

シモクレン(紫木蓮)は、中国原産のモクレン科モクレン属の落葉低木〜小高木です。3〜4月頃、春の訪れとともに新葉が出る前に、外側が濃い赤紫色の花を咲かせます、内側が薄い紅紫色の花を上向きに咲かせます。日本では単に「木蓮」といえば、この紫色の花を指すことが多いです。白い花を咲かせるハクモクレン(白木蓮)と区別するため、紫色の花を持つ本種は「シモクレン」とも呼ばれています。 3〜4月、葉が出るのと同時期に花が咲き、花弁は6枚。樹高は4〜5mほどの株立ち(根元から多くの幹が分かれる)になりやすいです。上品で爽やかな甘い香りが特徴で、庭木やシンボルツリーとして人気があります。蕾は「辛夷(しんい)」という生薬として鼻炎の薬に利用されています。日当たりと水はけの良い場所を好み、寒さ・暑さに強いですが、強い剪定は好まない樹木です。
植物の「ナルキッソス(Narcissus)」は、ヒガンバナ科スイセン属の球根植物の総称で、一般的には「スイセン(水仙)」として知られています。春の到来を告げる花々は数多ありますが、水仙もそのひとつですね。水仙の学名(ラテン語)はNarcissusですが、これはギリシア神話に登場する美少年ナルキッソスの名に由来します。泉の水面に映った自身の姿をそれとは知らずに水中の美少年と思い、「彼」に恋焦がれつつ衰弱し果てたナルキッソスが、死後に水仙の花に姿を変じたという神話をご存知の方も多いことでしょう。
フォンシオンは、17世紀以前から存在する非常に歴史の古い八重咲きの黄色い水仙(スイセン)の品種です。黄色い花弁と副花冠が重なり合った豪華な花を咲かせ、性質が非常に強靭で、庭や野生化した場所でも長年生き残る多年草です。鮮やかな黄色で、八重咲きの「ダブル・ダッフォディル」の代表種です。4~5月にかけて開花します。1620年以前から知られており、日本には昭和初期には導入されていました。別品種との混同:
別名として「八重咲き水仙」などと呼称されます。なお、キク科の植物「シオン(紫苑)」とは別物です。 ウイルスの影響により、花弁が緑色に変化(退色)する株が多いことでも知られています。非常に古くから愛され、庭植えに適した頑健な水仙です。
ビャクシンは、宮城県から沖縄までの太平洋岸沿いや瀬戸内海地方に分布する常緑針葉樹です。東南アジアに広く分布し、中国や朝鮮半島にも見られます。自生は海岸の岩場や崖地であり、生命力の強さを表現する盆栽として栽培されることが多いです。庭木としては和風庭園や寺社に使われる程度であり、植栽数は栽培変種であるカイヅカイブキに及びません。葉の形状は画像のとおり、鱗状(ヒノキ型)になるもの、針状(スギ型)になるものがあり、場所や樹齢によって異なります。成長の落ち着いた大部分の葉は鱗状で、苗木、徒長枝、老木の下枝は針状になりやすく、鱗状の葉を「柏」、針状の葉を「槙」とし、併せて「柏槙(びゃくしん)」と呼んでいます。
ヤエシダレザクラ(八重枝垂桜、主にヤエベニシダレ)は、エドヒガン系に属する枝垂れ桜の園芸品種で、4月中旬頃に濃い紅色の八重咲き(10〜15枚程度の花弁)の花を咲かせる高木です。枝が細く下向きに垂れ下がり、満開時には滝のように華やかな姿になるのが特徴です。「ヤエベニシダレ(八重紅枝垂)」が一般的で、仙台の「遠藤桜」や「センダイヤエシダレ」とも呼ばれます。ソメイヨシノが散り始める頃(4月中旬頃)に満開を迎えることが多いです。花は小〜中輪で、花弁が重なる八重咲き、色は鮮やかな濃いピンク(紅色)です。京都の平安神宮のものが有名で、樹形が美しいため庭園や公園のシンボルツリーとして人気があります。八重の重なりが美しく、華やかで優美な姿から、桜の季節の後半に特に人気のある品種です。
メキシカンプラムは、アメリカ中南部からメキシコ原産のバラ科サクラ属の落葉小高木です。メキシカンプラムは庭木として栽培されています。香りのよい花を咲かせ、真夏から初秋にかけて実が熟します。熟した実は食べることができますが、そのまま食べるよりもジャムやゼリーにされることが多いようです。メキシカンプラムは、もともと北アメリカの温帯および亜熱帯地域に自生していた植物です。現在では、その生育に適したさまざまな地域でも導入され、栽培されています。この分布の拡大には、原産地以外での正式な栽培および帰化した個体群の両方が含まれます。樹高は4.5〜11.5mに達する落葉性の木で、灰色い樹皮が特徴です。観賞価値の高い花と美味しい実の両方を楽しめるため、庭木や果樹として非常に人気があります。
花桃(ハナモモ)は、食用ではなく観賞用として品種改良されたモモ(バラ科サクラ属)の総称です。3月中旬~4月中旬頃、サクラと同時期にピンク・白・赤の華やかな花を咲かせます。江戸時代から親しまれ、3月3日の桃の節句の切り花や、庭木として人気のある、耐寒・耐暑性が高い落葉低木です。実を収穫する「実桃」とは異なり、花を愛でる目的で栽培されます。実は小さく、基本的に食用には適しません。八重咲きの品種が多く、1本の枝に多くの花を咲かせ、非常に華やかです。1本の木で紅白の花が咲き分ける「源平桃(げんぺいもも)」、枝が垂れ下がる「枝垂れ桃(しだれもも)」、菊のような花弁の「キクモモ」などがあります。古くから魔除けの力があるとされ、桃の節句に飾られます。桜よりも鮮やかで、庭を華やかに彩る春の代表的な花木です。
テルテモモ(照手桃)は、神奈川県農業総合研究所が品種改良した、枝が横に広がらずホウキ状に垂直に伸びるハナモモ(花桃)の園芸品種です。別名「ホウキモモ」とも呼ばれ、狭いスペースでも育てやすく、3〜4月に白、ピンク、赤の八重花を咲かせるため、桃の節句の観賞用として人気があります。通常のハナモモと異なり、枝が立ち性(上に伸びる)でコンパクトにまとまり、シジミバナに似た八重咲きの花が密集して咲きます。名前の由来は、神奈川県藤沢市に伝わる「小栗判官と照手姫伝説」の照手姫に因んでいます。庭木、鉢植え、切り花(花材)として利用され、品種には「照手紅(テルテベニ)」や「照手白(テルテシロ)」などがあり、コンパクトな樹形から庭植えや鉢植えの記念樹としても人気があります。
日本原産のミヤマオダマキと、ヨーロッパなどが原産の西洋オダマキの2グループに大別されます。ミヤマオダマキは白から紫までの色幅があり、変わったところでピンクがかった園芸品種もあります。草丈は20-30cmで、径4cmほどの花をつけます。それに対して西洋オダマキは、草丈70cmに達し、花色も、赤・桃・白・黄などカラフルです。花はおおよそ5月~6月頃の初夏に咲きます。オダマキの名前は、中心を空洞にして巻いた麻の糸玉「苧環」に花の形が似ているところから付けられました。花が開いた形と言うより、つぼみの形が苧環に近いと思います。花は5枚の萼(がく)と筒状の花びらからなっており、がくの後ろ側には距(きょ)が角のように突き出ています。葉っぱは長い軸の先に3枚の小さな葉が付いた三出複葉です。花後、花茎の先に細長い莢が5つ集まった果実を付け、熟すと先端が開いて中から光沢のある黒いタネが出て来ます。
ノースポールは、キク科フランスギク属(レウカンセマム属)の耐寒性一年草で、12月から5月頃まで白く中心が黄色い小花を咲かせます。北アフリカ原産で草丈は15〜30cm、寒さに強く冬から春の庭・鉢植えの定番です。マーガレットを小ぶりにしたような見た目で、1株でもボール状に大きく育ちます。ノースポールは径3cmほど、中心が黄色の白い小ギクで、花期が長く育てやすい人気の一年草です。比較的寒さに強く、関東地方以西の平地では秋にタネをまけば、防寒しなくても冬越しでき、冬から初夏まで花を楽しむことができます。株はボール状に育って、最盛期には株一面に花を咲かせます。実は「ノースポール」という名前は、種苗メーカー「サカタのタネ」さんが開発した品種名なのです。その後、白花のクリサンセマム=ノースポールというイメージが定着し、流通名として広く使われるようになりました。
ペーパーホワイトは、冬の12月~1月頃に白くて小さな花を房状に咲かせる、ヒガンバナ科スイセン属の球根植物です。紙のように真っ白な花弁と甘い香りが特徴で、日本水仙の仲間の中でも特に早く開花する早咲き品種として親しまれています。花びらや副冠(中心部分)が紙のように真っ白であることから名付けられました。1本の茎から複数の花を咲かせる「房咲き」で、強い芳香があります。非常に丈夫で、乾燥や日当たりを好むため、庭植えや鉢植え(水耕栽培も可能)に向いています。毒性があるため、植え替えの際は誤食に注意が必要です。また、ペーパーホワイトは寒さに強く、日当たりと風通しの良い場所を好むため、手軽に冬の庭を彩る花として人気があります。
カラムラサキツツジ(唐紫躑躅)は、ツツジ科ツツジ属の落葉低木です。春、葉が出る前に鮮やかな桃紫色(紅紫色)の花を咲かせるのが大きな特徴で、朝鮮半島や中国東北部に自生しています。3月~4月頃、ツツジの仲間の中でも非常に早く、日光植物園の個体のように春と秋の2回開花するものもあります。枝先に漏斗状の花を数輪ずつ咲かせます。およそ
2~3m ほどに成長します。落葉性のため、冬には葉を落とします。近縁種の「ゲンカイツツジ」に似ていますが、カラムラサキツツジは枝や葉に毛がない(または少ない)点で区別されます。主に朝鮮半島や中国ですが、日本国内でも庭園樹や公園樹として栽培されています。大分県など一部の地域では野生化・自生しているケースがあり、レッドデータブックに掲載されている場所もあります。よく似た名前の「オオムラサキツツジ」は常緑または半常緑の園芸品種であり、本種とは性質が異なります。
カナメモチは日本や中国が原産の植物で、気候の違いなどの心配が少なく、落葉も少ないので生垣にすることが多い植物です。赤い新芽と、5~6月には小さな白い花もつけるので、タイミングが合うと赤と緑と白の3色に飾られた生垣を楽しむこともできます。日本の風土に合った性質のカナメモチは、丈夫で生垣として育てやすい植物です。こまめに剪定すると木の形も整い、より多くの新芽を楽しむことができます。カナメモチの若葉が赤色化しているのはいわゆるフラボノイド色素を蓄積しているためです。植物の若芽や若葉がアントシアニンを蓄積することはしばしば認められることで、一般には、有害な光線に対する光学フィルターとしての効果がその主な生理機能であるとされています。カナメモチの場合には品種によっては若葉だけでなく成熟葉においても大量のアントシアニンが含まれていて葉が桃色を呈している場合があり、園芸品種としての価値を高めているようです。
大山桜は、北海道から本州の寒冷地、標高の高い山地に自生するバラ科の落葉高木で、ソメイヨシノよりも濃い紅紫色の大きな花を咲かせる桜の原種です。別名「ベニヤマザクラ(紅山桜)」や、北海道に多く自生することから「エゾヤマザクラ(蝦夷山桜)」とも呼ばれ、寒さに強い特徴があります。花は直径3~4.5cmで、ヤマザクラよりも一回り大きく、鮮やかなピンク~紅紫色で、開花は4月~5月頃、新葉の赤茶色と花の対比が美しいです。秋には葉が美しく紅葉し、春と秋の2回楽しめます。北海道では五稜郭や二十間道路など、代表的な桜として親しまれています。樹皮は栗色で光沢があり、樺細工(桜皮細工)の材料としても有名です。寒冷地に自生する野生種ならではの、力強く美しい姿が魅力の桜です。
アネモネ・シルベストリスは、キンポウゲ科の初夏に咲く原種のアネモネのひとつです。アネモネというと球根の花が一般的ですが、シルベストリスは宿根草の草花です。花の咲く時期以外は下葉だけなので丈は低めですが、春になると株元から花茎が立ち上がり、晩春から初夏に白い花が開花します。白い花は可憐でやさしい雰囲気で、大株になるととても見事な景観になります。花は朝や夕方に見ると丸く閉じていて、太陽が当たると大きく開きます。丈夫な宿根草としてよく販売されていますが、アネモネの原種として山野草のような扱いで出回ることもあります。長めの花茎を伸ばして頂部に一輪、純白の花を咲かせます。花もちはあまり良いほうではありませんが、花の上がりは悪くなく比較的長い期間花が楽しめます。葉は切れ込みが深く入ります。
シダレモミジ(枝垂れ紅葉)は、ヤマモミジやイロハモミジの園芸品種で、枝が地面に向かって垂れ下がる特徴的な樹形の落葉高木です。和風庭園のシンボルツリーとして人気が高く、春の紅葉、夏の鮮緑、秋の深紅と四季折々の表情を見せます。代表的な「青しだれ」と「紅しだれ」があり、繊細な切れ込みの入った葉が涼しげな風情を演出します。枝が垂れ下がるため、高さはあまり出ず、横に広がります。葉は7〜9つに裂け、切り込みが深くギザギザしています。日当たり〜半日陰を好みますが、乾燥や強い西日に弱く葉焼けしやすいため、湿り気のある場所が適しています。庭のアクセントとして、特に和風やモダンな庭園に植えられることが多い樹木です。葉と枝がしだれる独特の樹形は和のイメージが漂います。繊細な葉は涼しげで和の庭の添景に最適の樹種です。
イベリスは、砂糖菓子のようなかわいい花が株を覆うように咲き、春の花壇を彩ります。名前は、スペインの昔の国名イベリアに由来し、この地域に多く自生していることからつけられました。中国名では屈曲花(マガリバナ)と呼ばれ、これは太陽を向く性質が強くて花茎が曲がりやすいことに由来します。4枚の花弁のうち、外側の2枚が大きくなるのが特徴で、小花が多数集まって大きな花房になります。花房は、咲き始めは平らですが、咲き進むと盛り上がって長い穂になります。イベリス属には40種ほどがあります。一年草では、「ヒアシンスフラワー」とも呼ばれるアマラ種と、花色の多いウンベラータ種が多く栽培されています。多年草では、常緑性で耐寒性が強く、トキワナズナやトキワマガリバナとも呼ばれるセンペルビレンス種がよく栽培されています。これらは、それぞれ園芸品種も育成され、特にセンペルビレンス種では多くあります。