはないのではと思うほどユニークな書かれ方です。玄関の横には「ぼけよけ地蔵尊」があり、定期的にぼけ封じのイベントなどが開催されているようです。

 

道の駅おおうちには、宿泊施設や温泉、レストラン、物販コーナーを備えた総合交流ターミナル「ぽぽろっこ」や情報提供施設、出羽伝承館などがあります。国道105号線沿いに、2000年4月に誕生した新名所「はーとぽーと大内」内の「ぽぽろっこ」は、イタリア語で「人々」の意味です。JR羽後岩谷駅と連絡自由通路「ぽぽロード」でつながる施設内には、サウナ・露天付きの温泉「楠の湯」があります。また施設には新鮮な野菜や、地元の特産品が購入出来る産直店が併設しています。

 

秋田県由利本庄市、国道7号線と本庄マリーナの間、歩道橋下のちょっと分かり難い看板を奥に入るとこの温泉があります。ここは、2005年4月にオープンした、小奇麗なセンター系の温泉です。浴室は約10人が入れる主浴槽と真湯のバイブラ、サウナ、水風呂で構成されています。お湯は鶯色がかった黄土色で,強めの塩味とともに油臭があり,とても良く体が暖まります。施設内は県産材の秋田杉をふんだんに使用し、木材のもつ柔らかさやぬくもりが感じられる空間を創出しています。

 

遠くに奥羽の山並みが一望できる小高い丘の上にある温泉施設です。3階のパノラマ大浴場から、その景色を一望することができます。全館バリアフリーで大変利用しやすく、内装は木の香漂う和風造りです。温泉への入浴のほかに、館内では宴会や宿泊のご利用もできます。上層階にある ここのお風呂は、日が燦々と入る大きな窓のお陰で、開放的な広くて明るい内風呂に、遠くに山々が霞んで見える程の広い視界が確保されています。バルコニーの眺望露天風呂は、足元には青々としたグリーンが広がっていて、オールシーズン楽しめるつくりになっています。春先や真夏は特に気持ち良さそうです。減泉は、ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉で、無色透明な源泉は、ちょっと塩辛く、とても暖まると評判です。

 

道の駅ネムの丘から国道7号線で日本海を北上すると、仁賀保市街地があり、仁賀保駅の近くに神の湯はあります。神の湯の周辺は、道幅が狭く、一方通行もあるので、ナビだけが頼り、隣に妙正寺というお寺があるので、そこを目標にして進み、車は、お寺の入口のところに停めます。住宅街の中にあるので、地元の人にとってはまさに銭湯のような温泉のようです。浴室は、手前にジェットバスがあって、その奥に桧風呂があります。右側には銭湯らしいシャワーとカランが備わった洗い場が壁に沿ってあり、一番奥へ行くと露天風呂もあります。露天風呂は3人サイズ程の大きさです。露天風呂浴槽の一角は電気風呂になっています。高い塀に囲まれていて、それほど解放感はありませんが、清々しい空気を浴びることが出来、気分よく入浴できました。湯は濃い茶褐色透明で、浴槽の底がなんとか見えるか見えないかぐらいの濃い色をしています。味は薄塩味。湯温は浴槽によってそれぞれ若干の違いはあるものの、適温にされてました。内湯ではそれほど感知出来なかったのですが、露天風呂では油臭が僅かに漂っていたように思えます。

 

鳥海山の麓、海からも近い秋田県仁賀保市の里山の風景の中に金浦温泉 学校の栖は建っています。門のところに「大竹尋常小学校」の文字があります。実はこの温泉、明治7年から昭和55年まで小学校が建っていた場所なのです。統廃合で廃校になったこの場所を買い取り、温泉施設にしました。金浦温泉は昔から「硫黄谷地温泉」と言われ、昭和初期には私設の湯治場も有り繁盛していました。金浦温泉は日本海側には珍しい硫黄泉の温泉ですが、併せて世界的に稀少価値のある有名なラジウム鉱泉もあり温泉療養効果を高めております。

 

仁賀保町は秋田県南部に位置し、日本海に面していた町です。2005年10月1 日に由利郡金浦町、象潟町と合併し、仁賀保市となりました。この町は、秋田県で、「もっとも早く、春が来る町」といわれ、冬場でも、さほどの積雪がありません。いちゑは、日本海に面した仁賀保市にあり、温泉旅館を100年近く営んで来た老舗です。大浴場「眺海の湯」は、豊富な湯量と、肌にやさしい泉質の仁賀保温泉です。自然がもたらしてくれた恩恵を楽しめます。「茜の湯」は、香しい檜風呂です。温泉に、檜から出る成分(ヒノキチオール)がプラスされ、いっそうリラックスできます。また、各大浴場(眺海の湯、茜の湯)の外に、露天風呂があります。自然と一体になったような心地よさ。冬季間はしんしんと降る雪を楽しめるのも、露天風呂ならではです。

 

明治4年(1871年)の廃藩置県を経て本荘県から秋田県に編入され、明治9年に赤石村と合併、明治22年の町村制施行に伴い金浦・大竹・前川・飛・黒川の5村が合併し金浦村となり、さらに明治35年(1902年)6月4日に町制を施行し、金浦町となりました。こんな歴史ある金浦町も、現在は仁賀保市になっています。国道7号線沿いの丘の上にある温泉保養センター「はまなす」は、海に面した国道沿いに建つ庶民的な温泉宿泊施設で、三角屋根の開放的なエントランスとロビーは、明るいコンテンポラリーな雰囲気です。天然温泉掛け流し100%の鳥海山と日本海に囲まれています。豊富な湯量を誇る塩化物強塩泉で、ありのままの自然に囲まれた露天風呂でゆっくりと旅のつかれと心を解きほぐし、潮騒を枕にくつろげます。それぞれに湧出地の異なる源泉かけ流しの天然温泉は、薄茶を帯びた色の温泉で、浴場は日替わりで男女入れ替えです。

 

象潟は、秋田県の最南端にある町で、海の底から生まれた町です。いにしえの象潟は、有史以前、鳥海山の激しい火山活動により海にせり出した半島のような地域であったと言われています。その後幾つかの地震に見舞われ、特に嘉祥3年(850年)出羽国一帯を襲った大地震によって海岸線が大きく陥没し、象潟はすっかり姿をかえてしまいました。さらに、軟らかい火山灰は海水の浸食に洗われ、火山岩の硬い部分が島々として残りました。ねむの丘の温泉は4階にあり、日本海を一望できる展望温泉となっています。晴れた日には遠く男鹿半島まで見渡せ、また美しい夕陽も見ることができます。

 

羽州温泉「太古の湯」は昭和55年ボーリング温泉掘削、自噴により開湯しました。泉質は俗に「かん水」「太古の海水」と呼ばれています。数千万年前の地殻変動により、地下に閉じこめられた海水です。悠久の時を経て、まさに今、地球資源の恵みを受けています。この「太古の海水」温泉の特筆すべき点は、他の温泉分析表ではめったに見ることが出来ないヨウ素イオンが49.3g/kg含まれている事です。ヨウ素と言えばヨウドチンキやイソジン液、レントゲンの造影剤など医薬品として利用され世界でも貴重な地下資源なのです。まさに今、地球資源の恵みを受けています。国内では主に秋田県、新潟県、千葉県、宮崎県にて産出しています。

 

俳句の偉人松尾芭蕉が『奥の細道』の旅で訪れた最北の地、「象潟や 雨に西施が ねぶの花」と詠んだ名勝象潟の海岸に位置する[さんねむ温泉]は、2015年4月リニュアル、夕日を眺めながらの天然温泉は美人湯としても有名です。名峰鳥海山を眺めながら天然温泉を楽しむ展望風呂などがあります。浴室は、中くらいの大きさの湯船があり、そこに冷泉を加熱した湯が勢い良く注がれ、かなりの量でオーバーフローしています。風呂場はひとつしかなく、露天もありませんが、泉質は良いので入る価値あります。大浴場が海側と山側に向けて二ヶ所あるのがおもしろいです。どちらのお湯も硫黄鉱冷泉で、硫黄の臭いと薄く白く濁ったお湯が特徴的です。この硫黄の臭いが温泉らしさを演出してリラックスできます。海側は日本海に沈む夕日を眺めながら入れるし、山側は鳥海山の素晴らしい眺望です。湯の花なども浮いており、温泉は堪能できました。

 

背後には鳥海山がそびえ、周辺には湧水や滝の名所もある温泉宿の鶴泉荘は、その名の通り、むかしむかし鶴が浸かって傷を癒していたとか言ういわれのある温泉(鉱泉)を沸かして湯船に流しています。微妙に硫黄の香りがしないでもない、ちょっと湯の花と黒い砂利みたいなものが漂うお湯です。内風呂のみのシンプルな温泉ですが、窓越しに雪のたっぷり積もった鳥海山を眺めることが出来ます。浴室は小さめで、一度に10人程度が利用できる広さです。両側にカランが合計で5つほど並び、使い勝手が良く、浴槽のお湯は加温循環利用されており、衛生管理をしっかり行っています。