ba3ji3の植物園10






 

シランは鉢植えでも庭植えでも楽しめる、丈夫で育てやすいランの入門品です。ランと聞くと栽培が面倒と思われがちですが、この花ほど多くの人に愛され親しまれているランはありません。関東地方以西の本州、四国、九州の里山の土手や崖に生えるといわれますが、古くから植栽植物として親しまれているため、こぼれダネでふえたものも多く、いまだに野生種か植栽かの区別がつかず正確な分布は不明瞭です。春になると、地下に連ねた扁平な地下球(偽球茎)からササのような葉茎を伸ばし、先端に赤紫色の華麗な花を咲かせます。晩秋には葉を落とし休眠します。結実するとタネを飛ばし、気づかぬうちに庭のあちらこちらから小苗が発芽していることがよくあります。最近では、色変わりや変化花も多く見いだされており、タネからもふやしやすいため、育種家によって新しい花づくりが各地で行われています。一般的に流通するのは、花が白い「白花シラン」、リップの先端をほんのり桃色に染めた「口紅シラン」、葉の縁に斑を流し染めた「覆輪シラン」などが有名です。最近ではまったく濁らない白花の「純白花」や全体に青紫色を帯びた「青花」、側花弁がリップ化した「三蝶咲き」などが見いだされ、マニアの収集欲を高めています。

 

エピデンドラムは、中南米に広く分布するランです。日本で一般的に流通しているエピデンドラムは、そのなかでもリードステムエピデンドラムというタイプの交配種になります。野生種は1~数mにも伸びる細長い茎をもち、その頂部に半ボール状に小輪花を多数つけます。このままでも花は美しいのですが、株が長く伸びすぎて商品価値がないため、現在の交配種は茎を短く改良し、鉢物としても楽しめる大きさにされたものです。もともとの色彩はオレンジ色が主流でしたが、品種改良が進むにつれ、赤、黄色、ピンク、白などの色彩もふえ、現在では色とりどりのボール状に咲く花を楽しむことができます。主に鉢植えで長く楽しめますが、切り花にしたり、生け花での利用もふえています。まったく形状の異なるエピデンドラムも多数ありますが、リードステムタイプ以外は原種ランとして分類され、エピデンドラムといえば株の頂部にボール状の花を咲かせるものとして知られるようになっています

 

デンドロビウム・ノビルは、ラン科の着生植物です。洋ランのデンドロビウムの代表的な種であり、交配親としても重要なものです。デンドロビウム(ノビル系)は、現在日本での品種改良が世界のトップレベルを誇るランです。節のある茎状のバルブをほぼ直立に伸ばして生育します。毎年、数本のバルブを伸ばし、節々に花芽をつけ開花します。ノビルという原種をもとに交雑育種が行われたので、ノビル系(ノビルタイプ)と呼ばれます。近年は日本原産のセッコクとの交雑も進み、小型のノビル系もふえつつあります。耐寒性に富み、株そのものが凍らないかぎり枯死することのない丈夫なランです。園芸店では冬に満開の株が販売されていますが、通常の開花期は春です。栽培法や品種により、落葉してから開花するものと、葉をつけたまま開花するものがありますが、いずれの場合も葉は1年程度で落葉します。

 

デンドロビウム・ノビルは、ラン科の着生植物です。洋ランのデンドロビウムの代表的な種であり、交配親としても重要なものです。デンドロビウム(ノビル系)は、現在日本での品種改良が世界のトップレベルを誇るランです。節のある茎状のバルブをほぼ直立に伸ばして生育します。毎年、数本のバルブを伸ばし、節々に花芽をつけ開花します。ノビルという原種をもとに交雑育種が行われたので、ノビル系(ノビルタイプ)と呼ばれます。近年は日本原産のセッコクとの交雑も進み、小型のノビル系もふえつつあります。耐寒性に富み、株そのものが凍らないかぎり枯死することのない丈夫なランです。園芸店では冬に満開の株が販売されていますが、通常の開花期は春です。栽培法や品種により、落葉してから開花するものと、葉をつけたまま開花するものがありますが、いずれの場合も葉は1年程度で落葉します。

 

セッコクは、東北地方南部以南の山地や岩場に見られる小型の着生ランです。デンドロビウムの仲間で、主に針葉樹林や常緑広葉樹林に見られます。節のある細い棒のようなバルブを何本も束ね、細い根でしっかりと木や岩に着生し、晩春から初夏に白や淡い桃色の花を咲かせます。花後に新芽を伸ばして、つやのある葉を広げながら、新しいバルブが伸びていきます。冬前には葉が落ちて、バルブの状態で冬を越します。このバルブに翌年花が咲きます。花にはほのかに香りがあり、四季を彩る野生ランとして多く販売され、人気があります。古くから多くの斑入りや花変わりなどが選別され、「長生蘭」の名で古典園芸植物として親しまれています。

 

プレイオネは、東南アジア、中国、台湾などに14種が分布するランの仲間です。冷涼でやや湿り気のある環境を好み、苔むした岩肌や樹木の上に自生します。カトレアを彷彿とさせる美しい花を咲かせます。園芸では山野草として扱うことが多いです。株元が円錐形にふくらんで球根のようになり、この部分はバルブと呼ばれます。バルブの色は緑色の他、紫色になるものもあります。球茎の頂点から1~2枚の葉を出し、休眠期には落葉します。生育期に入るとバルブの付け根から新芽を出します。新芽は葉を広げ、生長すると株元が徐々にふくらんでいって新たなバルブになり、古いバルブはしなびてしまいます。たまに古いバルブの上部に小球(高芽)が発生することがあります。リップ休眠期になると株元から花芽を1~2本出して1~2輪の花を咲かせます。開花時期は春が多いですが、夏や冬に開花する種もあります。花は中心にあるリップ(唇弁)が大きくて目立ちます。花色はピンクや白、紫紅色、黄色などがあります。名前はギリシア神話に登場するアトラスの妻、プレイオネに由来します。

 

コチョウランは、もともとは東南アジア原産の着生ランです。バルブをもたず、肉厚の大きな葉の中に水分や養分をためて成長するタイプです。暖かい栽培環境を好むため、冬の寒さには注意が必要です。気温の上がる夏は、非常によく葉を伸ばし、株が大きく成長します。花はラン科植物のなかでも非常に長もちし、2~3か月間楽しむこともできます。園芸品種には香りはほとんどありませんが、一部の原種には甘酸っぱいさわやかな香りをもつものもあります。現在見られる大輪系(花径10~15cm)は、比較的小型の原種から100年近く改良を重ねてできたもので、豪華な花姿からギフトや室内装飾に使われ、着花特性を利用して一年中途切れることなく園芸店で販売されています。最近では、近縁のドリティス(Doritis)との属間交配で生まれたドリテノプシスも含め、ミディ(花径6~9cm)やミニ(同4~5cm)のタイプも多くなり、花色、株や花のサイズなどが非常に豊富になりました。これらはギフトだけではなく、カジュアルフラワーとしても人気が高まってきています。

 

カーネーションは母の日に贈る花として、古くから親しまれ、年間を通してフラワーアレンジやブーケなどに利用の多い花です。フリルのように波打つ花びらが重なり合い、ゴージャスな感じと可憐さをあわせもち、すっきりとした端正な草姿と独特の香りが魅力です。花色が豊富で品種も多く、切り花とした場合も、キクやバラとはまた、ひと味違った印象を受けます。ポットカーネーションは、鉢物向きに育成された品種で、節間が詰まって葉が密に茂り、草丈10~30cm程度で花を咲かせます。実生系の品種もありますが、栄養系の品種が主流で、赤とピンクの花色のものが多く出回ります。開いた花だけでなく、丸くふくらんだ蕾もにぎやかさやボリュームに一役買い、革質でワックスがのった厚みのある葉は、カールしたりウェーブがかかったりするものが多く見られます。大きく分けると、花径4~5cmの大輪タイプと、小輪のミニカーネーションと呼ばれるタイプがあります。

 

金のなる木は、乾燥や低温などの厳しい環境に適応し、世界中に分布するベンケイソウ科に属する丈夫な植物で、和名はフチベニベンケイですが、もっぱら金のなる木、またはカゲツ(花月)として流通しています。新芽が小さいうちに、5円玉の穴に通しておき、そのまま成長させて、5円玉が抜けない状態にし、枝にお金がなったように仕立てたものが流行しました。その姿から成金草とも呼ばれます。小さな株によく花をつける花の咲きやすい系統と、大株にならないと咲きにくい系統があり、葉は緑一色のものから、白やピンク、紅色の斑入り品種、葉が巻いたり細くなったりする品種があります。多肉質の葉や茎にたっぷり水分を蓄えることができるので、乾燥に強い反面、過湿にさせると根腐れしやすくなります。水はけのよい土で植え、日なたに置いて乾かし気味に管理しましょう。斑入り品種は、日焼けしやすいので、夏は半日陰に置きます。冬は、3℃以上を保ちましょう。さし芽で簡単にふやすことができます。

 

レンテンローズは強健で育てやすく、庭木や鉢植えに用いられる園芸品種です。花弁に見えるものは実は萼片です。葉と根茎に有毒成分を含み、口にすると嘔吐やけいれんなどの中毒症状が出る恐れがあります。レンテンローズ 、初夏から夏の終わりまでが移植の適期です。水分が多く、水はけのよい土壌で、日陰の場所を選びましょう。移植を成功させるためには、極端な温度差のある時期は避けましょう。レンテンローズ 森林地帯で自然に生育するため、薄日や濾過された日光を好みます。日陰でも育ちますが、日照があるほうが生育が旺盛になります。葉焼けを防ぐため、日当たりのよい場所は避けます。庭で太陽の光が優雅に移動する様子を観察し、植物のために光と陰のバランスが完璧な場所を選びましょう。そうすることで、植物たちが幸せに育つことができます。室内の植物は最適な成長には適切な照明が必要です。自然光が不足している場合、特に冬や日照の少ない場所では、人工照明が重要な解決策となり、より速く健康的な成長を促進します。

 

クジャクサボテンは、ノパルホキア属をもとに、近縁のサボテン科の植物の数属と、属間交配して改良されたもので、原生地では木の上などに着生して育っています。植物体は、平たい板のようになっていますが、これは茎が変形したもので茎節、葉状茎と呼ばれます。交配によって誕生したクジャクサボテンのほとんどは、昼に咲きますが、原種には夜に咲くものが多くあります。夜に咲く妖艶な姿と強い香りが人気の月下美人も、クジャクサボテンの仲間です。市販のサボテン培養土や砂と腐葉土を混ぜたものなど、水はけのよい用土で植え、成長期の春から秋にかけてリン酸とカリの多い肥料を施して育てると花つきがよくなります。冬場は5℃以上を保ち乾かし気味に管理しましょう。鉢植えで育てます。春から秋は戸外に置き、霜が降りる前に室内に取り込み、日当たりのよい場所で管理しましょう。日によく当てると丈夫に育ち、花つきもよくなりますが、春と秋だけ日なたで管理し、梅雨明けから秋の彼岸ごろまでは、葉焼けを防ぐために半日陰に置きましょう。

 

フクシアは下向きに咲く上品な花姿から、貴婦人のイヤリングと呼ばれることもあります。花形は一重咲きから八重咲きまであり、花の大きさは1cmにも満たない小輪から8cmを超える大輪までと多種多様です。野生種のトリフィラをもとに交雑された品種の花は、萼の筒状部が長く、中から花弁がわずかにのぞく朱赤色で一重の花が特徴です。亜熱帯性気候地域原産ですが、高冷地や湿った薄暗い森、峡谷などに自生するため、涼しくて湿り気のある環境を好みます。それらをもとに主にヨーロッパで園芸品種が育成されたため、日本では、過酷な夏、特に熱帯夜が苦手で、夏越しの難しい植物です。一般に、一重で小輪の品種は、八重で大輪の品種よりも暑さに強い傾向があります。特に、日本で作出された‘エンジェルス・イヤリング’は耐暑性に優れています。

 

アマリリスは花径10~20cmもある鮮やかな色の花を、すっと立ち上がる太い茎に咲かせます。1株でもインパクトがあり、鉢植えや花壇、あるいは切り花として利用されています。球根が多く出回るのは2月から3月で、鉢植えで育てれば1か月半~2か月後に花が咲きます。また、オランダ産の鉢植え株が秋に販売されることもあり、これを室内で育てれば、2か月後には花を楽しむことができます。戸外で栽培すると、春に花茎(蕾)と葉がほぼ同時に地上に現れ、その後開花し、夏は葉が30~50cmに伸び、冬になると枯れて地上部がなくなります。初夏咲き以外にも、春咲き、真夏咲き、秋咲きの品種もあります。中輪で剣弁の花弁をもつ在来種は寒さに比較的強いのですが、巨大輪で丸弁の花弁をもつ外来種は寒さにやや弱いので、冬は防寒をするか、掘り上げると安心です。

 

コルジリネは赤色や黄色などの新葉のカラフルな葉色が魅力です。ミニ観葉から大鉢仕立てで楽しめます。姿が似ているので「ドラセナ」と呼ばれることもありますが、ドラセナ属ではありません。ドラセナ属と違い、地下部に多肉質の根茎があるのが特徴です。最も流通している品種は、新葉が鮮赤色になる‘アイチアカ’で、葉が古くなると暗赤色に変わります。よく似ている品種に‘アトム’があり、‘アイチアカ’と混同されています。‘クリスタル’は‘キィウィ’とも呼ばれ、緑色地に黄色の縦縞が入り、葉縁は赤みを帯びています。‘レッド・エッジ’は他種と比べて葉が細く、緑色地に淡赤色の覆輪斑が大きく入ります。葉形は‘レッド・エッジ’と同様で斑が乳白色の覆輪斑が入る‘ホワイト・エッジ’もあります。フラダンス用のフラ・スカートに用いるのは‘ライ’で、ハワイでは食品包装にも用います。

 

「わさび」は漢字で書くと「山葵」。アブラナ科のワサビ属の植物で、野菜に分類されます。わさびは日本原産の多年生水生植物。日本では古来より栽培されており、奈良時代の書物に「山葵」という名前がすでに登場しています。「わさび」は、栽培するのが難しいとされている植物の1つです。暑さに弱いため、涼しい場所で育ちます。しかし寒すぎても栽培できません。さらに山間の渓流といった、水がきれいな場所を好むなど、環境の条件が揃わないとおいしい「わさび」が育たないとされています。「わさび菜」は、「わさび」という名前がついていることから「わさび」の一部だと思われがちですが、「わさび」と「わさび菜」は全くの別物。「わさび菜」は、アブラナ科アブラナ属のカラシナ種。九州の在来種である「からし菜」の変異種を栽培したものだといわれています。長い葉の淵が縮れてフリル状になっていてるのが特徴。食べるとピリッとした辛みや香りを感じます。フリル状の「わさび菜」の葉は柔らかく、生のままサラダとして食べることが可能です。また、茹でておひたしなどにすると、辛みがマイルドになるため、辛みが苦手な方や子供も食べやすくなるでしょう。

 

 

アッツザクラは鉢物としての流通が多く、小鉢でも楽しめるかわいらしさが魅力の花です。高山植物のようにも見え、花の印象からアッツザクラと呼ばれるようになったものと思われますが、南アフリカ原産の半耐寒性球根植物で、北太平洋のアッツ島の原産ではありません。サクラやサクラソウが5弁なのに対し、本種は6弁です。主に英国で園芸品種がつくり出されましたが、近年、日本でも品種が育成されています。球根は直径1cmほどの小さな球茎で、掘り上げて長期間乾燥させると枯れやすいものです。宿根草を育てる要領で、掘り上げずに休眠中でも多少の湿り気を保つのが安全です。自然開花は5月から6月ですが、促成栽培や、早春の芽出し前の球根を冷蔵しておいて秋以降に咲かせることもできるため、鉢物の流通は11月から4月の長期にわたります。

 

キンケイギクは乾燥した砂地や牧草地によくみられます。黄色い花びらは先がギザギザとした形で花の中心部は茶褐色や紫色をしています。非常に丈夫で、花壇や庭園用によく栽培されます。キンケイギク(金鶏菊)は、本来は、アメリカ合衆国のテキサス州などが原産のキク科キンケイギク属のコレオプシス・バサリスを指しますが、園芸上は、ホソバハルシャギクと呼ばれる同属のグランディフローラもキンケイギクとして扱われています。バサリスは一年草で、グランディフローラは宿根草ですが、何故、この二つがキンケイギクと呼ばれるかと言えば、おそらく、双方が非常によく似ていて、見分けがつきにくいからだと思われます。この仲間にオオキンケイギクがありますが、オオキンケイギクは、北アメリカ原産の帰化植物です。とても丈夫で花も美しいので、道路の法面などに植栽されているのを見かけることがあります。

 

現在のペラルゴニウム属に分類される以前は、リンネによってゲラニウム属に分類されていたことから、その名残で今も「ゼラニウム」と呼ばれています。南アフリカ・ケープ地方原産のペラルゴニウム・ゾナレとペラルゴニウム・インクイナンスを主な親とし、これにほか数種が交雑されてつくり出されました。やや多肉質の茎をもち、乾燥には強い反面、過湿には弱い性質をもっています。四季咲き性で、温度が適していれば一年中開花します。花は一重咲きから八重咲きまであり、星形やカップ状の小花がボール状に多数集まって、長い花茎の先端につきます。また、葉に白や黄色の斑が入る品種やモミジに似た葉をもつ品種もあり、コンテナやガーデンで彩りを添えます。流通する多くはF1品種で3~4号ポットで販売され、小柄な草姿で花つきがよいので、コンテナ寄せ植えやガーデンに利用されます。また、4~6号鉢で出回る栄養系品種はやや大柄になり、鉢植えで楽しむほか、スタンダード仕立てにできる品種もあり、楽しみ方は多様です。

 

シャクヤクは「立てばシャクヤク、座ればボタン」といわれるように、ボタンと並んで高貴な美しさを漂わせ、豪華でエレガントな花を咲かせます。同属の植物でよく似ていますが、ボタンは木本で冬も枝が残るのに対し、シャクヤクのほうは草本で冬は地上部が枯れ、地中の根や芽で冬越しする点で区別できます。日本へは平安時代以前に薬草として伝えられましたが、その後は観賞用として多数の園芸品種がつくられてきました。これらは「和シャクヤク」と呼ばれます。「和シャクヤク」は一重咲きや翁咲きなど、比較的シンプルですっきりした花形のものが多いのに対し、ヨーロッパで育成された品種は洋シャクヤクと呼ばれ、こちらは手まり咲きやバラ咲きなど、弁数が多く香りの強いものが多いのが特徴です。最近は両方の交配による新しい品種も育成され、また、ボタンとの交配種もつくられています。シャクヤクは品種が多く、一重咲き、半八重咲きのほか、雄しべが花弁のように変化したものでは、この変化の度合いや形によって金しべ咲き、翁咲き、冠咲き、手まり咲きに分けられ、また、バラ咲きや半バラ咲きと呼ばれるタイプもあります。

 

葉はボタンに似ており、長い花茎の先に、独特な形状の花を連ねて咲かせます。 英名の「B leedingHeart(血を流す心)」も、この独特な花の形からきています。 花姿が鯛を釣り上げたような姿なので、タイツリソウとも呼ばれます。 原産地でも珍しい植物のようで、日本では室町時代から細々と栽培されていました。弓状の花茎にハート状のピンク花を咲かせます。日陰のボーダーガーデンや、林間の庭に最適です。春の芽出しとともに蕾が出てきて咲きながら大きく成長し、枝垂れるように横へ広がるので大株では株張りが100cmにもなります。ディセントラは、ケマンソウの仲間です。葉はボタンに似ており、長い花茎の先に、独特な形状の花を連ねて咲かせます。英名の「BleedingHeart(血を流す心)」も、この独特な花の形からきています。花姿が鯛を釣り上げたような姿なので、タイツリソウとも呼ばれます。原産地でも珍しい植物のようで、日本では室町時代から細々と栽培されていました。特に近年はその特異性に注目が集まり盛んに栽培されています。

 

ヒアシンスはチューリップやスイセンなどと並んで、春の花壇を彩るポピュラーな秋植え球根です。葉と花とのバランスがよく、均整のとれた草姿でボリューム感もあり、強い香りを漂わせます。ギリシャ神話にも登場し、古くから観賞されて数多くの品種がつくり出されてきました。日本では、10品種ほどが栽培されています。野生種の花は青紫色ですが、園芸品種は花色も豊富です。主にオランダで育成され、ダッチヒアシンスと呼ばれています。球根の表皮が花色と同じような色なので、球根を見るとおおよその花色がわかります。通常は1球から1本の花茎が出ますが、大きな球根では、さらに1~2本の花茎が伸びてきます。最近は、何本もの花茎が一度に出て咲く、マルチフローラタイプの品種も育成されています。また、水栽培が容易で、すらりと伸びた白い根や、透明な容器とマッチした全体の美しさはヒアシンスならではのものです。

 

朝しか咲かない「朝顔」に対して、昼間もずっと咲いているので「昼顔」と呼ばれます。日当たりのよい場所にふつうに生える多年草で、地下茎をのばしながらどんどん広がっていきます。また地上の茎はつるになってあちこちに絡みつきます。葉には耳のようなものがあります。同じ仲間のコヒルガオはこの耳が真横に張りだし、さらに2つに切れ込みますが、ヒルガオは後ろに張りだし切れ込みません。ただ市内では葉のかたちが中途半端なアイノコヒルガオがかなり多く見られます。6月から10月ごろ、葉のわきから直径5センチメートルほどのピンクの花を咲かせます。花色の濃淡は株によってちがいますが、コヒルガオに比べると色が濃い傾向にあります。またコヒルガオと異なり、花柄はつるつるでフリルのような翼はありません。テンシボタン(ヤエヒルガオ)という八重咲き品種があり、稀に栽培されます。



アサガオは日本で古くから親しまれている草花ですが、日本原産の植物ではなく、奈良時代に中国から渡来し、薬草として用いられたのが始まりです。観賞用として楽しまれるようになったのは江戸時代で、大きな花の「大輪アサガオ」や、葉や花がユニークに変化した「変化咲きアサガオ」が大流行しました。つる性の一年草で、あんどん仕立てやつるを長く伸ばしてカーテンのように仕立てる方法が代表的ですが、つるが伸びない矮性の品種もあります。花色には白やピンク、青、紫のほかに、覆輪部(ふくりんぶ)と花弁の中心に向かって筋状に白い模様が入る「曜白(ようじろ)」と呼ばれる模様などもあります。さらに、花の大きさも巨大輪から小輪まであり、変化に富んでいます。朝顔は、日本の夏の代名詞とも言えるお花です。小学生の頃に夏休みの宿題で、観察日記をつけた経験がある方も多いでしょう。小さな子どもでも支障ないほど育てやすく、どんどん成長して美しいお花を咲かせてくれます。

 

朝顔は、ヒルガオ科サツマイモ属の一年草。「一年草」とは、発芽して花を咲かせ、新たな種をつけて枯れていくサイクルを、最初に種をまいたその年のうちに完結させる植物のこと。別名「一年性植物」とも呼ばれます。一年草は枯れたあとに花を咲かせることはありませんが、残された種からまた新しく命を繋いでいきます。朝顔の場合は7月中旬から10月上旬にかけて、青・紫・白・赤・ピンク・複色などのさまざまな色のお花を咲かせます。ネットに這わせれば緑のカーテンができるほど長くつるを伸ばす「つる性植物」で、背丈は20cmから長いものでは10mほどになる場合も。熱帯から亜熱帯地域が原産なので日本の夏の気候にもよく馴染み、長いあいだ次々にお花を咲かせて楽しませてくれます。ただし、暑さに強いぶん寒さには弱いので注意しましょう。朝顔は日本でもっとも発達した園芸植物とも言われています。江戸時代に盛んに品種改良されて独自の発展を遂げ、それが明治時代以降も続いているものを「古典園芸植物」と呼びますが、朝顔もその1つ。原産地はネパール近郊から中国、熱帯アジア、中南米と諸説ありますが、日本には奈良時代末期もしくは平安時代に、中国を通じて薬として伝わったのが最初だと言われています。



「朝顔」という名が確認されるようになったのは平安時代で、「朝に咲く美しい花」という意味で「朝の容花(かおばな)」と呼ばれていたのが由来です。ただし「朝顔」はもともと朝に咲く花の総称として使われていたため、当時の朝顔にはキキョウ(桔梗)やヒルガオ(昼顔)、ムクゲ(木槿)なども含まれていました。朝顔の種には下剤や利尿剤となる成分が含まれているため、長らく「牽牛子(けにごし、けんごし)」という生薬として用いられていました。それが花の美しさから観賞用としても栽培されるようになり、江戸時代には2度の大ブームを巻き起こしました。朝顔の品種の数は数千にも及びますが、そのほとんどは江戸時代に改良されたものです。今日でも「朝顔番付」など日本各地で盛んに品評会が行われ、多くの愛好家を持っています。

 

朝顔の品種・種類は、主に「日本アサガオ」と「西洋アサガオ」という2つに分かれます。日本では、中国から伝わった朝顔を千年以上かけて品種改良してきました。これを「日本アサガオ」と呼びます。つる性の一年草で、7~8月の早朝3時頃からお花を咲かせ、9時ごろには萎んでしまいます。品種によって差はあるものの2~3mほどつるを伸ばし、葉にくびれがあって細かい毛が生えているのが特徴です。日本アサガオの代表的な品種は、小学校でよく栽培され一般的な朝顔として親しまれている「大輪アサガオ」と、突然変異によって珍しい花や葉をつける「変化アサガオ」の2系統に大別されます。それぞれの系統にまた多くの派生品種が存在し、色や形も千差万別です。

 

「西洋アサガオ」とは、明治時代以降に日本に伝えられたアサガオを指します。日本アサガオよりも大型で、つるは7~10mほどになるまでよく伸びます。ツルッとしたハート形の葉で、1つの脇芽から5~6個ほどの花芽をつけます。開花時期は8月後半~11月とやや遅く、さらに朝9時にはお花が終わってしまう日本アサガオに対して、西洋アサガオは夕方頃まで咲いているのが最大の特徴です実は西洋アサガオはもともと多年草(発芽・成長・開花・結実・枯死のサイクルが2年以上ある植物)でしたが、日本アサガオより寒さに弱く、日本の冬を越せないため日本では一年草として扱われています。代表的な品種には、鮮やかな青色の花を咲かせる「ヘブンリーブルー」、白色に青や紫の絞りが入った「フライングソーサー」などがあり、朝顔としては珍しい宿根草(種をつけず、冬期は地上部の茎を枯らして地中部だけで越冬する植物)の「宿根アサガオ」もこちらの分類です。

 

ドウダンツツジはツツジ科ドウダンツツジ属の落葉低木です。原産地は日本、台湾で、もともとは西日本に自生していたものが品種改良されて、日本全国に普及しました。春に小さな花を鈴なりに咲かせ、樹高1〜2mほどの低木です。枝が細かく分かれて葉が密に茂るので、生け垣として利用されることが多い花木ですが、もちろん自然樹形も楽しめ、シンボルツリーとしてもおすすめ。耐寒性があり、暖地でも美しく紅葉します。萌芽性が強くて剪定に耐えるため、好みの形に仕立てやすく、一般家庭の生け垣や公園などにもよく利用されている樹木です。また、菱形のような葉がみずみずしく並んで整い、切り花として流通するほど美しい枝葉を持っています。晩秋には真っ赤に紅葉する姿も魅力です。冬には落葉しますが、枝が密に茂るので目隠しとしての機能を十分果たし、生け垣としてもおすすめ。細い枝が三方に分かれて伸びる姿が結び灯台の脚に似ていることから、「灯台(とうだい)」がなまってドウダンという名がついたともいわれています。

 

ナンテンは本州の関東より西、四国、九州など比較的あたたかい地域の山林に自生する常緑もしくは半常緑性の低木です。丈夫で枝もあまり横に広がらず、害虫も少なくて縁起木(後述)でもあるので、玄関先や庭によく植えられています。樹形は株元からたくさんの細い幹をまっすぐに伸ばして、株立ち状になります。初夏になると茎の頂点から花軸を伸ばして、小さな白い花がまとまって咲き円錐状になります。花後につく果実は晩秋から冬にかけて熟して真っ赤に色づき、鳥たちがついばみます。葉っぱは濃緑色でややかため、表面には光沢があります。葉には防腐作用があることが知られており、おせち料理や赤飯、魚料理などに添えられます。ナンテンの名前は中国の漢名「南天竹」「南天燭」に由来します。属名のナンディナは和名のナンテンから付きました。語感が「難(ナン)を転(テン)じる」に通じるところから縁起木としても親しまれています。玄関先に植えたり料理に葉を添えるなどにはそういう「縁起」の意味合いも兼ねてのことでしょう。

 

花山椒は、山椒の花の部分をさし、4〜5月に咲く黄色い小花が特徴的です。山椒は雄花と雌花を別々の株につける植物であり、花山椒として使われるのは雄花のみ。市場に出回る期間は春の短い時期に限られ、希少性の高い食材と言えます。花山椒の魅力は、山椒特有の香りとほのかな辛みです。つぼみは吸い物に入れるほか、焼き魚の薬味としても使用され、料理のアクセントとして重宝されます。山椒はミカン科の落葉樹で、全体に独特の香りがある植物です。一般的によく見かける山椒は、うなぎの蒲焼に使われる粉山椒。これは山椒の実の皮を乾燥させ、すりつぶして粉末状にしたもので、さわやかな香りとピリッとした辛みが特徴です。一方、花山椒は、実をつけない雄花を食材として利用します。つぼみの状態のものがもっとも香りがよく、薬味や佃煮に使用されます。粉山椒ほどの辛みはなく、やさしい香りが特徴です。

 

キングサリは、5月に垂れ下がる総状花序に鮮やかな黄色の花が咲く姿が圧巻です。斜め上方に伸びた枝から20cmほどの花の房がいくつも垂れ下がるのが本来の姿ですが、枝が柔らかいのでフェンスやアーチに誘引して仕立てることもできます。耐寒性は強いのですが夏の暑さをやや苦手とします。美しい反面、有毒植物としても知られており、特にタネには毒性の強いアルカロイドが含まれているので扱いに注意します。キングサリは病気にかかりにくく、害虫も付きません。 種に毒があるのと同様、葉や花にも同じ成分が含まれているため害虫被害が少ないのが特徴です。 ただし、剪定のしすぎや太い枝を切ったことが原因で「胴枯れ病」になることがあります。日当たりを好み、乾燥を嫌うので、堆肥や腐葉土を植え穴に入れ、湿気を保つようにして植えます。 剪定は2月ごろ行います。 強い剪定を嫌うので、伸びすぎた枝や枯れ枝を切り取る程度にします。 初夏と初秋に根元に緩効性肥料を施してください。

 

ハクモクレンの花言葉には「気高さ」「荘厳」「崇敬」「崇高」「高潔な心」「慈悲」「自然への愛」「自然な愛情」「持続性」などがあります。特に「気高さ」は、モクレン属の中でもハクモクレンだけにつけられた特有の花言葉とされています。これは、モクレンを中国から導入したイギリスの王宮植物園園長であるジョセフ・バンクス卿が、「枝先にユリの花がついている木」と評したことに由来しています。「荘厳」という花言葉は、主にハクモクレンの海外での花言葉です。これは、細い枝にずっしりとした荘厳な花を咲かせることに由来しています。「自然への愛」「自然な愛情」という花言葉は、ハクモクレンが春を告げるように空に向かって花を咲かせる姿が、春の訪れを喜び歌っているように見えることに由来しています。「崇高」「高潔な心」「慈悲」「という花言葉は、ハクモクレンの花の形がハスに似ていることに由来しています。ハスは仏教において特別な花です。仏の象徴として描かれることから、このような花言葉がつけられたとされています。

 

多くの木々が眠りから覚めない早春の頃、「マンサク」の花が山を彩り始めます。長いひものような花弁をつけた黄金色の花は、山中でもすぐに分かります。時には花枝に淡雪が積もった風景を見ることもでき、華やかではないけれど、長い冬に耐え、春の訪れが近いことを静かに知らせてくれる花といえます。昔の人は、「マンサクの花が上向きに咲いた年は豊作」「マンサクが咲かない年や、少ない時は凶作」などと吉凶を占っていました。マンサクはマンサク科の耐寒性を持つ落葉小高木で、本州、四国、九州の山地によく見られ、特に里山近くの雑木林に多いといえます。樹高は3~10mで、幹は多数に枝分かれしています。葉は互生し、やや歪んだ菱形状楕円形で、葉柄は短く星状毛があります。
春になると葉や芽が出るより先に開花し、葉腋に4弁の黄色い花が数個かたまって咲きます。春を告げる花マンサクは、庭木として植えられたり、鉢植えとして販売されたりしています。


 

サザンカはツバキ科ツバキ属の一種で、日本の固有種です。基本的な性質はツバキと似ていますが、以下の点で区別されます。新梢と葉柄、葉の裏表の中央脈、子房に短い毛があり、花弁は基部で合着しないので花が終わると1枚ずつばらばらと散ります。ツバキは早春から春にかけて咲くのに対し、サザンカの野生種は10月から12月に白い花が開花し、晩秋の花として親しまれてきました。ツバキより耐寒性が弱く、四国、九州、沖縄と、本州では山口県に分布が見られます。園芸品種も多く、サザンカから作出された園芸品種群のほか、現在サザンカの園芸品種とされているカンツバキ(サザンカ‘獅子頭’を中心に作出された品種群、ツバキとサザンカの交雑種のハルサザンカから作出された品種群も合わせて、3つの園芸品種群として扱われています。