温泉三昧25

 

 

水上駅から約2km利根川を遡った地に湧く温泉で、かつては地名から大穴温泉と呼ばれていましたが、「うのせ」温泉と改められました。「うのせ」温泉は、水上温泉から僅か3kmほど国道を下った谷川の麓に広がる静かな温泉地です。山と渓流が描き出す四季折々の自然景観こそ、この温泉地の最大の魅力でしょう。水上五峡のうち「紅葉峡」に近く、渓谷美が見事な中規模の温泉は、毎分260ℓ湧き出る自家源泉で湯量豊富です。各宿とも露天風呂での湯浴みが満喫できます。谷川岳の紅葉シーズンなどに賑わいを見せる温泉地です。

 

谷川温泉は雄大な谷川岳を目前に豊かな森の中にあり、谷川の清流に沿って広がり自然を肌で感じれる静かな温泉地です。川辺の露天風呂、渓流のせせらぎ、河鹿の鳴き声など自然を満喫することができます。住民は景観条例によって家の屋根や壁の色にまで配慮し、その自然の美しさを守り続けている地域です。夏でも涼しく、さわやかに渓谷を吹き抜ける風が心地よく、避暑地には最適です。

 

みなかみ町に、外国人観光客も殺到する秘湯があるのをご存じでしょうか。有名映画のロケ地に使われ、世界的に有名なガイドブック「ロンリープラネット」で「日本の温泉トップ10」1位に選ばれた名湯は、“天下一の大混浴露天風呂”そんな超有名温泉を有する旅館「宝川温泉 汪泉閣」利根川の最上流、手付かずの大自然の中、宝川の渓流沿いに立つ一軒宿の宝川温泉です。この温泉がテレビに出ることは珍しくありません。広さ、川をのぞむロケーション、季節ごとの自然の移り変わりを楽しむには、このお風呂は最高です。立ち寄り入浴料金はかなり高いですが、首都圏のテーマパーク風温泉に行くことを考えると、それほど高くないように思えるのが不思議です。

 

法師温泉は新潟県との県境、国道17号線沿いに点在する「猿ヶ京」温泉郷の最深部、三国峠の山麓にある秘湯です。長寿館が全国的に知られるようになったのは、熟年夫婦をターゲットにした旧国鉄の割引切符「フルムーン」の宣伝ポスターの写真が、ここの法師乃湯で撮影され、全国の駅舎に貼られたときからです。渓谷沿いの建つ風格ある上品な温泉旅館で、明治8年築の木造の本館、明治28年築の本館北側の温泉棟、昭和15年築の別館は国の有形登録文化財に登録されています。川底から湧き出す硫酸塩泉の温泉は、アーチ窓を設けた鹿鳴館様式の内湯(混浴)、総檜の露天風呂付き大浴場、足下湧出の露天風呂付き大浴場(女性専用)に注がれています

 

赤谷川上流の渓谷に建つ一軒宿の川古温泉浜屋旅館は、古くから「川古のみやげは一つ杖をすて」と詠われた湯治の名湯です。神経痛やリウマチなど様々な効能があることから、温泉療養のために長期滞在されるお客様が多く訪れてきました。ぬるめの温泉に長時間入浴することを特徴とし、日々のストレスや疲れなどにも効果があります。山ちゃんの温泉巡りの原点の宿で、ここでの一週間の湯治がスタートです。谷川岳の裾に位置し、関越自動車道・水上ICから国道17号線で水上町方面へ4kmほどで県道270号線へ入り10kmほどで案内板に従って右折すると広河原温泉の奥にある一軒宿の「川古温泉濱屋旅館」があります。

 

谷川岳の懐に抱かれ四季を通して活気に溢れる湯の町水上温泉は、時を超え沸き出でる温泉はどこまでも透明で美しい光景が望まれます。上越線水上駅から徒歩10分温泉街中央にあります。水上温泉は、一時期、関東有数の歓楽温泉として賑わっていたが、現在の温泉街にはホテルの跡地やシャッターの閉まったお店など少し寂しい雰囲気がただよっています。 ふれあい交流館は温泉街の中心部に2004年の7月にオープンした施設で、それまであった「ふれあい茶屋」をリニューアルしたものです。浴槽は、6~7人くらい入ればいっぱいになるような広さです。奥の箱のような給湯口からは、熱いお湯がちょろちょろと注がれています。それも湯は間歇泉のように出たり止まったりしています。無色透明で無味無臭で、やや「ツルッ」とした浴感です。水上のお湯は一気にあたたまらず、なんかこうワンテンポ遅れて「ドワッ」と汗が噴き出します。

 

水上温泉街から「猿ヶ京」に抜ける道沿いの、関越高速の赤く高い橋の真下に、2009年オープンの新しい施設です。毎分445ℓ湧出の源泉が掛け流しで味わえます。浴室は、入り口傍には源泉が溜められた掛け湯用の桝も置かれています。内湯は15人程なら余裕で入れそうな大きな加温槽と、7~8人サイズで、深さがへそ上まである非加温槽の二つです。何れも大きなガラス窓に面しており、内湯でありながら開放感溢れる造りです。循環・加水・消毒は無く、浴槽の縁からお湯がふんだんにオーバーフローしています。無色透明で明瞭な石膏味とタマゴの匂いが感じられ、弱いスベスベ感の中に石膏泉らしい引っかかりが混在する浴感です。長く入っていても温度的なストレスが全くありません。階段を下ってトンネルを潜ると、露天風呂にも入れます。ちょっと歩かねばならないので、気温の低い時期には思いっきり湯冷めしそうです。露天風呂は渓流の傍に設けられ、砂防ダムっぽい滝が目の前で轟音を立てながら落ちています。加温ながらこちらも掛け流しで、程よい湯加減でした。

 

水上温泉郷の一番奥、奈良俣ダムの堤防近くにあります。 タヌキの宿として有名な旅館「洞元荘」のドライブインも兼ねた日帰り入浴施設です。かつては尾瀬への登山口として知る人ぞ 知る秘湯と呼ばれていた温泉です。露天風呂は70mほど離れた河原にあり、湯小屋入口には3mほどの仁王像2体が睨みをきかせている。なるほどそれでここは 「仁王の湯」 なんだと理解できます。川の渓流で、その先に洞元荘と裏山の紅葉が控えておりなかなか絵になる景色です。

 

新潟との県境に位置する、秘湯と呼ぶにふさわしい水上温泉郷湯の小屋温泉の龍洞は、清流と雄大で優しい樹々に囲まれた1軒宿です。龍洞は群馬 水上の標高800mの山の中の秘境に位置し、自然を満喫しながら、野趣溢れる18箇所の露天風呂で湯巡りをお楽しめます。広大な敷地の中に18種類の貸切露天風呂があり、宿泊すると無料で24時間入浴可能なのが特徴です。露天風呂は大きいものでは20名近く入れるものもあり、とても贅沢な気分にひたれます。全ての露天風呂が源泉かけ流しというのも嬉しい。天然温泉100%の源泉は、種の弱アルカリ単純泉なので、それぞれ微妙に異なる湯の感触が楽しめる。泉質は上々で、入浴後はお肌がスベスベになる美肌効果もあります。施設にある全てのお風呂にはいり、それを証明するスタンプを押すと、チェックアウト時、素敵なプレゼントが用してあります。

 

ホテル湖城閣の建つ現在の地は、その昔、宮野城の砦の位置です。上杉家の城代で知高左馬亮景家の居城は、尻高にありました。天正二年に武田家の武将海野三河守の軍勢に攻撃され、尻高城は陥落し城主景家は討死しました。景家の子義隆は親の言に従って再起のため退き、「猿ヶ京」に逃れ、此の地に宮野城の砦を築き立て籠もります。「湖城閣」は、赤谷湖の湖畔、緑豊かな地にあり、源泉100%掛け流しの湯を引いており、常時新鮮な湯を楽しむことができます。それだけでなく、様々な趣向を凝らした温泉は大変好評です。湖城閣の自慢は趣向をこらした露天風呂です。湖を見下ろすように、岩風呂があります。酒蔵の大樽で作った大樽風呂、太い丸太をくりぬいた寝湯、一人用の釜風呂などがあります。10年ほど前に露天風呂を大幅に改装して、岩風呂、樽風呂など変化に富んだ混浴露天風呂にしています。そのほかに男女の内風呂があります。露天風呂から夕暮れの湖を見て、ぬるめのお湯に浸かって、だんだん暮れていく空を眺めると疲れがとれていきます。

 

古代のいにしえから関東と北陸を結ぶ三国街道の交通の要衝として栄えた「猿ヶ京」の地は、江戸時代には関所が設けられました。明治時代に入って赤谷川沿いの笹の湯、湯島温泉と呼ばれ、谷あいの湯治場として賑わいを見せました。その後、これら温泉場は昭和33年群馬県によるダム建設のために赤谷湖の底に沈んでしまいます。これらの温泉旅館はその後場所を移し、温泉の名前も改め生まれ変わったのが現在の「猿ヶ京」温泉です。当地に「お発ち飯」なるものがありますが、「お発ちめし」とは上杉謙信公が戦に出る前にありったけの山海の珍味を兵士のみならず城下の者までふるまった時のご馳走のことを言います。火坂雅志先生の「天地人」に記述された越後の郷土料理を参考に栗おこわと紫蘇のお握りを選んで「猿ヶ京」中の旅館で出しました。「猿ヶ京ホテル」の温泉は、源泉掛け流しの大浴場は、高い天井で開放的な明るい雰囲気で、岩風呂や檜風呂、泡風呂などいくつも浴槽が分かれています。外へ出ると、これも源泉掛け流しの露天風呂があります。大きな岩石で縁取られた大きな岩風呂が2つあり、それぞれ熱い浴槽とぬるい浴槽に分かれています。

 

万座温泉の歴史は古く、最初の発見が誰によってであるかは、今でも明らかではありません。「熊四郎岩窟」からは、弥生式土器などの出土品が発掘されています。このことは、すでに400年もの昔から万座に上級武士が来訪し、万座温泉が多くの人々に利用される共有の温泉であったことがわかります。海抜1800mの高山温泉郷・万座温泉は、軽井沢の奥座敷として、昔から沢山の人が湯治に訪れています。大自然の中で湧き出る泉質は全部で27種類あり、なめらかな乳白色のお湯は、疲れた体にまとわりつき疲れが和らいでくるようです。

 

万座温泉は日本百名山の草津白根山の頂上近い標高1800mに湧く日本でも有数の高所温泉です。硫黄成分が濃い温泉があるとして有名です。万座の中心に位置し、渓流に面した名物「石庭露天風呂」が自慢の宿です。豊かな湯量と泉質の良さで知られている高原の温泉です。万座温泉は江戸時代末期より湯治場として発展したが、現在では万座スキー場とともにリゾートとしても人気があります。万座高原ホテルは、以前「万座高原ロッジ」という名前で親しまれていたホテル。プリンスホテル系列の宿泊施設です。

 

尻焼温泉は、長笹川の川底から湧き出す温泉で、その広さで有名です。川の上下に堰を作ってお湯がたまるようになっています。この野天風呂の岩や石は滑り易いので要注意です。山ちゃんは服を脱いで裸になり恐る恐る川に入って行きましたが、いきなり!すってんころりん!「わぉー」って大声あげましたら、注目の的になってしまいました。尻焼温泉の名の由来は、一番的な説として、川底の石に腰を下ろして川底から湧出する温泉で痔を治した事から、尻焼温泉と呼ばれるようになりました。

 

中之条から沼田に抜ける国道145号から少し入った山里にポツンとある600年前から続く古湯です。ここに温泉旅館があるのかと思えるほど、山間の田んぼの中、後ろに山を背負う静かな環境に立つ民家といった佇まいです。上州の山懐に抱かれたぬる湯の「微温湯」で有名な一軒宿です。源泉が岩肌から滝のようにふりそそぐ混浴の内湯が名物です。国道から案内板が要所要所にあるので案内に従って行けばたどり着きます。浴場は、右手前に2名規模の小さいぬる湯槽、右手奥に5名規模の大ぬる湯槽があります。それぞれに無色透明のお湯がかけ流しされています。微妙にぬくい(体温と同じくらい)温度なので幾らでも長湯できます。露天風呂は、奥の扉から外へ出て植え込みの中を進みますが、多少の目隠しがあるとはいっても、「半もろ」見えって感じで石段を下りた半地下風のところに15名規模の空色のタイル張り露天風呂がありました。そして混浴です。こちらもぬる湯で、これといった強い特徴はないお湯ですが、匂いを嗅いでみると温泉らしい温泉の匂いがしました。

 

群馬県にある沢渡温泉は、約800年も前の縄文文化が栄えた頃から既に温泉が湧いていたという場所です。「まるほん旅館」は経営難のため閉鎖しようとしたところ、その温泉が大好きだった銀行員の方が養子縁組をして存続しているというなんとも素晴らしい温泉旅館です。浴室の中央に踊場がって、急な階段で浴室に下りた先は、すべて白木の板でできた木造の浴舎です。2つの浴槽があって、一段高いところに脱衣場があり、男女の別はなく混浴です。お湯は無色透明、とてもクリアーなお湯で、ポツリと細かい湯花が漂っています。左手の浴槽は石臼を使った湯口で、熱い湯が流れ込んでかけ流されています。熱めでトロリトした感じのお湯は、弱くキシキシ感があり、お湯を飲んでみると薄いダシ味があって飲み易かったです。右手の浴槽はややぬるめのお湯が注がれていました。高いところの窓から日が入って、少し暗めの浴室はとても落ち着きます。木のぬくもりがあって、しつこくないさっぱりした泉質のお湯に浸かっていると心からリラックスできます。

 

四万川のほとりにある、町営の日帰り温泉施設です。四万温泉は豪華な旅館で有名ですが、気軽に入れる日帰り温泉もあります。清流の湯は四万温泉に一つだけの日帰り温泉で、四万温泉街の入り口にあります。道路から見ると四万川の対岸にあって、狭い橋を渡って行きます。景観にマッチした和風の建物でなかなかよいです。1996年にできた比較的新しい施設なので、清潔で快適です。浴室は内湯、露天とも広々としています。特に露天風呂は四万川を見下ろせる位置にあり、景色がいいです。お湯は塩素臭がありますが、透明で綺麗な温泉です。お湯は澄んでいてさらっとした感じ、四万温泉のお湯を感じます。男湯の露天風呂は四万川の川岸にあって周囲の景色がよく見えます。お湯は適温で、のんびり浸かって山の緑と川の音が堪能できます。女湯は山側にあり、林に囲まれて森林浴になります。内風呂も窓が大きく開放感があります。露天風呂には打たせ湯もあります。

 

大江山の鬼、酒天童子の逸話は有名な話です。京の町を荒らしまわる鬼の一味を源頼光以下、四天王と呼ばれる武者たちが、山伏に扮し退治に出かけました。四天王のメンバー構成は、渡辺綱、坂田公時、碓井貞光、下部季武の四名。このうち碓井貞光が四万温泉発祥伝説の主人公です。上州と信州の境である碓氷峠の出身とも伝わる碓井貞光が、この地で仮寝の宿をとった折り、その夢枕に童子が立ち、お前の忠誠心に感じ入り、ここに四万の病に効く霊泉を授けようと教えてくれたのがこの御夢想の湯だと伝わっています。御夢想の湯は、四万温泉に3つある無料共同浴場のうちの1つで、一番上流にあります。木造建ての施設の外観は、重厚な門構えで、どこかのお屋敷にでもお邪魔するような雰囲気です。浴室は、脱衣所から階段を下りて向かいます。浴槽は小さく、実際に経験があるのですが、3人が入浴するのが限界です。温泉は無色透明で、加水するための水道とホースが備え付けられていますが、湯温は適温で、加水する必要はありませんでした。最高の温泉に浸かりながら、窓から見える美しい自然が、ゆったりとした気持ちにさせてくれます。四万温泉の無料共同浴場で1番だと思います。

 

四万川ダムの建設により日向見にできた奥四万湖は、周囲の自然ととけ込んで、人造湖とは思えない豊かな景観になっています。その湖を見下ろす畔にある日帰り温泉施設がしきの湯です。露天風呂はありませんが、窓辺に広がる風景は開放感抜群です。アメニティは充実していて、ぶらりと立ち寄っても困りません。「こしきの湯」はそれほど大きな施設ではないですが、小奇麗な三角屋根の建物です。浴槽は石とタイルのごくシンプルなもので、窓は広く取られています。一部開閉可能な窓の外は奥行きのごく狭い庭のようなスペースがあり、その向こうに柵があり、そのまた向こうが奥四万湖です。明るい青緑の水をたたえた、いかにもダム湖という谷間がそのまま沈んだような形をした湖です。お湯は無色透明で、臭いはほとんどありません。きりりと端正で硬質ですが主張の少ない印象の湯です。飾り気のないこの施設に似ています。源泉が浴槽の縁からは順次掛け流されていく様は、まぎれも無く本当の意味での贅沢な温泉です。

 

四万温泉は古い温泉場です。鎌倉時代に発見されたとの話もありますが、江戸時代に開湯されたとの事です。四万温泉は、四万川に沿ってお湯が湧出し、上流から日向見、ゆずりは、新湯、山口、温泉口と地域別に分かれます。共同浴場(含む日帰り温泉施設)は6ヶ所あり、上の湯は山口地区の中程で旅館にはさまれて、国道に面しています。階段を5~6段あがって、手前が男湯、奥に女湯があります。小規模ですが綺麗なお風呂でした。浴室は、小さな木枠の浴槽が2つ壁際に並んでいます。その浴槽には源泉が常にかけ流され、静かな浴室内でその湯の注がれる音だけが響き渡っています。キラリと輝く無色透明な湯は見るからに熱そうで、手を浸けてみるとそれは現実でした。温泉成分により幾分その熱さは和らげてくれます。ゆっくり浴槽に浸かる高い温度の割りにゆったり浸かることができました。泉質は薄い食塩系のサッパリした浴感でわずかにツルツル感もあります。源泉の注がれる近辺からは淡い温泉のアロマも楽しめる極上の湯です。

 

四万温泉は吾妻川の支流、四万川の上流にある古くからの温泉地である、四万温泉にある共同浴場の一つが河原の湯です。温泉街の北側、四万川の河原に造られています。建物は1994年に造られた、石積みのがっちりしたもので、男女別の清潔な風呂です。道路から階段を降りて行くようになっています。建物は小規模ですが、造りは立派で、細部にもお金がかけてあります。浴槽も磨いた石造りですばらしいです。浴室は、決して広くないのですが、天井はちょっぴり高く、その高さが温泉地の共同浴場としても矜持を誇示しているようでした。お湯は桶で湯船から直接汲む事になります。床には緑色凝灰岩がお湯の溢れ出しが流れるところは赤茶色に染まっています。浴槽の大きさは2~3人サイズです。隅っこの湯口から注がれるお湯は、浴槽の容量に対して遙かに多く、ドバドバ注がれるお湯により惜しげもなく大量にオーバーフローしています。ちょっとした贅沢感、そして多幸感を楽しめます。お湯は無色透明でちょっと金気味がします。初めはスルスルスベスベの滑らか浴感が体を包むのですが、間もなく引っかかる感じも得られ、やがて肌全体にお湯がしっとりとなじんでいくます。

 

四万温泉の御三家、四万たむらの創業は正確には分からないですが、江戸・安土桃山・戦国時代も通り越して、室町時代に遡り500年の歴史を持つそうです。積善館の前の田村坂と呼ばれる急勾配の坂を上りきった所にあり、正面に立つ豪壮な茅葺入母屋造りの玄関が宿のシンボルです。近代的な玄関・フロントの先にある中の間や上段の間は、江戸時代中期の天保5年(1834年)に建造されたもので、奥には仏像が安置されているのが旅館としてはユニークです。参番湯「森のこだま」は半露天で一番人気です。混み合っているので、七番湯「岩根の湯」に向かいました。岩根といっても岩風呂ではなく、タイル貼のけっこう古くからある浴室です。泡風呂、打たせ湯、蒸し風呂と、バラエティに富んでいて、その一つ一つをゆっくり楽しむ事ができます。このお湯が四万温泉発祥のお湯との事です。五番湯「御夢想の湯」は、掛け湯の湯箱があるのみで、洗い場の設備はありません。熱めのお湯と檜の香りに包まれて、夢見るような御夢想の湯です。八番湯「翠の湯」は、浴室内にはクロロフィル臭とでも形容すればよい微かに匂いが鼻腔をかすめます。個々の源泉はそれぞれ個性を有しています。

 

奥四万湖を流れ出た四万川がゆるやかに蛇行し新湯川と合流するところ、温泉街の中心部に建つ鉄筋7階建ての大型ホテルです。楽しみな風呂は館内に3つあります。清流館地下1階に男女別の大浴場と露天風呂、清祥館7階には展望大浴場「メルヘンの湯」がやはり男女それぞれ用意されています。いずれも毎分1,600~1,800リットルの湧出量を誇る自家源泉があふれ、効能豊かな天然温泉を満喫できます。露天風呂は、四角いまあまあの大きさの浴槽で、縁は檜で囲われています。更に露天のあるスペース自体、周りより低い位置に作られていて景色が見えません。見晴らしが悪いのは予想外だった。場所を考えれば当然なのだが、お湯はかなりぬるめでした。四万温泉のお湯はもうちょっと熱い方が四万温泉らしいです。臭いは浴槽の木の臭いの他は特に感じません。内湯の岩舟の湯と室生の湯は、岩根の湯源泉と言う事でたむら本館のお湯とは違うのだそうです。お湯はもちろん掛け流しです。暫く温まった後、檜の浴槽の隣に二つ並んでいた樽風呂に入ってみました。最初は飾りかと思っていましたが、これも浴槽になっています。源泉が樋を伝わってきて、樽の中に注がれるようになっています。

 

草津の中央を流れる湯川の上流、温泉街の西側に西の河原公園が有ります。この公園の中に西の河原露天風呂が設けられていて、今では、湯畑と並んで草津温泉の名所になっています。ここは別名「賽の河原」「鬼の泉水」とも呼ばれ、草木が育たない場所になっています。西の河原露天風呂はとにかく大きいです。その大きさゆえに素晴らしい開放感がありますが、実際どの位置で入浴を楽しむか悩んでしまいます。こんな大きな露天風呂ですが、湯温はそんなにぬるくなく心地よい適温でした。