ba3ji3の植物園28






アルストロメリアは花束やフラワーアレンジに多く利用されます。花色が豊富で、色鮮やかなものからパステル調やシックな感じのものまで、多彩でエキゾチックな花です。花弁の一部に縞模様(条斑、条紋)が入り、これが大きな特徴で、6枚の花弁のうち、外側の3枚は丸みがあって大きく、単色または複色、内側の3枚のうち上の2枚は特にこの縞模様がはっきりしています。ただし、縞模様がないものもあり、これをスポットレスと呼びます。葉はつけ根のところで180度ねじれていて、裏面が上になります。南米に100種類ほどが自生し、多くのものはチリタイプとブラジルタイプに大別され、種によって高地から低地、乾燥地から湿地と、生育環境はさまざまです。ほとんどは年に1回、春から夏に咲く一季咲きですが、オーレア種のように場所や環境によって長期間咲き続けるものもあります。常緑性のもの、落葉性のもの、中間タイプといろいろあります。これらの原種をもとに、オランダやイギリスを中心に交配選抜が進められ、カラフルでしかも四季咲き性があり、つくりやすい品種が多数育成されています。



オオツルボ(シラー・ペルビアナ)は、キジカクシ科の球根植物です。秋に球根を植えると初夏に透明感のある青紫色の花が開花します。ひとつひとつの花は星のような形、王冠のような雄しべも魅力的です。基本種は青紫ですが白花もあります。和名のオオツルボは、大きなツルボというのが由来です。鱗茎には有毒成分があり、学名のScillaはギリシャ語の有毒を意味する言葉にちなみます。耐寒性があり、水はけが良い場所なら数年間は植えっぱなしで管理できる手入れが楽な植物です。分球し年々花数が増えるので、庭や花壇、落葉樹の株元などに植えると初夏の庭の彩りになります。1本の茎に複数の小さな花が集合し、下から徐々に開花します。花持ちが良いため切り花としても楽しむことができます。



ピエール・ドゥ・ロンサールは、豪華な大輪カップ咲きで、幾重にも重なる花弁と中心にピンクがのる優雅な色調がとても上品です。殿堂入りも果たし、作出から時間もたちますが、衰えぬ人気を誇るつるばらです。トゲも少ないほうですし、大きな照りのある葉との相性も見事です。春の花付きは素晴らしく、枝を大きく曲げなくても開花してくれます。大輪花には珍しくステムが短いため、壁面仕立ては特に見事。クライミングローズの中でも特に演出効果に優れた名花といえるでしょう。夏くらいまでは返り咲きが見られます。春の花付きはとても良く、枝を大きく曲げなくても開花してくれるので、壁面仕立ては大変見事です。通常、花が得られにくい株元付近にもある程度開花が得られるほどの花付きの良さです。大輪系であるにも関わらずステムが短いことも貴重で、よく葉が茂ることも相まって構造物との一体感も演出できる非常に優秀な品種です。大きな照り葉との相性もよく、クライミングローズの中でも特に演出効果が期待できる扱いやすい名品種です。



ハタザオギキョウ(旗竿桔梗)は侵食的である一方、管理が必要である活発な多年草です。全日光から部分日陰までのさまざまな土壌条件で繁栄します。特筆すべき点は、根系を通じて侵す可能性がある点です。根障壁などの封じ込め戦略が不可欠です。種が成熟する前に枯れた花を取り除くことで、望ましくない繁殖を減らすことも可能です。元の生息地の湿潤な環境で繁栄するハタザオギキョウは、一貫した湿度を必要とするように適応しています。湿気を好む植物であり、毎週定期的に水やりを行うことで水分バランスを維持します。多年草であるハタザオギキョウは、自然の雨量パターンから恩恵を受けることができる屋外で頻繁に繁栄し、安定した水分補給が必要です。この屋外への適応性を強調することで、ハタザオギキョウの成長サイクルは季節の降水量とうまく調和し、温暖な庭園に強靱な追加となります。



ゼンテイカ(禅庭花)はワスレグサ属の多年草で、一般的にはニッコウキスゲ(日光黄菅)の名前で呼ばれています。花が咲く時期も近く、外見もユリに似ていますが互いに別の種です。各地で別々に同定されたため、和名、学名ともに混乱が見られます。別名はニッコウキスゲのほか、エゾゼンテイカ、センダイカンゾウともよばれています。地方により、ヤマガンピョウ、オゼカンゾウなどともよばれています。日本の本州中部地方以北から東北地方の海抜1000m以上の高山地帯に生える多年草です。本州などでは高原に普通に見られますが、東北地方や北海道では海岸近くでも見られます。関東では低地型のムサシノキスゲや、奥多摩、埼玉、茨城県でも低地型の自生のニッコウキスゲが見られます。雪解けの春を迎えるころに、鮮やかな広線形の葉を左右2列に扇形に広げた若芽を出します。花期は初夏から夏にかけてで、草原・湿原を代表する花で、群生すると山吹色の絨毯のようで美しいです。



カンパヌラケファレニカは、イオニア海に所在するギリシャ領ケファロニア島産のキキョウ科ホタルブクロ属の多年草です。多花性で雨にも強く強健で非常に育てやすいです。大株になると蒸れて枯れるので、6月初旬に株分けをして明るい日陰で養生させています。キキョウ科ホタルブクロ属の多年草とは、各地の平地から山地に広く分布する多年草です。日当たりのよい草原や、林縁などで多く見られます。初夏から夏の前半にかけて釣り鐘形の花を茎に多数咲かせます。細い地下茎を伸ばしてふえ、開花した株はタネと多数の子株を残して枯れます。子株は1~2年で親株になります。丈夫で、あまり手のかからない植物です。



オーニソガラムには数種あり、種によってかなり姿が異なります。よく見かけるウンベラータムのほか、アラビカムやシルソイデス、ダビウムなどが出回っています。花が美しく、園芸はもちろん、一部の種は切花でもよく使われています。花は短めの総状、または散形の花序になります。花色は白~乳白色が多いですが、ダビウムなど鮮やかな色をした種もあります。葉は細長く伸び、株は小型のものが多いですが、種によってはかなり背が高くなるものもあります。植えつけ時期は10月から11月ごろ(春植え夏咲き種は4~5月ごろ)。植えつけ深さは5~10cm程度とします。日当たりと水はけよい場所に植えます。やや乾燥した環境を好むので、あまり過湿にしないようにします。種類によって耐寒性に差があるので、半耐寒性の種(ダビウムなど)は寒冷地では保護が必要です。



ブラシノキはオーストラリア原産の常緑小高木で、5月から6月にかけ、まさに試験管ブラシのような花を咲かせます。前年枝に花がたくさん付いてこのような状態になりますが、ブラシの毛に見えるものは雄しべの花糸であり、花弁や顎は開花後すぐに落ちるとのことです。花が開き始めると、雄しべの花糸がはじけ出そうに出てきます。なんともおもしろい花です。葉は堅く、革質で乾燥に強そうです。オーストラリアの半砂漠に生育していたものであることが伺えます。花は昆虫が来訪してくれれば良いわけなので、花弁が美しい必要はありません。ブラシノキの場合は、雄しべの花糸が紅色で虫を引きつける役割を担っています。オーストラリアや熱帯アメリカを中心に分布するフトモモ科の植物の花は、花糸がよく目立つ植物が多いです。美しくはありますが、日本の植物とはあまりにも趣が異なっています。



ホオズキは、赤いちょうちんがぶら下がったような姿が愛らしく、古くから親しまれてきました。このちょうちんのような袋は、ホオズキの萼です。ホオズキは3月ごろ、地下茎から芽を伸ばし始め、5月から6月ごろ、伸びた茎の各節に薄クリーム色の花を咲かせます。花が受粉すると果実だけではなく、萼も非常に大きく成長し、袋状に果実を包み込みます。袋状に育った萼は、最初緑色ですが、8月ごろから朱赤に色づき、これが観賞用にされています。秋になるとやがて地上部が枯れ、冬は地下茎のみとなって冬越しします。切り花や鉢物として少し早い時期に出回る色づいたホオズキは、バナナを黄色く熟させる際に使われるのと同じ、エスレルという植物成長調整剤で処理されたものです。ホオズキ属の植物は、南北アメリカ大陸に多く、一部はヨーロッパ中~南部、西アジアから日本に100種ほどが分布しています。



アメリカテマリシモツケが属するテマリシモツケ属は、アジア東部と北アメリカ、メキシコに10種が分布する落葉低木です。このうち、日本で栽培されるのは、北アメリカ原産で、コデマリに似た花を多数咲かせるアメリカテマリシモツケで、育てやすく、花つきもよいことから、ガーデニング花木として近年普及しました。アメリカテマリシモツケは、若木のうちは多数の枝が伸びて樹形が整いませんが、大きくなるにしたがって、丸い樹形となります。低木でありながら、幹の樹皮がはがれるため、独特の趣があります。英名のナインバークも、はがれる樹皮に由来します。葉は3~5つに裂けて、秋には黄色や銅色に紅葉します。日当たりのよい場所であれば、土壌を選ばず容易に栽培できます。



パープルトードフラックスは、ゴマノハグサ科の植物で耐寒性多年草です。イタリアを中心とした地中海原産です。初夏に紫色の小さな花が集まった花穂を付けます。花が美しいので観賞用に庭園などで用いられます。切り花にも向きます。リナリアのようなかわいらしい花が咲きます。花だけ見るとリナリアやマツバウンランと区別が付きません。それもそのはずで同じ科に属するそうです。全草を見ると大きく異なり、こちらの方が大きくしっかりとした草型をしています。鮮やかな花色が特徴です。パープルトードフラックスの和名は、一般的に「ホソバウンラン」または「紫海蘭」、「地中海海蘭」などと訳されることがあります. ただし、一般的に「ホソバウンラン」が使われることが多いようです。育て方は、日当たりの良い場所を好み、水はけの良い土で育てましょう。花後には半分程度の高さに切り戻すと、再び花を咲かせます。春と秋に少なめに肥料を与え、過湿に注意しましょう。



フロリバンダは、四季咲き中輪房咲きの木立樹形です。小中輪から中輪の花を株いっぱいに咲かせます。ハイブリッドティー同様にエレガントな花形もありますが、可愛らしいナチュラルな花形のバラが多いです。黒と青以外の花色は、全てある多様な花色があります。繰り返し良く咲く性質があり、通常の栽培を行えば秋から初冬まで良く咲きます。病気に弱いバラが比較的多いので丁寧な薬剤散布と栽培技術の向上が必要です。耐寒性や耐陰性に劣ります。ハイブリッドティーよりも初冬まで咲くバラが多く、たおやかな樹形も多く、庭で他の植物と合わせやすいです。上手に育てるほど良い花を多く咲かせる育てがいのある系統です。「フロリバンダ」とはアメリカで名付けられた系統名で「花束」を意味しています。 ハイブリッドティ ローズと、花付き・耐寒性の良いポリアンサ ローズの交配により誕生し、「四季咲き中輪種」と呼ばれることもあります。 最初の品種はデンマークのポールセンによる1924年作出のエリゼ・ポールセンといわれています。



クイーン・エリザベスは、グランディフローラ系の第一号品種として、樹勢の強健さ、花つきの良さが特によく知られる品種です。樹は直立高性に頼もしく育ち、葉はやや丸みを帯びた深緑の照り葉、わずかにサーモンを含むカップ状の花からは、ほのかに甘酸っぱい、フルーツを含む香りが漂います。寒冷地では花弁が増える傾向にあるため、よりふっくらとボリューム感あるお花が楽しめます。病気には消して強くはなく、対策は通常通りに必要です。ですが耐暑性や耐寒性が高くて枝の枯れ込みが少なく、お花の質という点からはむしろ、寒冷地の方にこそ栽培していただきたい品種と言えます。作出者のラマーツ博士はカリフォルニア大学の遺伝学の教授で、その高い知識をもとに、他にも多くの名花を残しています。特にクイーンエリザベスの親品種である「シャーロットアームストロング」は、多くのアメリカの名花を生み出すきっかけとなった傑作品種として知られています。



ウスベニアオイは、アオイ科ゼニアオイ属の二年草です。ヨーロッパ原産で、日本では帰化植物の一つとして扱われますが、ヨーロッパではごく普通に見られます。ウスベニアオイの和名は、栽培品につけられたもので、ブルーマロウとも呼ばれています。近縁種ゼニアオイは、本種の変種扱いとされることがあります。大変丈夫で寒さに強い植物であり、草丈は20 - 80cmで、大きいものでは2mに達することもあります。茎にはまばらに毛があり、葉は長い柄がついて対生し、多くは掌状に3~5裂(ときに7裂)し、縁に鋸歯があります。花期は夏で、葉腋から細い花柄を数個ずつ束生して、赤紫色または白色の花を咲かせます。花の径は3.5 cmほどで、花弁は5枚。雄蕊は多数あり、花糸の下半分は合着して1個の筒となり、その筒の中には雌蕊があって、先端部は10裂しています。



ジューンベリーは近年人気の高い花木で、葉が完全に展葉する前に白い花を数多く咲かせます。花以外にも、初夏にたわわに実る果実や、秋の紅葉、美しい樹形と、四季を通じて楽しむことができます。英名の“Juneberry”は「6月になる果実」を意味し、生食やジャムに加工することができます。栽培は容易で、シンボルツリーとしておすすめの花木です。成長は遅めですが、最終的には大きくなります。果実を収穫するためには、庭植えで育てます。果実をジャムにする場合は、黒く熟したものを収穫し、果実の重さの半量の砂糖と、レモン1/2個を加えて煮詰めます。果実にはざらざらとした食感があるので、気になる場合は果実を裏ごししてから煮てください。ザイフリボク属は、北アメリカを中心にアジアとヨーロッパに約10種が分布し、日本にはザイフリボクが自生しています。



オレンジリリーは ヨーロッパ中南部の山岳地帯原産で、ユリ科ユリ属の多年草の球根植物です。ヨーロッパアルプスの麓から標高1900m以下の亜高山の草地や岩場に自生しています。燃える橙色の花色の百合という意味から’Fire Lily’ とも呼ばれます。雌雄同株です。5月~7月に直立した茎の葉腋から喇叭型の濃橙色の花を6~7個咲かせます。属名のLiliumはユリ属の、種小名の’'bulliferum’は「球根を持つ」で茎にある二次球根を意味します。残念ながら全草が猫にとっては有害です。オレンジリリーは、その名の通りオレンジ色の花を咲かせるユリの一種です。主に夏に咲き、鮮やかな色彩で庭や花壇を彩ります。また、上向きに咲く特徴があり、花瓶に飾るとアレンジメントにも使いやすいです。



タチアオイは、古代から日本および中国において栽培されてきました。その優雅な姿から、特に王宮や貴族の庭園で重用されました。また、タチアオイは平安時代の文献にも記述されており、高貴な花としての地位を確立しています。日本では、タチアオイは夏の象徴とされ、神社の祭りや夏のお祝い事でよく見られます。また、タチアオイの花言葉「野心」は、その高く伸びる姿に由来し、努力と目標達成の象徴とされています。このため、特に子供や若者への贈り物として人気があります。タチアオイは、主に庭園や景観を飾るために使用されます。その壮麗な花は、訪れる人々を魅了し、特に夏の季節には真価を発揮します。また、祭りやイベントの装飾としても広く用いられています。タチアオイが選ばれる理由は、その象徴性にあります。「野心」という花言葉は、目標に向かって高く成長する姿勢を象徴し、新しい挑戦や進歩を祝う意味があります。これにより、特に新しい始まりや成功を祝う場面で適しています。



コリウスは葉を観賞する草花で、ハンギングバスケットに植えると、花に負けない華やかさがあります。花を咲かせずに育てれば、初夏から秋まで長く楽しむことができます。従来の品種は種子系といって、タネからふやした小柄な品種が多かったのですが、近年、栄養系といって、さし木でふやしたやや大柄になる品種が人気を呼んでいます。栄養系品種は、花が咲きにくい性質をもっているので大きくなりやすく、摘心を繰り返して仕立てるスタンダード仕立てやツリー仕立てなどにすることができます。成長がおう盛なので、5月から6月に苗を入手して栽培すれば、秋には見事に仕立てることができます。栄養系品種には品種名ラベルがついているので、購入の際、チェックするとよいでしょう。コリウスは、本来は多年草ですが、日本では寒さに弱いため、一年草として扱われることが多いです。冬越しをさせたい場合は、室内の暖かい場所で管理する必要があります。



アフリカホウセンカとはツリフネソウ科の草本で、花を観賞する園芸植物です。園芸方面ではインパチェンス(インパチエンス)とも呼ばれています。本来インパチェンスとは、ツリフネソウ属のラテン名ですが、日本でインパチェンスというとアフリカホウセンカの意味で使うことが普通です。アフリカのタンザニアからモザンビークにかけての海抜1800 m以上の高原地帯に分布しています。POWOではケニア~モザンビーク原産としています。19世紀にはヨーロッパに紹介され、観賞の対象とされました。一代交配種は1964年にオランダで作り出され、「インプシリーズ」の名で販売されたのが最初です。この時はアメリカ合衆国では最も人気のある花壇材料となりました。開花期間が長く、初夏から秋にかけての夏の花壇材料として利用されています。また日陰でも花を咲かせるので、日陰のガーデニングでは重宝されています。一年草ですが、こぼれ種でも増えるほどの増殖力があります。沖縄県内では1980年頃から野生化が確認されており、本州でも野生化することがあります。



アツバキミガヨランは北アメリカ南部原産の常緑低木です。属名でユッカと呼ばれることも多く、元来は半砂漠に生育する植物ですが、温暖な地域で庭園などに植栽されています。葉は厚くて堅く、長さ60~80cmで、先端は鋭い棘となっており、危険です。昔は侵入防止などの目的で植栽されたこともありました。公園などに植える際には、葉の先端を切り取ることも行われています。古い葉が枯れたまま幹に残りますが、これを切り取る作業には相当な覚悟が必要です。5月から6月および秋に高さ1m以上の大きな花序を出します。花は秋のものがやや赤みがかり、花が開ききらないのが残念な点です。中を見ると太い6本の花糸の先端に小さな葯があり、雌しべは3本に分かれています。アツバキミガヨランは花が咲くと、よく倒れてしまいます。茎の太さの割に大型の花序を付けるからですが、倒れると地面に付いた所から根を出すので、結果的には勢力拡大になります。最近は一時ほど人気が無いようですが、幹を切り取ってしまっても、地際からたくさんの萌芽がでてくるので、結構しつこく生き残っています。



カワラナデシコ(河原撫子)は、日本にも自生している多年草です。本州、四国、九州に分布しています。7月~10月頃に、花びらの先に細かい刻みがある花を咲かせます。花色は白、ピンク、淡紅紫色、濃紅紫色などがあります。茎の上部でいくつか枝分かれし、その先に花を咲かせ、カーネーションのように長めのガクがついています。葉は細くて長く、茎を巻き込むようにつき葉柄はなく、草丈は30~80cm程度です。カワラナデシコ(河原撫子)は、古くから園芸植物として栽培されてきた「古典園芸植物」の一種です。江戸時代には品種改良されたものも出回っていたようです。カワラナデシコ(河原撫子)は万葉集に数多く詠まれたほか、枕草子や小林一茶などの俳句にも登場するなど古くから親しまれてきました。カワラナデシコ(河原撫子)の漢方としての名前は「瞿麦(くばく)」といいます。「瞿麦」はカワラナデシコ(河原撫子)の開花中の全草を指します。生薬では開花中の地上部を乾燥させたものを使います。



ホウキギは、約1000年ほど前、中国から渡来した一年草です。野生化しているものもあるそうですが、この茎をホウキにするため、栽培しているのだそうです。名前もそこから来たようです。まだ若いうちは緑なのだそうですが、だんだん古くなると葉も茎も赤くなるのだそうです。背の高さは、100cmほどで、葉は、ごらんのように細長く、先がとがっています。互い違いに付き、やがて右下のように赤くなります。花は、葉の付け根に付きますが、花びらはありません。しかし雄花と雌花があり、雄花には雄しべが5個、黄色い葯があるそうです。雌花には雌しべが1個で、この中に種が出来ます。一株植えてもかわいいですが、群生させると美しい幻想的な景色が一面に広がります。明るいグリーン色の季節から、秋に真っ赤に紅葉するまで、色の移り変わりのグラデーションもとてもきれいで人気があります。



ターネラ・ウルミフォリアは温暖な気候で繁栄し、最適な開花のために完全な日光から部分的な日陰を必要とします。根腐れを避けるために、水やりは適度に管理し、水やりの間に土壌をやや乾燥させる必要があります。適切な排水の保持と、茂った成長を促進し、枯れた葉や黄色い葉を取り除くための定期的な剪定を行うことが特別な注意点です。成長期中の定期的な給餌は、鮮やかな花の支援をします。ターネラ・ウルミフォリアは完全な日光の下で最もよく成長し、毎日6〜8時間以上の直射日光を受けることが最適です。これにより成長が最適化され、開花能力が向上し、活力を維持します。ターネラ・ウルミフォリアは部分的な日光には耐性がありますが、長時間低光条件にさらされると、開花が減少し、光源に向かって伸びるために脚が長くなる可能性があります。屋外植えに理想的で、ターネラ・ウルミフォリアは最大の日光を確保できる場所に配置する必要があります。ターネラ・ウルミフォリアは通常、光の変化に対して顕著な葉の調整や色の変化を示すことはありません。



オルラヤ・グランディフローラは、地中海沿岸を中心に数種が分布し、セリ科に特徴的な傘形の散形花序をもった植物です。属名のOrlayaは、この植物の申請者が友人の医師(Johann Olray)への献名によって命名されたもので、おそらく、命名者が個人的に恩義を感じている人物、あるいは尊敬する人物だったのかもしれません。本種は、羽状に細かく切れ込んだ葉と、純白の小花を傘状に咲かせる姿にやさしい雰囲気があり、自然風の花壇に植えると上品で、ほかの草花ともよく調和します。花を間近から見ると、花序を取り囲むような外側の花は、深く切れ込んだ1枚の大きな花弁がよく目立ち、これが本種の特徴となっています。園芸的にも観賞価値の高い草花でありながら、日本に本格的に導入され始めたのは1990年代後半。比較的新しい花ですが、繊細な花姿からは想像できないほどの丈夫さで、こぼれダネからでもふえることから、あっという間に広く見かけるようになりました。



ネズミモチ(鼠黐)は関東南部以西のやや暖地の山林に自生し、かつては盛んに植栽された常緑の低木です。高さは2~3 mになり、枝はよく分岐します。葉は対生で、短い柄があり、花は6月頃に新枝の先に白い小さな多数の円錐花序として咲きます。果実は11月頃に完熟し黒くなります。これがネズミの糞に似ているので俗にネズミノフン、ネズミノコマクラと呼ばれるそうです。このような名前でも戦時中は砕いた実をコーヒー豆の代用として飲まれたこともあるようです。同果実を乾燥したものが生薬ジョテイシ(女貞子)です。  ジョテイシは強心、利尿、緩下、強壮薬として古くから用いられており、肝臓、腎臓、腰、膝を強くし、精力も養い、若白髪や月経困難にも効き目があるとされています。現在でもジョテイシエキスは滋養強壮を目的とした市販のドリンク剤やカプセル剤に配合されています。また果実(女貞子)酒としても長年親しまれてきました。



マルメロは、バラ科の落葉高木になる果物で、カリンに似ています。生では食べられませんが、ジャムやシロップ漬け、果実酒などに加工されます。独特の甘い香りが特徴で、秋が旬です。マルメロは、カリンとは近縁で、長野県ではカリンとも呼ばれています。マルメロはナシ形で、果面に綿毛があり、萼も残ります。一方、カリンの果実は多くは楕円形で、果面に毛がなく、萼も残りません。どちらも香りはよいですが、カリンは果肉が堅く、果実酒以外には向きませんが、マルメロは比較的柔らかく、ジュースやジャム、ワインなどに利用されます。カリンジャムの名で流通しているのは、じつはマルメロジャムです。結実性はリンゴやナシに近く、自家結実性はありますが、結実率が低いので異品種の混植が必要です。病害虫は、病気では黒点病と赤星病、害虫ではシンクイムシくらいで、それ以外は問題になるものは少なく栽培は容易です。



テイカカズラの名は、成就しなかった恋の執心で蔦葛となり、恋人である式子内親王の墓に絡みついたという伝説を脚色した謡曲「定家」に由来します。テイカカズラ属は、日本を含むアジア東南部と北アメリカに分布する常緑のつる性木本植物で、テイカカズラは、本州から九州の林などに自生します。花は、キョウチクトウを小さくしたような白色の花で、甘く香り、咲き進むとクリーム色に変化します。葉は濃い緑で秋には美しく紅葉します。茎から出る付着根が壁や木に食い込んでよじ登るので、フェンスなどに絡ませたり、10mほどの高さまで這い上がることを利用して、緑のカーテンにもできます。また、盆栽としても利用されます。葉に斑が入る‘ハツユキカズラは、寄せ植えやハンギングの恰好の材料になります。日本原産種なので、極端に乾かしたり、強い日ざしに当てないように注意すれば、東北地方以南では容易に栽培することができます。



ナツグミは、北海道南部から九州までの広い範囲に分布するグミ科の落葉低木で、沿海地や丘陵に自生すします、果実を観賞あるいは食用するため、公園や庭園に植栽されることもあります。日本に約13種類あるグミの一つで、漢名は「木半夏」と言います。開花はアキグミと同じ4~5月で、葉の付け根から伸びた1~3センチの柄に淡いクリーム色の花が1~3輪ずつ咲きます。花には花弁がなく、花弁に見えるのは萼(がく)が変形して先端が四つに裂けたもので、萼筒は長さ8mmほどで、毛が密生した長さ10mmほどの花柄に続きます。果実は直径15mmほどでアキグミよりも大きな楕円形で、開花翌年に赤く熟します。完熟すれば甘味があって生で食べることもできますが、未熟なものは渋味があって食べづらいです。中には種子が1粒入っていますが、本当の果実はこの種子の堅い核にあり、プニプニした果肉のような部分は「花托」が変化した「偽果」です。ムクドリ、オナガ、ヒヨドリなどの野鳥はこれを採食しています。



シコンノボタンは、ブラジル原産のノボタン科シコンノボタン属の植物です。名前の由来は「紫紺色の野牡丹」で、アジアを中心に分布する別属のノボタンより、花色が濃い紫色であることを意味します。高さは1~3mになり、直立する常緑の半低木です。葉は対生し、長さ10㎝ほどの長楕円形で、葉先が尖っています。はっきりした5本の葉脈が縦に入るのも特徴です。花は、当年枝の枝先に付きます。直径7㎝ほどの5弁花で、1日花です。短日で開花しやすく、主に秋から初冬にかけて開花します。日本では原種で濃紫色のシコンノボタンのほか、園芸品種として、紫色系のコートダジュールやブルーエンジェル、紫からピンクに変化するリトルエンジェルなどが流通しています。シコンノボタンは一日花ですが、人目を引く鮮やかな紫色の花が次から次へとたくさん開花するのが魅力の熱帯花木です。原産地はブラジルですが、霜が降りない地域では葉は落葉しても戸外でよく冬越しします。鉢物として出回っている株は矮化剤によってコンパクトな姿になっていますが、次の年には矮化剤の効果が薄れて勢いよく成長します。



モナルダは、夏の花壇を彩る花として親しまれ、暑さに負けず、力強く咲く姿が魅力的です。タイマツバナとも呼ばれるように、鮮明な赤い花が盛り上がるように咲き、苞も赤く色づきます。品種が多く、花は赤のほかにも、桃色、白、紫など多彩です。モナルダ属には16種ほどがあります。栽培されるのは主に、モナルダ・ディディマ(和名はタイマツバナ)と、モナルダ・フィスツローサ(和名はヤグルマハッカ)で、交配品種も多数育成されています。また、自然交雑種と思われるものもあります。全草にさわやかな香りがあり、ミカン科のベルガモットオレンジに似ることから「ベルガモット」とも呼ばれ、ハーブティーとして利用されます。レモンベルガモットは一年草で、桃色や紫色の花が何段にもなって咲きます。モナルダ・プンクタータは短命な多年草で、一年草扱いとすることが多く、花は黄色で苞がピンクに色づき、長く観賞できます。