ba3ji3の植物園9






 

青い釣り鐘型の可愛らしいお花で、イギリスの群生地の森などで見る姿は神秘的な美しさがあります。イギリスではブルーベルの花は春の訪れを知らせる花として古くから親しまれています。学名は(ヒアシンソイデス・ノンスクリプタ)で、似たお花でスパニッシュ・ブルーベルがありますが、近年ではスパニッシュ・ブルーベルとの交雑種などが多くなってきており、純粋のイングリッシュブルーベルは数が少なくなっているとも言われます。また、「シラー・カンパニュラータ(釣鐘水仙)」という名で出回るお花もあり、こちらは交雑種のスパニッシュ・ブルーベルと同じものです。原産地では木陰に群生しています。半日陰~日向の水はけのよい場所に植えましょう。酸性土壌を嫌いますので、お庭では植え付けの2週間前までに苦土石灰などで酸度を調節しましょう。鉢植えでは一般的な培養土で大丈夫です。庭植えでは植えっぱなしでOKで、年々増えていきますが、夏場に水やりが多いと溶けてしまう場合がありますので、休眠期の夏場はお水をやらずにカラカラの状態で放置した方が好ましいです。

 

「撫子」は、「なでしこ」と読みます。ナデシコ科の多年草で、日本各地の山野や河原に自生します。品種にもよりますが、開花時期は4月から8月。赤やピンク、白、黄色などの花を咲かせます。花びらが糸状に細かく分かれているものや、繊細な切れ込みが入っているのが特徴です。「撫子」は、アメリカやアフリカに約300種が分布しています。日本には、4種が自生しており、カワラナデシコ、シナノナデシコ、フジナデシコ、ヒメハマナデシコがあります。園芸種は数十種類あります。「撫子」の語源は諸説ありますが、花が小さく、色も愛らしいことから、幼い子供の姿に喩えて「撫子(なでしこ)」と名付けられたといわれています。「撫子」は、秋の七草のひとつとされ、日本人とは馴染みの深い植物です。ちなみに秋の七草は、「女郎花、尾花、桔梗、撫子、藤袴、葛、萩」です。春の七草のようにお粥にして食べる植物ではなく、主に観賞用や薬用として親しまれてきました。

 

アイビーゼラニウムはペラルゴニウム属のうち、南アフリカのケープ地方原産のペルタツムを中心に改良された園芸品種群の総称です。アイビーの葉に似た、革質で光沢のある葉をもち、茎が下垂するので、「ツタバゼラニウム」「アイビーゼラニウム」と呼ばれています。ヨーロッパでは、窓辺のフラワーボックスの主役としてあふれんばかりの花を楽しむ光景をよく見かけます。茎が下垂するので、ウォールバスケットやハンギングバスケットに適しています。四季咲き性ですが、高温多湿を苦手とするため、夏前に切り戻して秋から再び開花させます。アイビーゼラニウムは、アイビーのような光沢感の葉が特徴のゼラニウムです。 半つる性の種類なので茎が下に垂れながら成長し、ハンギングバスケットなどで楽しめますよ。 冬は凍結のおそれがある地域では、室内に入れて冬越しさせます。 水やりは鉢土の表面が乾いたら十分に与えます。

 

イソトマは、小さな星形の花を株いっぱいに咲かせ、ぎざぎざの葉と青い花は夏にすがすがしい印象です。ローレンティアの名前でも呼ばれます。本来は多年草ですが、耐寒性はさほど強くないので、日本では冬に枯れ、一年草として扱われています。室内で冬越しさせることもできますが、2年目の株はタネから育てた1年目の株のように形よく花がいっぱいに咲かないので、毎年タネで更新したほうがよいでしょう。株は横へと広がるので、ハンギングバスケットに仕立てるほか、コンテナの周縁に植えて、あふれるような草姿を楽しむとよいでしょう。茎を切ると白い液が出て、皮膚につくとかぶれることがあるので、作業する際に手袋をしてください。

 

園芸界では、観賞用に栽培されるカタバミの仲間を総称してオキザリスと言います。美しい赤紫色の花を咲かせるイモカタバミは、同じ仲間のムラサキカタバミとともに古くから栽培されるオキザリスのひとつです。タネはできませんが、地中に塊茎と呼ばれるイモを次々とつくり、これが拡散することで繁殖していきます。この増える力はとても強く、ちぎれた塊茎のわずかな断片もすぐに再生して新しい株として育っていきます。塊茎の断片が土とともに移動するなどして、いたるところで野生化しています。春から秋にかけて、直径1.5センチメートルほどの赤紫色の花を多数咲かせます。ムラサキカタバミに似ていますが、花の中心は濃い赤紫色です。ときに白い花を咲かせる株もあり、シロバナフシネハナカタバミまたはシロバナイモカタバミと呼ばれます。

 

フロックスの仲間は67種が知られて、草丈1mを超えるものから、岩場に張りついてクッション状に育つもの、常緑、落葉、一年草、多年草と、非常に変化に富んで、花が美しいので観賞植物として多くの種が栽培されています。フロックスはハナシノブ科の園芸品種がとても多い草花です。フロックス属は種類が豊富な植物ですが、園芸店で「フロックス」の名で販売されているのは、大きく分けると「一年草」と「宿根草」があり、それぞれ開花時期や草丈などが違います。一年草のフロックスの開花時期は、春から初夏です。花色がとても豊富で、最近はベージュなどのシックな色や、スターフロックスと呼ばれる星形の咲き方がユニークな品種もあります。上にも伸びますが、横に広がるように分枝しながら生長し、適切な手入れをすると一株でもたくさんの花が次々と開花します。「宿根フロックス」の名で流通しているフロックスの開花時期は、初夏から秋です。株元からたくさんの茎を出し、まっすぐ茎を伸ばし、頂点に花をつけます。暑さに強く、植えっぱなしで毎年開花し、長期間開花し続けるため、初夏から秋の庭や花壇を華やかにしてくれます。以前は草丈が高いものが主でしたが、近年は矮性種も登場しています。

 

南アフリカを中心に40種が分布する草花です。現在、一般に親しまれているのはそれらの野生種を元にヨーロッパで改良された園芸品種です。日本には大正時代の末に渡来しました。本来は毎年花を咲かせる多年草ですが、一年草として栽培されることも多いです。花壇や鉢植え、グランドカバーなど広く利用できます。葉はヘラ状、もしくは切れ込みのある羽状で、茎はほとんど伸びず葉は地際あたりで茂ります。葉色は灰緑色や銀色を帯びたもの、美しい光沢の持つものなどがあります。主な開花期は初夏~秋で長く伸ばした花茎の先端に1輪の花をさかせます。色は黄色、ピンク、オレンジ、赤、白などがあり、蛇の目模様や2色咲き(バイカラー)、ストライプなど非常にカラフルです。花径は5cm~10cmになります。一重咲きが多いですが、八重の園芸品種もあります。花は晴れた日中に開き、日の射さない曇りや雨、夜間は閉じます。

 

ルドベキアは、かわいらしい見た目の花が魅力的な植物です。黄色やオレンジ色の花を咲かせ、明るい雰囲気が感じられます。ルドベキアは地植えや鉢植えなどで楽しめて、種類によって特徴もさまざまです。ルドベキアは、北アメリカに生息するキク科の宿根草です。別名「オオハンゴンソウ」とも呼ばれ、日本には明治時代の中期に渡来しました。ルドベキアの開花時期は7~10月頃で、黄色やオレンジ色などの花を咲かせます。ルドベキアは、日当たりと風通しのよいがよい環境を好みます。種まきなどで増やすことができ、苗の植え付け時期は4~5月頃です。ルドベキアは暑さに強く丈夫で、初心者の方でも育てやすい植物で知られています。ルドベキアの種類は30品種ほどあるとされ、種類によって特徴なども違います。大輪の花を咲かせる種類もあれば、花びらを下に垂れ下げて咲く種類などもありますよ。ルドベキアの多くは多年草ですが、一年草または二年草の種類もあるようです。

 

アスチルベは日本の山野にも自生する多年草です。円錐形の花茎を伸ばし、ふわりとした小さな白やピンクの花をいっぱいに咲かせます。花壇でたくさんの花穂が風にゆれる姿はとても可憐です。梅雨の時期から咲き始めますが、雨に当たっても花が傷みません。多湿に強いのはアスチルベの大きな特長。根腐れに気をつかう園芸品種が多い中、日本の気候にぴったり合ったアスチルベは育てやすさ抜群です。 寒さにも強く、多少日当たりのよくない場所でも花を咲かせてくれる丈夫な植物です。耐陰性があるので、シェードガーデンに彩りを添えてくれる他、花が終わった後も冬まで葉をよく茂らせてくれるので、グランドカバーとしても使えます。アスチルベは落葉樹の下のような明るい日陰や日向を好みます。但し真夏の直射日光は葉焼けや株を傷めるの原因となります。夏期は株元が半日陰になるような場所がベストです。

 

スイセンはイベリア半島を中心に、イギリス、ヨーロッパ中部、北アフリカを含む地中海沿岸地域に25~30種が自生します。房咲きスイセンをはじめとした一部の品種はギリシャから中国にまで分布し、日本にも野生状態で生育しています。RHS(英国王立園芸協会)には1万を超す品種が登録されており、その原種および花形、花色、草姿などから12系統に分類されています。なかでも、代表的な種類に、ラッパズイセン、八重咲きスイセン、房咲きスイセン、口紅スイセンなどがあります。系統によって開花時期が異なり、早いものでは11月中・下旬から、ラッパズイセンなどは3月から4月に開花します。いずれも秋から初夏にかけて生育し、夏には枯れて休眠します。花は、花弁と萼片の6枚と、その基部につくラッパ状の副冠からなっています。副冠は形がさまざまに変化しておもしろいものがあり、色も白や黄色、オレンジ色、ピンクなど多彩です。

 

ジニア(百日草)はキク科ヒャクニチソウ属に属する一年草です。開花時期は5~11月で、鑑賞期間は6ヵ月ほどと非常に長く楽しめる特徴があります。ジニアが流通したての頃は、主にお供え用の花として用いられていました。しかし、品種改良が進み、より楽しみやすさが増したことから、今ではガーデニングや鉢花としても親しまれるようになりました。栽培難易度も低いことから、ガーデニング初心者やインテリアグリーンとして植物を育ててみたいと考える方にもおすすめの植物です。ジニア(百日草) の花言葉は「絆」「遠い友を思う」「いつまでも変わらぬ心」「注意を怠るな」「幸福」です。「絆」や「遠い友を思う」「いつまでも変わらぬ心」といった花言葉は、長く咲き続ける特徴にちなんでいます。また、長期間咲き続けるからこそ最後まで気を抜かないように、「注意を怠るな」といった花言葉もついています。

 

現在の日本で西洋オダマキと呼ばれているものは、ヨーロッパ原産のアクイレギア・ブルガリスと北米産の大輪の花を咲かせる数種との交配種をさすようになっています。オダマキの仲間はもともと雑種をつくりやすいこともあって、きわめて多数の園芸品種がありますが、多くの場合、国内では個々の品種名を明記せずに色別や混合種子の形で流通しています。いずれも丈夫な宿根草で、高さ30~50cmになり、株の中心からまっすぐ伸びた茎に赤、黄、青紫、白、桃色などの4~5cmの花を多数咲かせます。葉は根元にまとまってつきます。本来セイヨウオダマキの和名をもつアクイレギア・ブルガリスはヨーロッパ原産の多年草で、高さ30~50cm、オダマキに似ていますが茎がまっすぐに伸びて10輪前後の青紫色の花がうつむいて咲きます。長く栽培されてきたため白花や桃色、赤紫、黒紫色など花色の変異が豊富です。変種に八重咲きのフローレ・プレノがあり、変種のステラータは同じ八重咲きでも、距(花の後ろに突き出した部分)のないタイプで八重咲きのクレマチスのような形の花を咲かせます。

 

クロコスミアは、モントブレチアやヒメヒオウギズイセンの名前で 古くから栽培され、親しまれている花です。細長い剣状の葉が群生し、夏に色鮮やかな花が穂になって咲きます。性質が強く、よくふえるので、野生化したものが各地で見られます。クロコスミア属には7種があり、地下には球根(球茎)があり、地下茎を伸ばして、その先端に新しい球根が毎年1個ずつできてふえていきます。これが3~4年分くらい枯れずに残るので、団子が連なっているように見えます。冬は休眠する春植え球根ですが、植えっぱなしでほとんど手がかかりません。丈夫な宿根草として扱われ、緑化材料としても利用されています。多年草で原産地は南アフリカ。草丈は40~150cm、開花期は6月~8月で赤,オレンジ,黄,複色の花を咲かせる。寒さには弱く暑さには強い。落葉性で初心者でも育てやすいです。

 

オオキンケイギクは北米原産の多年草で、5月~7月にかけて黄色のコスモスに似た花を咲かせます。強靱でよく生育することから、かつては工事の際の法面緑化に使用されたり、苗が販売されたりしていました。しかし、あまりに強く、いったん定着してしまうと在来の野草の生育場所を奪い、周囲の環境を一変させてしまうため、平成18年に外来生物法に基づく特定外来生物に指定され、生きたままの運搬や栽培、譲渡などが原則として禁止されました。九州地方環境事務所ではオオキンケイギク駆除の啓発に努めており、各自治体等に対し、チラシの配布等を行っております。キク科の多年生草本で、高さは30㎝~70㎝程度になります。開花期は5~7月、とても強靱で繁殖力が強く、かつて観賞用・緑化用として国内に導入され、道路の法面緑化等に使用されていたほか、ポット苗で園芸植物としても流通していました。

 

ケイトウは、日本には野生種は存在せず、インドなどの熱帯アジア原産の植物です。平安時代以前に大陸から渡ったとされ、万葉集に「韓藍(カラアイ)」の名称で登場しています。日本原産ではない植物ですが、日本の気候が生育に適するため、日本での品種改良が盛んで、世界で園芸品種や切り花品種として流通しているケイトウはほぼすべて日本で育種されたもののようです。「花に見える部分は本当は花ではなく、隠れて小さい花が付いている」というパターンの植物は、アジサイやカラーなど、とても多いですが、ケイトウの花もそのタイプです。ゴツゴツしたコブのようなトサカゲイトウも、フサフサした羽毛ゲイトウも、花に見えるのは茎の先が変形した「花序(かじょ)」(もしくは花穂)です。
トサカゲイトウで言えば、鶏の頭のような色づいた部分は「花序」で、その根元の「帯化」した部分に「花びらのない」小さな花がたくさん付いています。

 

キョウチクトウは、春から初夏に枝先で花芽がつくられ、6月下旬ごろから順次開花します。それぞれの枝の生育状況により開花がずれるため、結果的に開花期が長くなります。キョウチクトウ(夾竹桃)は常緑の中低木で、葉は厚く長楕円形、形状は竹の葉に似ており、6月から9月にかけて白色や赤色などの花を咲かせます。大気汚染にも強いため、工業地帯や幹線道路沿いの植栽など、都市緑化にも利用されます。日当たりが悪いと花つきが悪くなるので植えつけ場所や、枝の混みすぎなどに注意します。なお、剪定時に切り口から出る白色の乳液には毒の成分が含まれているので、直接皮膚に触れないよう注意します。

 

ダリアは、キク科ダリア属の多年生草本植物の総称です。「ダリア」 の名は、スウェーデンの植物学者でリンネの弟子であったアンデシュ・ダール にちなみます。和名は、花の形がボタンに似ているため、テンジクボタンと呼ばれました。ダリアは豪華で力強く咲く大輪種から、優雅な中輪種や可憐な小輪種、シンプルな一重咲きや変化咲きなど品種が非常に多く、大小さまざまで用途も広く、古くから親しまれてきた春植え球根です。花形のタイプによって、代表的なデコラティブ咲き、弁先が細長くなるカクタス咲きなど、10数種に分類されます。そのほか、葉色の濃い銅葉系の品種や、木のように大きく育つ皇帝ダリア、チョコレートの香りのする品種など、ユニークなものもあります。栽培も比較的容易で開花期も長く、特に花色が鮮明で花数の多くなる秋には、花壇の主役ともなります。地中に根が肥大した球根があり、春植え球根として扱われますが、一年草のようにタネから育てられるミニタイプの品種も多数育成されています。

 

クマツヅラ(久末都々良)の名は900年代に書かれた「和名抄」に登場し、漢方では馬鞭草(ばべんそう)と呼ばれ止血、消炎作用があると云われています。 クマツヅラのラテン名のバーベナは「祭壇を飾る花」の意味で、古代ローマでは聖なる草とされていました。ヨーロッパではハーブとして利用され、解毒、婦人病、皮膚病など広く薬草としても用いられて、キリスト教の伝説では十字架にかけられたキリストの出血を止めた草とされています。クマツヅラの名の由来はよく分かっていなませんが、一説には花の後、米粒状の実が穂状に付くので「米ツヅラ」がなまってクマツヅラになったとか、また花穂が長く伸びるため、ウマウツツヅラ(馬打葛)の転」(花と樹の事典)とも言われています。クマツヅラは道端などに群がって繁殖し、小さな花が盛りを迎えることなく次々と咲き継いでいきます。繁殖力の強さから外来種と思 っていましたが、平安時代から日本にあってヨ-ロッパ、アジアにも広く分布すると云います。

 

オシロイバナは、黒い果実(種子)を割ると、白い粉質のもの(胚乳にあたる部分)があり、それがおしろいの粉のようなので、この名がつけられています。日本には江戸時代に入り、各地で野生化しているものも多く見られます。タネをまいて容易に育てられるので、一年草扱いにされることも多いのですが、本来は多年草です。花は夕方4時ごろから開き、翌朝まで咲いていて、天気などにもよりますが、午前中にはしぼんでしまう一日花です。でも、夏の間ほとんど途切れることなく次々と咲き続けるので長く楽しめます。夜間に観賞できるような場所に植えるとよく、さわやかな香りも漂います。白花や黄花のものは、暗がりの中でも浮き上がるように花が目立ちます。花はろうと形で大きく開き、花径は3cmくらい、筒の部分は細長く5cmくらいあります。花弁はなく、花弁状の部分は萼片で、つけ根にある萼のような部分は苞にあたります。品種名のないものがほとんどで、花色は赤、オレンジ、黄色、ピンク、白があります。絞り咲きや咲き分けのものでは、1株の中で花ごとに少しずつ花色が違う花が咲きます。

 

北アメリカ(ミネソタ、コロラド、テキサスなど)原産の一年草です。漢字を当てると「初雪草」、冬をイメージさせるような名前ですが、夏が見頃の植物です。具体的には春にタネをまくか苗を植え付け、夏から秋に鑑賞します。寒さには弱く、冬前には枯れます。花壇や切り花で楽しみます。なぜこんな名前なのかというと、茎頂に付く葉っぱの縁が白く色づき、その様子が薄く降り積もった初雪のように見えるからです。まとめて植えると名前どおり、まさに輝く雪のごとく見事な美しさです。英名の「スノーオンザマウンテン」、種小名の「マルギナタ(縁辺のある)」も同様に葉姿が名前の由来です。茎はまっすぐ直立して伸び、上の方で枝分かれします。草丈は1m前後に生長します。夏になると、色づいた葉っぱの中に埋もれるような感じで黄緑色の花を咲かせますが、小さくてあまり目立ちません。代表的な園芸品種に葉の色づきが早い「氷河」があります。

 

セイタカアワダチソウは、かつては園芸植物として栽培されたり、花の少ない時期の蜜源植物として養蜂業者が広めようとしたりと、どちらかといえば役に立つ植物としての位置づけでした。しかし、第二次世界大戦後、一気に雑草化し日本全国に広がり、今では荒れ地を覆いつくす勢いで繁茂しています。地下茎を張り巡らしながら広がっていく上に、大量の綿毛つきのタネをまき散らし、しかも多年草で株の寿命が長いため、目を見張るよう勢いで繁殖していきます。根からは他の植物の生育を抑制する成分を出しますが、自分で出した成分にやられて、勢いは次第に衰えつつあります。セイタカアワダチソウは、秋にいっせいに開花し、ピーク時には一面が真っ黄色になります。これが花粉を連想させるからでしょうか、かつては花粉症の原因として嫌われていました。ところがセイタカアワダチソウは虫媒花。その花粉はチョウやハチなどの昆虫に託し、空中にまき散らすことはありません。普通に生活している限り、花粉症の原因にはならず、とんだ濡れ衣を着せられた草と言えます。

 

トウゴマはヒマとも呼ばれる中国原産の油用植物です。北アフリカ原産ですが、和名からは中国経由で渡来したことがわかります。日本では大型の1年草ですが、原産地では常緑で、電柱ほどの高さまで高くなると云います。種子から採れる油はヒマ子油と呼ばれ、強力な下剤として、医療にもちいられてきました。ヒマシ油は低温でも固まりにくいことから高高度を飛行する航空機の潤滑油としても利用され、第二次世界大戦前後では大量に栽培されたので、栽培経験を持つ人も多いです。当時の品種は花が緑色のものですが、現在栽培されているものは花や若芽が赤い「ベニヒマ(アカトウゴマ)」です。生花の花材として利用されますが、時折河原などに野生化したものが見られます。草丈は2mほどになり、直径30~40cmほどもある大きな葉をつけます。7つに深裂しますが、葉柄は葉の中央につきます。ベニヒマでは新芽は赤く、成葉は葉脈の部分が赤いです。花序は面白い配列であり、雌花が花序の上側に集まって付き、雄花は下側に付きます(この逆が多い)。花の赤さは、なるほどトウダイグサ科の色であると納得できます。赤い果実は褐色に熟し、3つに割れ、中に長さ1cmほどの種子が入っています。種子の表面は暗褐色の地に金色の文様があり、美しいです。じっと眺めていると、虫のようでもあり、クモの腹部を連想させます。

 

ツルニチニチソウはキョウチクトウ科ツルニチニチソウ属に属する常緑樹・多年草の植物です。つる性なので、環境によってはぐんぐんと成長する高い生命力をもっています。3~6月を開花時期としていて、春から初夏まで紫色のかわいらしい花を楽しめます。ヨーロッパや北アフリカを原産とし、明治時代に日本に伝わったとされています。150年以上経った今でもさまざまな場所で楽しめるニチニチソウは、つる性といった特徴から花や葉を使ってグラウンドカバーとしても愛用されています。環境によっては広範囲にわたって根を張ることから、自宅の敷地で育てる場合は管理や植える場所に注意が必要です。害虫に強いといった特徴はあるものの、日当たりや土の状態が悪いと、うまく花をつけないこともあります。ツルニチニチソウの名前の由来は、花がニチニチソウに似ていてつる性植物だということからつけられました。そんなツルニチニチソウは、世界各国でも親しまれている植物で、ある国では幸せの象徴とされる一方で、ある国では死者にちなんだ植物となっています。

 

アガパンサスはさわやかな涼感のある花を多数咲かせ、立ち姿が優雅で美しく、厚みのある革質の葉が茂る様子には力強さも感じられます。南アフリカに10~20種ほどの原種が自生し、交配などにより300以上の園芸品種が育成されています。性質が強く、植えっぱなしでほとんど手がかからないので、公園などの花壇やコンテナの植え込みに利用され、また切り花としてフラワーアレンジメントにも使われています。草丈、株張りともに1m以上になる大型種から、小鉢でも育てられる草丈30cmくらいの小型種まであり、花形も花筒の短い盃状のものから細長い花のもの、星形のように切れ込みの深いものや、ラッパ状の花形など、バラエティーに富んでいます。性質としては、周年葉が茂る常緑性のものと、冬期は地上部の葉が枯れて休眠する落葉種とがあり、その中間のタイプの品種もあります。

 

中国が原産のキンポウゲ科センニンソウ属植物で、5月上旬から下旬まで花を咲かせる蔓性の植物です。サキシマボタンヅル等の根が基原である生薬の威霊仙の代用品として本種の根が使われており、鎮痛薬として関節痛、神経痛、リウマチなどに用いられます。漢方薬では二朮湯、疎経活血湯などに配合されています。また、魚の骨が喉に刺さった場合に威霊仙を水、あるいは米酢で煎じて飲むという利用法もあります。クレマチスとテッセンを一緒にしている場合がありますが、クレマチスは、テッセンやカザグルマなどの原種を掛け合わされた園芸品種群のことで、約300種類が知られています。本種は中国に自生する六枚の乳白色の萼片(花弁に見えるもの)が特徴の植物です。テッセンの名前は蔓の部分が硬いことからつけられたと言われています。因みに本種は、センニンソウとは異なる種です。このセンニンソウ(仙人草)には異名があり、ウマノハオトシ、ウマノハコボレ、ウシクワズなど、有毒であることを意とする名が付いたと推察されています。

 

サフランは、秋咲きのクロッカスの一種で、もともとは染料、香料、薬用として多く栽培されていましたが、今は観賞用としても利用されています。パエリアやサフランライスの黄色は、サフランの3裂した赤色の雌しべから得たものです。球根は7月ごろから流通します。大きくて重いものを選びましょう。8月に植えつけると、マツの枝のような葉が出て、10月中旬から12月上旬には1球から2~3本の花茎が伸びて開花、その後葉がさらに長く伸びます。球根を入手したときにはすでに花芽ができており、あとは花茎が伸びて開花するのを待つだけです。今年限りの花として楽しむのであれば、球根を土に植えずに、皿や器に転がして、半日陰に置いておくだけで花を見ることができます。

 

ヒナゲシは、薄い和紙でつくったようなしわのある花弁が、風に揺られる姿に風情があります。毛の生えた蕾は、初めは下を向いており、咲くときに上を向き、蕾の先端が2つに割れて花が咲きます。基本の花弁数は4枚ですが、八重咲きもあります。育苗はやや難しいのですが、植えつけ後は丈夫であまり手がかかりません。ヨーロッパではコムギ畑に生える雑草として扱われるほど繁殖力も旺盛で、日本でも日当たりがよく、乾燥した場所であれば、こぼれダネでもふえます。虞美人草と呼ばれるのは、中国の項羽と劉邦の最後の戦いのとき、項羽の寵愛を受けた虞妃(虞美人)が自害し、その傍らからヒナゲシの花が咲いたという言い伝えに由来します。ケシというと、果実からモルヒネの原料(阿片)がとれて違法になるのではと心配されるかもしれませんが、ヒナゲシからはとれないので栽培することができます。

 

タツタナデシコは、ライオンロックと呼ばれるナデシコの仲間です。プルマリウスという原種はほとんど流通することはありませんが、高山植物っぽい雰囲気の品種も作られています。ヨーロッパの寒い地域が原産地なので、耐寒性は高いのですが夏に暑がって枯れることがあります。小渕沢でも近年の夏の暑さは堪えるようで、ペレニアルガーデンでは石組みや石垣に植え付けて育てています。蒸れと停滞水に気を付ければそれ程難しいお花ではありません。山野草を趣味とする人の間で昔から行われていた栽培法は、花が終わる梅雨明けの頃に株分けを兼ねた植え替えを行って、その際に細根をごっそりと切り取って、ほとんど挿し芽のようにして育てる、というものがあります。タカネナデシコなどヨーロッパアルプス産のダイアンサスなど、高山性のナデシコに使うテクニックです。ここまでせずとも夏越し出来ると思いますが、暑い地域にお住まいの方は参考にして頂ければと思います。

 

トラデスカンティア・ラクテアータはムラサキツユクサに似てますがトラデスカンティア・ラクテアータの低い背丈、枝分かれしない茎、毛が密集した花茎などで見分けることができます。この種は減少傾向にあり、砂原や丘の草原等で発見できます。トラデスカンティア・ラクテアータ は、1日6時間以上の日照があれば、最適な花を咲かせることができる庭の花です。 また、日中の暑い時間帯に部分的に日陰になるようにすると、花の鮮度が長持ちすることもあります。一般的に水やりは、週に1回または土が表面から3 cmのところまで乾いた場合に行う必要があります。水が土にしっかりと浸透し、余分な水が排水穴からそのまま排水されるまで、しっかりと水をやります。トラデスカンチアは茎がほふくする種類が多く、ミニ観葉や小鉢仕立てにして楽しみます。北アメリカから熱帯アメリカに70種が分布しています。

 

インパチェンスは初夏から秋まで咲く春まき一年草です。北向きの玄関や日陰の花壇、ビルの間のスペースなど、日当たりの悪い場所でもよく育ちます。花は一重から半八重、八重咲きまであり、特に人気の高いのは「カリフォルニアローズ・フィエスタシリーズ」に代表されるバラ咲き品種です。ほかに、一般的な花色に加え、赤と白や、ピンクと白などのバイカラーもあります。さらに、葉にも白やクリーム色の斑が入る品種があり、バラエティに富んでいます。生育が早く、株がこんもりとドーム状に盛り上がって、株いっぱいに花を咲かせる姿はとても豪華です。夏に切り戻せば、秋から再び美しい花を咲かせます。
次々と花を咲かせるときは多肥を好むので、追肥を忘れずに行います。

 

ボタンは美しさを象徴する植物であり、古くから、さまざまな工芸品や絵画の意匠としても用いられています。また、美しい女性の容姿や立ち居振る舞いが、「立てば芍薬、座れば牡丹…」と形容されてきました。ボタンは8世紀に、中国から薬用植物として渡来したといわれていますが、その後、観賞用にも栽培されるようになり、江戸時代には数多くの観賞用の園芸品種が生み出されました。しかしながら、江戸時代のボタンの品種は、わずかにその名をとどめるばかりで、現在栽培される品種の多くは、明治以降に作出されたものです。ボタンの野生種は、5種ほどが中国に自生します。このうち、ボタンは日本や中国で改良され、黄花の野生種ルテアは主にフランスで、また暗紅紫色の花をもつデラバイは、アメリカで交配親として用いられ、独自の品種群がつくられました。これらのボタンは、昭和初期に日本へ輸入されています。なお、ボタンとシャクヤクはともにボタン科ボタン属に含まれますが、ボタンは木本植物、シャクヤクは、冬期に地上部が枯れる多年生の草本植物です。

 

ミヤコワスレ(都忘れ)は、キク科の日本独自の宿根性の植物です。 日本国内に自生するミヤマヨメナを改良して、ミヤコワスレは作られたそうです。 日本原産の植物をベースに育成された植物ですから、日本の気候に適しています。 春から初夏にかけて咲く花は、白や紫、ピンクなどがあります。ミヤコワスレは、本州、四国、九州の山地に自生するミヤマヨメナの園芸品種につけられた和名です。ミヤマヨメナは淡青色ですが、江戸時代から改良されてきたミヤコワスレには淡青色だけでなく、青やピンク、白があり、4月から6月にかけて花を咲かせます。花後は、株元に短縮茎をつくり、ロゼット状になって夏越しします。日当たりと水はけのよい場所を好み、場所が合えば、植えっぱなしで毎年よく咲く多年草です。庭のどの場所に植えたらよいか迷ったら、同じ品種を数株用意して違う場所に植え、育ち具合を見てみるとよいでしょう。適した場所がわかったら、その場所にたくさん植えて楽しめます。暑さが苦手なので、夏は半日陰になる場所が理想です。株分けや植え替え、植えつけは、春と秋に行いましょう。秋以降は、肥料をあまり施さないほうが花がよく咲きます。