温泉三昧1

 

 

北海道最古の知内温泉は歴史も古く「大野土佐日記」によれば1205年、砂金を求める荒木大学の渡来に遡り、1247年に薬師堂を建立したのが始まりとされています。その温泉は、異なる泉質とさまざまな効能により、訪れる人々を癒します。四季折々に彩り豊かな木々、年輪を重ねた杉や道南でも珍しい竹林など大自然に囲まれた知内温泉は、身も心もリフレッシュできます。津軽海峡線が青函トンネルを抜け、道内で最初の駅・知内から車で5分に一した知内温泉は、山間の古い湯治場の雰囲気が漂う。男女別の内風呂にはそれぞれ泉質の異なる2つの岩風呂があり、混浴の露天風呂もあり、泉質に定評があります。

 

日本海景勝の地、ヤチダモ林に囲まれた和の佇まいの「乙部温泉いこいの湯」は、乙部町館浦の交差点(温泉の看板)を山側へ少し入ったところにある温泉旅館光林荘に隣接する日帰り入浴専門の温泉施設です。源泉をそのまま使用した100%天然温泉で、お湯はやわらかく、入浴後しっとりとした肌触りが残ります。源泉かけ流しのお湯は、体が芯から温まると評判です。館内はバリアフリーで、大浴場やサウナ、露天風呂、身障者用浴室などが揃っています。大浴場には数点の壁画や乙部町出身の日展作家中川氏による彫刻等あり、アートを楽しみながら入浴することができます。

 

明治元年から源泉かけ流しの湯治宿として代々営まれており、現在に至っている見市温泉は、北海道では珍しい川露天風呂があります。山の奥地にあるため空気もきれいで、澄んだ夜空に星が美しく瞬く様は一見の価値があります。周囲には人家はなく山奥の一軒宿です。浴室は思いのほか広く、湧出量が多いので大きな浴槽にたっぷりのお湯が注がれ、赤茶色に濁ったお湯はかなり熱めです。お湯が流れる床も茶色く染まっています。温泉成分が濃いので窓にかかるお湯で窓が曇りガラスのようになっています。香りは弱いですが鉄と石膏の臭いがあります。露天風呂は小ぶりですが眺めは最高です。10m下に見市川が流れていて、せせらぎの音と深い山の緑と谷を渡る風がとても心地よです。

 

北海道の南部も温泉の宝庫ですが、平田内温泉はその中でも有名な秘湯でです。冷水岳への登山道が始まる林道の終点が平田内温泉の源泉です。ここに大きな岩の窪みがそのまま湯船になった野天風呂があります。湯船は平田内川の渓流沿いあり、道路から野天風呂へ降りる途中に脱衣用のログハウスがあります。脱衣場は男女別ですが露天風呂は混浴になっています。お湯は熱めで、源泉からのお湯は石壁を伝わってきています。湯温を調整するための水は、ホースで谷川の水を引いています。入浴する人が自分で温度調節をする方式です。湯船は4人分程度の広さで比較的浅いです。残念ながら入浴写真はピンボケになりました。

 

せたな町の貝取澗温泉 あわび山荘は北海道の道南、函館から北へ2時間半。奥尻島を望む日本海に注ぐ貝取澗川沿いに湧くいで湯の里です。あわび山荘では、鮑(活アワビ)を格安にメイン料理としていただける国民宿舎です。周辺には川釣りを楽しめる貝取澗川、テニスコートやキャンプ場などが点在し、アクティビティの拠点としても最適です。温泉は、茶褐色のカルシウムやマグネシウムが豊富に含まれる濃厚なお湯で、湯ざわりはツルツル、湯上りはキュッキュッと引き締まるような肌触りです。すぐ横を流れる貝取澗川のせせらぎを聞きながら、ゆったりとした湯浴みの時間を過せます。

 

長万部の市街地から山間部に入った奥地に、一件宿の「二股ラジウム温泉」があります。明治時代から湯治場として栄え開湯伝説によれば、熊が温泉に浸って所をアイヌの人々が発見したと云われてます。効能は古くから知れ渡っており、戦前は帝国陸軍の保養施設として使われていました。温泉旅館の維持の困難から幾度も経営者が変わっています。北海道の山奥でひっそりと湯治客を迎え続けている一軒宿「二股ラジウム温泉旅館」。ここは世界でもたった2カ所しかない、温泉が作り上げた超貴重な「石灰華ドーム」がある場所になっています。また効能も抜群で、効果の見られなかった湯治客にはお金の返金も行っています。



 

「温泉ホテル八雲遊楽亭」は八雲町浜松地区の国道5号沿いにあります。2001年、黒島建設が「温泉ホテル光洲」跡に「温泉ホテル八雲遊楽亭」を新築して開業しました。泉温が低いので沸かして利用していました。平成2002年、「温泉ホテル八雲遊楽亭」は新たに温泉ボーリングして高温の源泉を浴用利用しています。八雲温泉には全国でも北海道上ノ国でしか採れないという特殊なパワーを持つ鉱石で利用した水のない不思議なお風呂があります。身体に負担がかからないように、室温床温は35℃~40℃、湿度70%~80%に抑えられています。

 

銀婚湯温泉は、落部川中流の中州より湧出する道南屈指の名泉として広く知られています。発見は古く先住民が療養の為常浴していました。戊辰の役に榎本武揚率いる幕軍の負傷者を湯治させ効能があったという事で一躍有名になりました。大正14年5月中州を開掘し大量湧出に成功、あたかも大正天皇銀婚の佳日にあたり、開拓した夫婦の銀婚も重ね命名しました。施設は、山々に囲まれた川沿いに建つ、昔ながらの素朴な温泉旅館です。敷地内から湧出する5本の源泉を用いたお湯がまたすばらしく、大きな岩風呂と木の浴槽の内湯と、川べりには木立の中に露天風呂があります。

 

濁川温泉は、古くから湯治湯として利用されてきた所で、寛政10年(1798)に奉納された薬師如来像が現存しています。その後文化4年(1807)に、当時の村役人で あった、加賀屋半左衛門が道を開き、新たに当時湯を整備開設しました。四季折々の顔を見せる露天風呂と多彩な浴槽を持つ内湯は、共に濃厚な源泉を100%かけ流しです。湧出口や内湯の床には湯ノ花が固まり、その温泉成分の濃厚さを物語ります。

 

道南の名湯として知られている大船温泉、設備の整った「上の湯」、湯治場的雰囲気の色濃く残る「下の湯」が有ります。上の湯の「ひろめ荘」は、施設が新しくとても綺麗でした。「ひろめ」とは、地域の特産、昆布の呼称です。ひめろ荘は、北海道唯一の国宝(中空土偶)を有する函館市南茅部地区にあります。みなみ北海道では珍しい硫黄泉と重曹泉の 二種類の源泉かけ流し天然温泉で、心と身体が癒されます。四季の移り変わりが楽しめる山間の川のほとりに佇む秘湯の宿です。

 

水無海浜温泉は、活火山「恵山(618m)」のすそ野に広がる恵山岬の入り江から湧き出す、全国でも非常に珍しい渚の温泉です。お湯に浸り太平洋を望むと、水平線や目の前で砕け散る白波、湯船の周りで戯れている磯カニが疲れを癒してくれ、普段の生活では体感出来ない「開放的空間」の世界に導いてくれます。湯加減は自然任せですので潮の満ち引きによって加減されますから、お出かけの際は、予め潮見表を見て出かけるのが肝要です



 

北海道の中でも函館はじめ道南地方は温泉の宝庫であることは意外と知られていません。函館は、華やかな西洋文化を受け入れ和と融合させながら、創りあげられていった輝きを失わないモダンな形式美の街で、日本発の国際貿易港として世界に開かれ、発展の過程で築かれた独特の町並みは、今もなお時代の語り部として繁栄の息吹を伝えています。ラビスタ函館ベイは函館山を見上げる運河の近くにあります。最上階にある天然温泉「海峡の湯」の茶褐色の湯は、療養泉に分類される泉質で、身体の芯までよく温まります。男湯・女湯とも内湯2種類をご用意、また、岩風呂・檜風呂などあわせて4種類の露天風呂もあり、まるで空中庭園のような空間で、眼下に望む雄大な函館の景色を望みながら湯めぐりが愉しめます。

 

1653年(承応2年)松前藩主九代・高広(幼名千勝丸)が重い病気にかかり、治療も薬も効果なく、その病は日に日に悪化していきました。ある夜、母の清涼院は「松前城の東にある温泉へ行けば、どんな病も治る」というお告げを夢で見ました。この夢で見た温泉が「湯の川温泉」で、千勝丸を湯治させると、まもなく全快したそうです。藩はそのお礼に翌年薬師堂を祭り鰐口を奉納しました。これが湯の川温泉の発祥と言われています。渚亭のお風呂は源泉100%の差し水をしていない温泉です。津軽海峡に面した抜群のロケーションの中、夕日や漁火を眺める事ができます。