温泉三昧21

 

 

江戸時代の慶長の頃、山麓の二子塚に住む宍戸五右エ門という狩人が山に入り、もうもうと立ちこめる湯煙を見てさらに登り、沢辺に真白に湯ノ花が付いているのを発見しました。それが信夫高湯温泉の始まりと言われています。この硫黄泉に入ると肌が玉子のように滑らかになることと、温泉の臭いがゆで卵に似ていることで玉子湯と名付けられました。旅館玉子湯の庭園は広大な土地に自然石をそのままに、よく手入れが行き届き心に癒しを感じさせます。昔ながらの趣のある茅葺きの外湯は明治時代に建てられた小屋そのままだそうです。ここの霊泉は長い間放流されていましたが、明治元年に庭坂村の後藤興次兵衛が難病で悩む人々のために仮小屋を造って湯用に供しました。これが玉子湯の開業の第一歩であり、以来温度・泉質とも変わることなく現在に至っています。露天風呂は最高です。野天岩風呂は、写真を見て頂ければ特に説明はいりませんね!「天渓の湯」では湯温の違う源泉が2つ注ぎこんでいて、ちょうど良い湯加減になっています。渓流沿いの眺めも素晴らしいです。

 

安達屋の山側には、斜面の上に建てられた小さな薬師堂が見えます。これは安達屋が享保年間に建立しました。ここは吾妻山の登山口になっているらしく、それらしい服装をした人たちが安達屋の近くで見る事が出来ました。安達屋旅館は、今から400年前の慶長12年に伊達家の家臣であった当館初代、菅野三四郎が夢枕に現れた役の行者の「温泉を探し諸人のためにつくせ」というお告げにより、この地を探し当て、岩石を取り除いた所温泉が湧き出たのが始まりと伝えられております。安達屋旅館は和風造り!秘湯・名湯を巡る者にとって心安らぐ宿でした。廊下の奥に露天へ通じる通路があり門の奥に露天風呂がありました。

 

あったか湯は信夫高湯温泉の安達屋の前にあります共同浴場です。施設の割には駐車場が狭く近辺道路が混雑していました。その駐車場の側の沢を眺めますと、源泉の取り出し口がありました。浴槽は露天風呂になっています。内風呂が無く露天だけの共同浴場って珍しいです。高低差のある場所ですので、駐車場より少し下って玄関に入りますと、浴室は施設内の階段を下りた所に有ります。青白く濁った湯は「あぁー温泉に入った」という気持ちにさせてくれました。信夫高湯温泉奥州三高湯の一つとして栄えて来た400年来の名湯です。

 

信夫高湯温泉のんびり館は、源泉100%掛け流しの乳白色の硫黄泉が自慢の宿です。温泉奥州三高湯のひとつ、自然湧出の温泉として、開湯400余年の歴史を持つ東北屈指の名湯です。場所は、玉子湯とひげの湯の中間地点にあり以前企業の研修施設だった所が「のんびり館」に変わりました。浴室があるフロアは、階段を下りてすぐ右手は露天風呂用出入口、左斜め前が内湯、更に左奥へ廊下を進むと家族風呂というようなレイアウトになっています。内湯は、広い浴槽が青白い濁り湯を湛えています。湯口から落とされる硫黄のお湯は湯船を濁らせながら満たし、オーバーフローしています。露天は、専用の出入口にて下駄に履き替えます。そして歩いて露天へ向かいます。ゴールまではわずか数十メートルですが、結構な勾配のある下りステップになってます。白濁した湯船が目に入ってきました。屋根掛けされているものの、川に向かってオープンになっているので開放感はまずまずです。湯口から流れ落ちる硫黄の湯によってその流路は薄い黄色に染まっています。そして、しっかりオーバーフローしていました。

 

花月ハイランドホテルは、信夫高湯では意外な穴場です。この温泉地は玉子湯旅館が有名ですが、このホテルだけ谷底の信夫高湯温泉街より少し高台にあるため、展望が違います。夜の福島市外の夜景や満天の星が眺められ、早朝は吾妻小富士が朝焼けで染まるのが楽しめます。風呂は内湯2、露天1です。本館がロッジ風の建物なのに、風呂は一貫して和風です。内風呂は広く、カランも温泉です。窓からは、山腹の大森林が広がります。内湯は大きな窓ガラスが張られ、開放的です。きれいな乳白色で、太陽があたると白砂のような光が水面中にきらめくのが大変きれいです。露天風呂は、内風呂の外のテラスから階段を下りていきます。吾妻小富士側の斜面を眺める展望風呂です。温泉の成分で木製の柱や屋根は黒く染まり、いい雰囲気になっています。特に夜は電灯が二つしかないので、ほの暗くよい雰囲気です。乳白色ですけれど、青みがかった湯は、体に染み込むようなじっくり感があり、湯後はさっぱりで、体に熱はこもりません。湯は熱くはありませんが、長湯するには体にこたえすぎるように思います。

 

吉川屋は、天保12年創業の旅館です。飯坂温泉街から少し離れた場所に位置し、山々が連なり渓流沿いにある温泉和風リゾートの宿です。奥飯坂穴原温泉は飯坂温泉駅より2kmほど上流の摺上川の渓谷沿いに位置する大自然に囲まれた山紫水明の別天地です。緑深い谷間に拡がる穴原温泉は、「かむろみの郷」と呼ばれています。「かむろみ」とは女神のことです。「かむろみ」以外にも当館随所に女神をもとにした施設名が付けられています。1841年創業とその歴史は江戸時代にまでさかのぼり、天皇皇后両陛下のご宿泊や将棋・囲碁の名勝負も行われた格式のある温泉宿です。

 

飯坂温泉を流れる摺上川の上流にあり、摺上川ダムの調査試掘の際に発見された源泉を利用した、福島市の市営温泉施設です。正式名は広瀬源泉と言います。屋根は昔の人がかぶって旅した「笠」をイメージしたデザインになっています。自然の石を利用して作られた露天風呂では、開放感をたっぷりと味わえます。オープンは1999年。ダムの調査試掘で見つかった源泉を利用して整備されました。当初は地元住民の保養施設としての意味合いが強かったのですが、評判が口コミで広まり、現在は市内外から年間10万人ほどが訪れる人気スポットになっています。施設は、地元に伝わる大蛇伝説にちなんだ蛇のオブジェが天井からつるされています。浴室は、ガラス張りの開放的な内風呂と、茂庭の自然石を使った露天風呂を備えています。湯上がりがすべすべとした肌触りになることから「美人の湯」の異名も持っています。開放的な雰囲気も手伝って、ついつい長湯をしてしまいます。

 

飯坂ホテル聚楽に隣接する同経営の大型日帰り温泉施設が、いいざか 花ももの湯です。内湯は10人弱入れる湯船が3つ並んでいて、手前からほどよい、熱湯、ぬる湯と温度で分かれています。お湯は透明で、多少塩素臭を感じます。露天も湯船が3種類あり、こちらは泉質で湯船が分かれています。手前が「もみほぐしの湯」で、ジェットバス付きの4人ほど入れる岩造りの湯船です。お湯はやや薄黄緑っぽい透明の湯で、多少赤茶色の湯花が舞っています。使われているのは「花月の湯」という源泉です。真ん中は「立ち見の湯」です。水深が深いので階段があり、お湯も濁っているので床が見えなくてちょっとコワイ感じもします。深い湯船ですが、立っても胸より下ぐらいまでしかつかれない程度の深さです。しかし真ん中に腰掛けがあり、これに座ると丁度良く肩までつかれて、目の前に広がる庭の景色が堪能できます。お湯は緑で濁りがあり、湯花も少し舞っています。使われているのは「延寿の湯」という源泉で、内湯ではこれを循環で使っていますが、こちらは源泉かけ流しです。一番奥は「寝ころびの湯」で、お湯は薄茶色の透明ですが赤茶色の湯花が非常に大量に舞っているのが特徴です。こちらの源泉は「坐忘の湯」でした。

 

摺上川の清流を望み、ゆったりと移ろう四季の自然に囲まれた数奇屋造りの和の湯宿「摺上亭 大鳥」は、木の香りが漂う、安らぎと感動と癒しの湯宿です。数寄屋造りですべてのお部屋が摺上川に面し、窓を開けると川のせせらぎが気持良く聞こえてきます。みちのくの名湯「飯坂温泉」らしい上質な四季の趣と和の趣を呈し、自家源泉の露天風呂が自慢の温泉旅館で奥飯坂の山を望み摺上川のせせらぎが聞こえます。広々としたヒノキの大浴場と野趣あふれる露天岩風呂で体の芯から温まります。源泉温度が高いので加水されています。内湯には、サウナ・水風呂もあります。湯は無色透明で、優しい湯です。たっぷりのお湯が張られた露天風呂は、飯坂温泉の源泉掛け流しです。県内産の鮫川石で造られた湯船には屋根がついているので、雨が降っても雪が降っても平気です。

 

不動湯温泉は、大地の炎・自然の恵みを得て万病を退けるために、不動明王の霊名を冠した秘湯です。土湯温泉からさらに山深く入り、うっそうとした原生林に埋もれるように立っている一軒宿です宿の建物は木造2階建の古い山荘風でした。山中といっても谷間が開けているのでとても明るいです。駐車場から坂を下って行きますと宿の玄関に至ります。宿の下にある不動沢に160段近く下る長命階段の降り口に混浴内湯が有りました。湯船も洗い場も鉄平石の「常磐の湯」があって単純炭酸鉄泉が湧いています。谷底にある「谷間の露天風呂」(混浴)は、深い山懐に抱かれた野趣豊かな秘湯ですね!白濁した硫黄泉でした。但し湯船が少し小さいです。定員2名!隣の更衣小屋で待っている人もおりました。

 

鷲倉温泉高原旅館は、磐梯吾妻スカイラインの南玄関口に位置する一軒宿です。標高1230mの高地にあり夏の涼しさは福島一と言われています。早朝には雲海を見ることも出来るそうです。宿の裏山にある源泉からは真っ白な湯煙がもうもうと立ちこめ、宿を包む姿に大地の鼓動を感じます。この情景は湯が豊富に湧きだしている証といえるでしょう。鷲倉温泉の名前の由来は鷲が傷を癒した所から名付けられました。温泉は昔から胃腸病や神経痛に効く薬湯として知られている鉄鉱泉と皮膚病や婦人病に効く弱硫黄泉が有ります。この2つの異なる温泉が楽しめるのも魅力の一つになっています。

 

赤湯温泉は、新野地のバス停から300mほど下がった比較的明るい樹海の中にあります。東吾妻の南の斜面を独り占めしたような世界です。周辺はブナの原生林で、五月中旬にはこの木立の中が水芭蕉とリュウキンカ一色になるという高山植物帯なのです。庭先に水芭蕉が咲くという温泉は珍しいですね!温泉は、裏庭に自噴する鉄分を含んだ湯が、宿のご主人の手作りの湯船に溢れています。施設の前の方にもう一つ露天風呂の案内が有りましたので覗いてみると、硫黄の香りがする露天風呂がありました。

 

幕川温泉吉倉屋旅館は、土湯峠付近の旧115号線から脇道を谷間に下って行き、4km程走ると車道が行き止まりになっています。周囲を静かなブナ林に囲まれた好環境にある幕川温泉の2軒の宿のひとつです。山中ながら建物は鉄骨木造二階建てで立派てす。庭の池にはヤマメやイワナが沢山飼われていました。玄関の右手に進んだ先に岩造りの露天風呂があります。脱衣場から少し下がった位置にとても清潔感のある露天風呂がありました。目の前に豊富な木々の緑を見ながら湯に浸っていると疲れがすーっと抜けていきます。ここは真夏でも涼やかな風が吹く別天地です。温泉好きな山ちゃんが、真夏の露天風呂で一番悩まされるのはアブの襲来ですが、ここではその心配は有りませんでした。岩造りの野趣あふれるゆったりとした大きさの露天風呂でした。

 

福島から猪苗代に向かう土湯峠越えの道には鄙びた温泉が多いです。幕川温泉は吾妻連峰の稜線近くにある高地の温泉です。幕川温泉への林道の入り口は、磐梯吾妻スカイラインの土湯峠口から旧国道を少し下ったところにあります。幕川温泉には2軒の温泉旅館があり、その1軒が水戸屋旅館です。水戸屋はかなり大きな旅館です。1階に浴室と露天風呂があります。2階には巨大な桧の切り株を使った混浴露天風呂があります。建物から離れて渓流沿いにも混浴の露天風呂があります。1階の浴室は白濁の湯と透明な湯の2種類です。湯はほぼ透明で、白く大きい湯の花が漂っています。露天風呂は白い湯です。色はかなり濃く湯は掛け流しで、腰くらいの高さの塀があるので露天風呂からの眺めは今一です。2階に巨大な桧の展望露天風呂があります。建物の裏手の源泉の近くに野天風呂があります。お湯は白濁していて、やや温めなのでのんびりできます。

 

安達太良連峰の秀峰、鬼面山を背に、福島市街を一望する高台に野地温泉ホテルは白い姿を現しています。1868年に湯治場として始まり、1989年に現在の近代的なホテルとして生まれ変わりました。湯治場の面影を今に伝えるのが、「千寿の湯」です。木枠で仕切られた3つの湯船が並び、奥から順に温度が下げられており、ついつい長湯となってしまいます。地元の銘石、鮫川石を配した露天「鬼面の湯」、内湯と露天がひとつになった「天狗の湯」など、湯めぐりも楽しい。どの風呂も白濁した硫化水素泉です。内湯「千寿の湯」は、近年、以前の形を継承しながら改修されたようです。滑り止めを兼ねる細い丸みを帯びた板が敷き詰められた床がとても美しいです。ホテルでは「面白露天風呂」と謳っていますが、内湯から入浴したまま露天風呂へ行ける天狗の湯は、特に冬は寒さに震えながら、露天風呂にかけ込むような事はしなくていいので有り難いです。安達太良連峰の最北に位置する鬼面山へは、野地温泉から徒歩1時間ほどの距離にあります。この山に因む鬼面の湯は、20人位が一度に入れるかなり大きなものです。平らな天然石を敷き詰め、浴槽を跨がないで入浴出来る風呂の造りは、他にあまり例を見ない独特なものです。

 

土湯温泉郷の奥へと進む土湯峠には、見逃せない秘湯の宿が点在しています。その中の一軒、相模屋旅館の建物は近代風、湯船は温泉ファンの心をとらえる昔の造りです。相模屋旅館は土湯温泉郷にある胃腸の名湯として知られている宿です。標高1200mの高所で北側に開けているため福島市街地も見え、夜景が特に印象的です。宿の前を走る県道はかっての国道115号線で温泉を目的でやってくる人が多いです。玄関を入ると右手に別館となる鉄筋四階建ての建物があります。渡り廊下の先には前からあるという素朴な桧の内風呂と野天風呂があり、湯煙がたなびく先に、鬼面山の山肌を眺め湯治場の風情を醸しています。その野天風呂は広い荒野に木の道が設置されていて右手上に女性専用、左手下に男性用の野趣豊かな露天風呂です。湯は豊富に掛け流しされており、入浴満足感抜群です。

 

土湯の温泉街の奥にある静かな温泉宿です。土産物屋が軒を連ねる温泉町から1kmほど荒川に沿って溯ると緑一色の山肌を前と後にした川べりに、川上温泉の一軒宿がひそんでいます。僅かの道のりを奥に入っただけで、別世界のような自然のど真ん中の環境になります。宿は木造の二階建てで、かなり古いものですが、安らぎというのは木造りがつくり出すものだということが感じられます。内風呂はプールのように大きいですが、山肌をえぐり抜いて自然石の巨岩を上手に利用した露天風呂の野趣味が何とも言えません。ご主人の阿部さんは、ここは水の量より湯量がめっぽう多く、湯加減に苦労していると笑っていました。この地は昔から温泉宿がありましたが、。昔の温泉は明治21年の磐梯山噴火により地底に眠ってしまいました。磐梯山の登山口であり、源氏ボタルの群棲地として有名な地域です。

 

中ノ沢温泉は、宝暦年間(1751)の頃から湯治場として利用されてきた歴史ある温泉です。安達太良山中に源泉が湧き出し、明治18年に地元の人々によって山深い源泉より引湯され、現在の温泉街が形成されました。毎分約9,000リットルの湧出量を誇る源泉は、強酸性の硫黄泉。約6km引き湯される間にガスが抜かれ、湯もみされ、温泉街まで下ってくる時はちょうど良い湯加減になってかけ流されています。別名「塩抜きの湯」と呼ばれ、浸かればピリピリした肌触り、湯上りには独特のサッパリ感を愉しめます。

 

中ノ沢温泉は、沼尻温泉が山中にあった時代に、湯治客の利便性を考慮し、さまざまな困難を克服し引湯された温泉です。。沼尻温泉と同じ源泉を利用し、元の単一の湧出口からの湧出量は日本一といわれています。猪苗代町内に数ある温泉の中でもっとも日本人の温泉街、湯の町のイメージ近いのがここ中ノ沢温泉です。沼尻鉱山が全盛の頃から湯治湯として栄え、軽便鉄道が多く湯治客を運んでいました。温泉街の両側にホテル旅館やおみやげ屋が立ち並び、今も長期滞在客が多いのが特長です。「磐梯名湯リゾート ボナリの森」は、旧磐梯高原リゾート・イン「ぼなり」が 生まれ変わった湯宿です。露天風呂は、古くから胃腸に効く湯として有名だった中の沢温泉を楽しめます。大浴場は大きなガラス張りの開放的な浴室で、四季を通じた自然の景観が広がっています。

 

横向温泉マウント磐梯は、標高1080mブナ林に囲まれた高原の一軒宿です。玄関前には道路を挟んで駐車場があり、その先には横向温泉スキー場のゲレンデがあります。又この近辺には、福島県の秘湯「幕川」「新野地」「鷲倉」などの温泉があります。横向温泉は、古来の伝説に依れば、八幡太郎義家一行が奥羽征討の時に発見し、湯の湧き出る様子が、女性が横を向いている姿に似ていたため、横向温泉と名付けられたという。県道沿いにありますが、閑静な雰囲気で、裏手は渓流に面した露天風呂になっています。

 

押立温泉は日本百名山にもなっている津磐梯山の麓にあり、猪苗代湖や猪苗代スキー場からも近い大自然の中に位置しています。住吉館は、大正9年に開湯された湯治場だった宿です。朱色のトタン屋根の建物外観からは鄙びた宿を想像しましたが、館内は外観から受ける印象を覆す、綺麗で落ち着きのある装いです。二室ある内湯はそれぞれ「梢の湯」「小滝の湯」と名付けられており、男女入れ替え制になっています。窓外の緑を眺めつつ、ただ湯船へお湯が落ちる音ばかりが響く浴室で、静かにじっくりと湯浴みすることができます。窓のすぐ外には小さな露天風呂が据えられていました。1人でいっぱいになっちゃいそうな大きさでして、こちらには無色透明でややぬるめのお湯が張られていました。

 

安達太良山の硫黄川上流から、毎分10000ℓの豊富な湯が届けられます。高温の湯は、外気に冷やされながらやってくるため、のんびり館では源泉を適温でお楽しめます。乳白色の湯は独特の香りが漂い、酸性泉の泉質は疲れを癒します。湯に入った瞬間は、「ピリピリ」とした肌触りは、湯上がり後も、「ポカポカ」とあたたかさが持続します。のんびり館には、様々な浴槽があります。湯治湯時代からの内風呂。そして新しく設備されたのが、木の湯船にたっぷりの白い濁り湯。もちろん、絶景の露天風呂もあります。山の空気を吸い込みながら、頭冷やして芯温効果。沼尻温泉のんびり館は、昔の湯治宿風情も残る古い旅館ですが、だからこそ心の安らぎが蘇ります。

 

宝暦元年五月、開湯以来230年の歴史と伝統を誇る沼尻温泉は 自然に囲まれた閑静で素朴な湯の里としてしたしまれてきました。安達太良山の噴火口を源泉とする酸性の硫黄泉の温泉です。沼尻温泉の中でも規模の大きな宿が田村屋旅館です。日帰り入浴も広く受け付けていますが、宿泊用の玄関とは別になっています。浴室は宿の左右に2ヶ所あり、右手の大浴場には内湯とそれにつながる露天風呂があります。内湯は檜造りで、15~6人が浸かれる大きさ。透明感のあるエメラルドグリーンの湯がかけ流しになっています。田村屋旅館の湯は少し加水しているようで調度は入り頃の湯でした。外にある露天風呂は屋根が架かった半露天風呂の造りで7~8人が浸かれる大きさです。湯の中には白い糸状の湯の花が浮かび、湯に浸かると「もわっ」とした感じがします。

 

裏磐梯から道幅が広い快適な道路を大塩裏磐梯温泉方向へ走って行くと、道沿いの小高い丘の上に、プールも兼ね備えた大きな温泉健康増進施設があります。「ラビスパ裏磐梯」は、山々に囲まれた四季折々の景色が楽しめる自然豊かな場所にあります。裏磐梯は、東北地方福島県北部にある磐梯山、安達太良山・吾妻山に囲まれた標高約800mにあります。明治21年(1888年)に相図磐梯山が噴火して生まれたのが磐梯高原です。磐梯朝日国立公園に指定されている裏磐梯は、夏は涼しく冬は雪が沢山降り季節ごとに魅力がたくさんあります。

 

日本有数の景勝地であり磐梯朝日国立公園に指定されている、標高約800mの裏磐梯桧原湖畔に立地するリゾートホテルです。湯量豊富な自家源泉「猫魔温泉」を100%かけ流しで味わえる眺望抜群の絶景露天が自慢です。裏磐梯に位置する立地に建つホテルは、2015年10月にリニュアルオープンしました。同館は、日本百名山のひとつ磐梯山を望み、眼下には桧原湖が広がる絶好のロケーションが自慢のリゾートホテルです。景色とあわせて身も心も癒す「100%源泉かけ流しの露天風呂」が自慢です。ホテル敷地内から湧き出る天然温泉を露天風呂と内湯(大浴場)で楽しめます。古くから「黄金の湯」として愛されてきた名湯は鉄分を多く含み、空気に触れると赤褐色のにごり湯になります。レイクリゾートの温泉のおすすめポイントは豊富な湯量の源泉掛け流しの温泉、桧原湖を見下ろす開放感溢れる絶景の大露天風呂を擁している事です。源泉掛け流しの天然温泉で自噴(毎分580?)の源泉は、鉄分豊富なお湯の為、湧出時は無色透明ながら、空気に触れると酸化して、赤褐色に変色します。

 

大森温泉のある旧熱塩加納村は、誰が名付けたのか、またいつの日からかヒメサユリ「乙女ゆり」と呼ばれるようになった「ひめさゆりの里」です。幾世代にもわたり慈しまれてきました。可憐に咲き誇るヒメサユリが訪れる人々にそっと語りかけてくるようです。夢の森温泉は、熱塩加納村がふるさと創生事業により掘削した温泉で、1994年(平成6年)オープンしました。深度1500mの地下から78℃もの熱いお湯が出ています。松林の中の閑静な環境にあり、旅の疲れを癒してくれます。

 

福島県と山形県米沢市を結ぶ国道121号線、昔は大峠越えや押切川の水害などで難所とされていましたが県境に日中ダムが完成し、レインボーラインも開通した現在は快適なドライブコースになっています。「ゆもとや」は、その日中ダムを目の前にした広大な草原に建つ、ヒメユリ咲く山峡の秘湯の一軒宿です。開湯の歴史は古く、江戸時代末期にさかのぼります。泉温は40℃とややぬるめですが、ゆっくり浸かれば身体の芯から温まります。露天風呂は木の香ただよう総檜造りで、熱めの湯と温めの湯2種類あり、火照った体を草原の爽やかな風で冷ましながらの入浴は心和みます。

 

そばの里として全国的にも有名になった喜多方市山都町(旧山都町)の中心部から北へ、飯豊山に 向かう道を一ノ戸川に沿って13キロほどで「いいでのゆ」に着きます。周囲はうっそう とした杉林です。竹下政権時のふるさと創生事業で掘り当てられた温泉で、喜多方市街から北西の飯豊連峰南麓にあり、一ノ戸川沿岸に位置しています。公営の温泉センターがあり、日帰り入浴の他、宿泊もできます。周囲はうっそう とした杉林です。閑静な旅館を思わせる外観と、森閑とした森の精気がうまくマッチしています。浴槽は、自然な感じの濁り湯(鉄分が多く含む)と、クリアな湯(一般浴・源泉浴・露天風呂・うたせ湯)が同室内に区分けされています。浴場は階段を降りた下にありますが、車イスを利用する人の専用のリフトも設置されています。

 

西会津温泉は、純白の壁が目に眩しい洋館風の建物が目を引く、公共の温泉宿泊施設「ロータスイン」に湧出しています。屋内クア施設は、白とブルーのタイルでエーゲ海をイメージしたギリシャ風で、気泡風呂、ジャグジー、サウナ、打たせ湯などの設備があります。西会津インターからでてすぐなので、車でのアクセスはいいです。洋風・和風2つの温泉があり、洋風の温泉は白・青のタイルが敷き詰められ、ギリシャのエーゲ海をイメージした内装になっています。こちらのお湯の泉質は「塩泉」で、ちょうどお吸い物くらいの塩加減があり、舌で感じるくらいのしょっぱさがあります。それは太古の昔、ロータスインの辺りは海だったため、その名残で塩分濃度の高い源泉になっているそうです。塩分が含まれているのでよく温まって冷めにくいという特長もあります。和風の温泉は、白と茶色のタイルで落ち着いた雰囲気です。洋風風呂とは全く違うタイプのお風呂で、ついつい和んでしまいます。

 

西山温泉には、8つの源泉がわき出ており、最初の神の湯の発見は養老元年(717年)と言われてます。滝の湯の創業は明治32年(1899年)滝の湯と荒湯の2種類の源泉を川向いより引湯してます。川音を聞きながら、季節を感じられ、春の桜、夏のカジカ、秋の紅葉、冬の雪と、四季折々に楽しめます。川側に浴室棟があります。浴室は2つあって、左右で泉質が違います。右の浴室は荒湯源泉、左の浴室は滝の湯源泉です。右の浴室は、源泉は熱いので湯枡に溜めてから少しずつ注がれています。当然源泉かけ流しです。お湯は透明で熱めで、薄い塩味がします。さらりとした浴感で気持ちがよいです。窓は広いですが、堤防があるので川は見えません。左の浴室は滝の湯源泉で、こちらもかけ流しです。お湯はほんのり黄色みがかった透明で、かなり熱いです。お湯はトロリとした感じ、ツルスベ感もあります。露天風呂は浴室棟の右にあります。混浴で、浴槽は結構大きいです。お湯は荒湯源泉だと思います。川の音が心地よく、静かにお湯を楽しむ事ができました。

 

福島県奥会津の山間の温泉郷、西山温泉は大自然に包まれた渓流沿いの宿です。効能が異なる3種の温泉は、それぞれ100%源泉かけ流し、西山温泉は、清流滝谷川を望み、豊かな自然と山々に囲まれた温泉です。薬いらずと言われる湯は、疲れを癒し、古より近在の人々に愛されてきました。「中の湯」「杉の湯」「荒湯」3種類の良質な源泉が自慢です。浴室に入るとムッとするほどの玉子臭が漂ってきてます。浴室は、3~4人サイズの湾曲した浴槽に適温と激熱の二つの源泉が投入され、静かに掛け流しされています。浴槽内で熱め、ごくごくわずかな白濁りを帯びた湯は、細かなカス状白湯花が沢山舞い、黒い溶きタマゴ状湯花もごく少量あります。他所ではあまり目にする事のない、極細の糸のような湯花もチラホラあります。湯面からは柔らかなタマゴ臭が香り、とても優しいなめらかな浴感です。

 

福島県の会津地方は静かで良い温泉が多いです。会津若松の西、柳津町にある西山温泉も静かな温泉地です。西山温泉の古い旅館街から離れて町営温泉施設の「せいざん荘」があります。西山温泉の集落から坂を登って、高台に近代的な施設が突然現れます。周囲は人家もなく低い山が連なっているだけの山の中にまだ新しい施設が現れます。茅葺き屋根をモチーフにした大きな屋根で、博物館を連想させるような建物です。館内は広々として清潔です。中庭には融雪用の池があって雪が多い土地だということが分かります。建物の西側に谷を見下ろす向きに浴室があります。浴室は広いガラス窓があって、濃い山の緑を見渡たす事ができます。お湯は透明でさらりとした感じです。お湯をなめてみるとごく薄い塩味がしました。かすかに油臭もあります。露天風呂は2段になっていて、大きな岩を組んだ岩風呂です。やや温めなので、長湯をしながら山の景色を楽しめます。

 

柳津は奥会津の大寺院「虚空蔵尊円蔵寺」の門前町だ。1200年前に開かれた古い寺で、江戸時代は会津藩から手厚く保護されてきました。現在は温泉もあるお寺の町で観光客も多いです。町の中央にある小高い丘の上に町民センターがあります。宿泊施設だけですが日帰り入浴も受けています。公共施設らしいコンクリートの建物です。昔の柳津温泉は西山温泉から12kmも引湯していましたが、1987年に虚空蔵尊境内での掘削が成功して柳津の独自源泉が得られました。柳津の各旅館に配当しています。一階下の浴室は、横幅いっぱいに大きな浴槽が造られています。お湯は無色透明わずかに濁りがあり、一部循環と思われますがかけ流しです。お湯の温度はそれほど熱くはなく適温で、香りはあまり感じられません。なめてみるとかなり塩辛いです。浴室は広い窓があって明るく眺めがよいです。施設が高台にあるので町を見下ろせ、只見川にかかる赤い大きな橋が正面に見えます。

 

奥会津の玄関口にある柳津町は、千二百年以上の歴史を持つ福満虚空蔵尊の門前町として発展し、また源泉豊富な温泉郷として、年間を通して多くの観光客が訪れています。悠々と流れる只見川のすぐ横に当館はあり、四季折々で変化する奥会津の景色を堪能することができます。「かわち」には男女別に浴場があり、それぞれ内湯と露天風呂があります。先ずは内湯ですが、大きく窓のとられた浴室に15~6人サイズのL字型浴槽がひとつあり、無色透明の適温湯が満たされています。循環表示はありましたが塩素臭などは無く、塩化物泉ならではの優しい温泉臭があり悪くありません。山の中の温泉ですが、舐めるとかなり塩辛いです。窓の外には音も無く静かに横たわる、丸い木枠の露天風呂が設けられておりました。大きさはは5~6人サイズの丸い桧風呂で、内湯と同じ湯が使われ、浴槽内で適温となっていました。内湯、露天風呂共にハッキリとした塩気があり、とても温まる湯です。温めで長湯を楽しむことができます。

 

福島県の奥会津地方は、温泉があちこちに点在している名湯の宝庫です。奥会津に位置する福島県三島町の只見川沿いに佇む、宮下温泉の木のぬくもりを感じる宿は、急な坂を下りて行った先にあり、看板は出ているものの、隠れ家的な感じにもなっています。浴室は只見川に面して3方向が大きなガラス窓となっており、とても明るくて開放的です。窓に面してL字形の浴槽がひとつ据えられており、15~6人サイズといったところです。室内のタイルはしっかり磨かれており、壁の掃除も行き届いているので、室内環境はすこぶる良好です。窓外は只見川が泰然と流れており、川の向こうに聳える山々の稜線も望めます。露天風呂はありませんが、大きな窓から川の流れが一望できますので、室内とはいえ十分な開放感が得られました。窓際の湯口からは絶え間なく源泉が浴槽へと注がれていました。槽内には循環装置の吸引・供給口らしきものは見当たりませんでしたし、源泉供給量と見合った量が排出されていましたから、こうした状況から推測するに、恐らく若干加水した上での放流式ではないかと思われます。浴槽内ではお湯に含まれる石灰があちこちに付着しており、浴槽周りに並べられてる石には、ミルフィーユのように層を成した石灰が積み重なって、サルノコシカケのようにコンモリ盛り上がっていました。

 

三島町にある早戸温泉は、開湯1200年と言われる全国屈指の薬湯で、古くから湯治場として多くの人に親しまれてきました。奈良時代後期、ツルが傷ついた足を浸しているのを知った農夫が、ためしに入浴したのが始まりといわれています。只見川を臨む眺めのいい石造りの露天風呂もあります。内湯は正面がガラス窓で横長の浴槽です。お湯はかなり熱いです。浴槽の左端にお湯が溜まった箱があり、壁には「このお湯は熱いので、体に掛けないで下さい」「熱いので桶、タオルは入れないで下さい」「湯冷まし櫓の縁には腰を掛けないようお願いします」と書いてあり、この箱でお湯の温度を下げている様子です。名物は、何と言っても男女それぞれある露天風呂です。紅葉だけでなく、新緑や雪景色など、季節ならではの風景が湯治客を迎えてくれる。遠方からこの露天風呂をお目当てに訪れる人も多いそうです。露天風呂は5~6人ほどでいっぱいになる広さですが、同じ源泉を使った内風呂もあり、こちらは広々とした湯船でゆったりと体を癒す事ができます。

 

国道400号線と野尻川に挟まれた細長い敷地に、シンプルな鉄筋4階建ての恵比寿屋が立っています。男女別の内湯と露天風呂の他に、木をくり抜いた名物の貸切露天風呂があります。「河童の湯」と名付けられた恵比寿屋旅館の男女別の浴場は、五角形4~5人サイズの浴槽です。一般的には浴槽が広いと嬉しくなりそうですが、源泉かけ流しの温泉の場合、浴槽の湯の入れ替わる頻度が高いほどフレッシュな温泉を味わえます。お湯は赤みがかった茶色になっていますが、光線の具合で鶯色に見えたりします。縁どった石に温泉成分が付着して風情を増しています。それほど熱くなく、心地よく長湯できます。外には3人サイズの露天風呂が野尻川を見下ろすように設えてあります。内湯、露天風呂共に対岸で湧き出す玉梨温泉の源泉が引かれています。ミネラルが豊富で緑褐色に濁る湯はとても温まります。

 

柳津方面から国道252号線で横を流れる只見川を遡行し、JR只見線の会津川口駅前で左折、国道400号線に乗り換えて野尻川に沿って5kmほど走ると玉梨八町温泉に至ります。国道沿いの橋を渡った先に玉梨温泉共同浴場があります。この共同浴場は、本当に小さな湯小屋ですが、これでも男女別の風呂があり、浴室・浴槽はこれ以上ないシンプルなコンクリート造りです。浴室は、3~4人サイズの浴槽に源泉がドバドバと贅沢に掛け流されており、常に新鮮な状態で楽しめます。いかにこのお湯が新鮮であるかは体に付着する気泡が証明してくれます。お湯は無色透明ですが赤褐色で粒子状の非常に細かい湯の華が無数に舞っているためほんのり赤く濁って見えます。このため浴槽や洗い場のコンクリートにはは温泉成分がしみこんで赤く染まっています。口にすると旨味だし味に塩味と炭酸味・甘みが混じった複雑な味が感じれ、金気の香りがやんわり匂います。湯加減は日のよって若干異なりますがやや熱めで、体に熱が篭る泉質です。

 

会津川口より国道400号を昭和方向に向かい約5km、左側のヘアーサロンめぐろの先を川に向かって下ったところに風情ある湯小屋があります。混浴の共同湯が八町温泉共同浴場「亀の湯」です。脱衣所は別ですが、浴槽は混浴で7~8人が入れる長細いもの、湯船が外観同様ひなびた雰囲気でどこか懐かしい雰囲気です。源泉が2つあり細いほうの湯が胃腸に良いといわれています。浴槽は、床や浴槽など温泉に触れる部分は万遍なく赤茶けています。また浴槽の縁や排湯の流路はカルシウムの付着によってデコボコしています。お湯は、人が入れば浴槽全体から溢れ出しますが、常時の排湯は切り欠けから流下しています。、浴槽にお湯を注いでいる2本の湯口のうち、投入量の多い右側は野尻川対岸の玉梨温泉から引いているものであり、左側のポンプから吐出されているのはこの浴場オリジナルである八町温泉亀の湯源泉です。亀の湯だけですと温度がややぬるくて量も足りないため、湯量豊富で温度も高い玉梨温泉からお湯を引いて並行利用しているわけで、両源泉とも似たような質感を有するお湯なのですが、お湯のフィーリングとしては亀の湯源泉の方がより個性的であるような気がします。赤みを帯びた貝汁濁りの湯中では赤い細かな湯の華がたくさん浮遊していました。2つの源泉のブレンド具合が実に絶妙であるため、加水せずとも実に心地よい湯加減が保たれています。